3.
GMじゃ、翌日です。朝から何か行動する人いる? 有子お昼位に深尾真由菜さんの所にてててーっとお話に行こうかな。「あのー。深尾真由菜さん、いらっしゃいますか」 GM「まゆなー! 図書委員長が呼んでるー!」そうすると君よりだいぶ大人っぽい子が……。 有子うわあ……。
真由菜の兄、淳一について聞くが、よく知らないと一蹴される。
有子「う〜ん。それ書いてた時のお兄さんのこととか、ちょっと聞きたいなぁって……。」 GM/真由菜「そんなこと言ったって、兄貴、男子寮だし(笑)。」 有子「あ(苦笑)。そうだよね、そうだよね。」 GM「私は美術部だから、もし、兄貴が文芸部の部室で書いてても、そんなの知るわけないし。」 有子「う〜ん。その通り。」 GM/真由菜「ひょっとしてうちの兄貴のこと疑ってるわけ!?」 有子「え、ええっ!? いや違うけど……。」 GM/真由菜彼女、君の耳元に顔を近づけて 「あの……委員長って事は、さ。やっぱり調べてるんでしょ?」 有子「……ちょっとは。」 GM/真由菜そうすると顔を離して「言っとくけど、滝之水先輩は何も悪くないんだからね。変な疑いかけないでよね。あぁいうのは、よく訳の分からない馬鹿な奴がやったの! 美術部は何の関わりもないんだから。」 有子「う、うん。私もそう思ってるけど。」 GM/真由菜「ましてや兄貴なんて下らない物しか書かない……ちょっと変わり者なんだから、まさか絵を切り裂くなんて事もしないでしょ。話はそれだけ?」 有子「そ、そうです。」 GM/真由菜「じゃあね。」って言って……。 有子ご、ごめんなさーい!! GM彼女は帰っていきます。 有子しょぼ〜ん。……う〜ん。う〜ん。う〜ん。……帰る。 一同帰る……(苦笑) GM他に何かする人は? 鬼堂とりあえず、俺は放課後まで何もしない。 愛美大学行っても空振りかなぁ……賭けてみるか。授業出ずに大学に行きます。(笑) GMわかりました。じゃ、たどり着きましたよ、大学。
「すみません、深尾淳一さんですか?」
「う〜ん。」

彼の走らせていたペンが止まる。
ペンの走り具合から、深尾がそれほど調子がよくないことを悟った愛美は、自身の幸運に感謝した。

「な、何?」
「私、高等部で生徒会役員をしております、江島と申します。お伺いしたいことがあるのですが、ここから出て少し話しませんか?」
「あぁ、いいよ。行き詰まってたし、気分転換には丁度いいや。」

図書館から出て歩きつつ、愛美は切り出した。

「去年の蒼明祭の時に出した冊子に掲載されていた『黒仮面』と言う小説なんですけれども……」
「あぁっ!」
「『黒仮面』を騙る者から予告状が届いていまして……」
「うれしいなあ〜。俺の小説の人物を騙ってくれるなんて。」

ずれていきそうになる話を、無理矢理に元に戻す。

「……教えて頂けないでしょうか。読ませて頂いたんですけど。」
「へぇっ。」

馬鹿にされたようで腹が立つが、ぐっとこらえる。

「友人たちの中に犯人がいるように思えるのですが、深尾さんはどなたが犯人だと?」

深尾が少し驚いたような顔をするのを、愛美は見逃さなかった。

――正しく、深く、読みとれていたみたいね……。

「う〜ん。誰でもあって誰でもないかな。特定したくなかったんだ。その人が糾弾されるのは目に見えて分かるだろう?」
「確かに。そうですね……もう一つ。消えると予告されていた、大切なものとはなんでしょうか。」
「そうだな〜。『黒仮面』の名を騙ったそいつ自身、とか。」

眼鏡の奥の瞳が、愛美には自分を試しているように思えた。

「あの手紙は脅迫しつつ、助けを求めていたってわけさ。」
「助け……」
「自分が消えることを誰かに気づいてほしかったんじゃないかなあと思って俺は書いたけど。」

しばらく、沈黙が場を支配した。
その後。

「ありがとうございました。」

愛美はぺこりと頭を下げた。
GM「じゃあ。」って行くよ。 愛美「この間の幻の愛に別れを告げて、読みました!」と言って手を振ってる。 GMぐうっ!! 一同(笑)
「幻の愛に別れを告げて」という「大社堂」を舞台にした小説を書き上げたのが、このGM。ぜひお読み下さい。
GMとりあえず、彼はそのまま去っていくよ。 愛美(笑いながら)「続き、まってまーす!! GMはぁ……やれやれ……。もう、いやッス。しくしくしくしく……。はーい、場面てんかーん!!放課後まで時間回しましょうか。
←prev 目次に戻る next→

© 1997 Member of Taisyado.