<戦車>が到着したのは、蒼明中央公園。
いつの間にか周囲は真っ暗。
真夜中ではないようだが…。
愛美「長い時間がかかったということね。」 GM/女帝 「時間の流れが違うみたいだったし。とりあえず、ご苦労様といっておくわ。で、この子はどうする? 私たちが預かって記憶を操作するなりしておくけれど…」 愛美「記憶は消さないわ。」 GM/女帝「じゃ、あなたたちに預けるわ。」 って、<戦車>から引きずり出して。「これからもあなたに力を貸すことになるかもしれないわ。よろしく。」 愛美「その時はこちらこそ、よろしく。」 GM/女帝「暇ができたらわたしに名前でも付けてちょうだい。今のところ、<女帝>しかないから。」 ゆかり名前までもらうのか。 GM「それじゃ、また。」と言って、空を飛んでいきます。 宗祇「ノア、悪いがこちらにエレキ・カーをまわしてもらえないか。」 GM/ノア「了解しました。」ということでしばらくするとエレキ・カーが到着します。 愛美中条に肩を貸しながら歩いて帰ります。 鬼堂「手伝おうか?」 愛美「いいよ。ありがとう。気持ちだけもらっとくわ。」 鬼堂「…わかった。」 ゆかり「じゃ、気をつけて。」 愛美「ありがとう。」 宗祇ふと宗祇は、江島愛美に連れられた中条務の運命に関して思いをめぐらせたが、考えない方が身のためだということに…。 一同(笑) 愛美<女帝>、私に力を貸してください! 一同(笑)
全員エレキカーで、寮の自室に戻った。
一方愛美は中条を連れて歩いている。
GM歩いていると霧が出てくる。そこから歩いてきたのは、魔術師ですね。 愛美(壁に中条を)持たせかけておいて、サングラスを取って「ありがとうございました。」と深々とお辞儀をする。 GM/魔術師「礼など必要ない。」と言って、中条に近づきます。「こんな傷で寮につれて帰ってはお前の信用に関わるだろう。」といって、杖を中条の体にあてると傷口が治っていくね。
「本来は、あまりこういう使い方はしないものだがな。」
愛美「ありがとう。」 GM/魔術師「どうだ。まだ、<女帝>を使う気持ちを持っているか。あれは<正義>とは違い加減ができん。そういう意味では少し荒削りだ。」 愛美「<女帝>から『あなたとは気があいそうね』って言われたわ。」
「私は、<魔宝>を使うとしても、命令を下すつもりはないの。<魔宝>には自分が成長するために力を貸してもらってるんだから。ひょっとしたら<魔宝>も成長するかもしれないし。」
「やはりお前が一番<魔宝>についてよくわかっている。だが…。」

ステッキが小刻みに揺れる。

「それは一番危険なことでもある。」
「"左近"にも言われたわ。私は危険なの?」

返ってきたのは若干の間。

「22年前、私はあの人に出会った。先ほどお前に言った『自分で考え、自分で行動する』この言葉は、あの人が私に教えてくれた言葉だ。私が、この世界でもっとも尊敬する人、それが。」

魔術師が、私の目を見た。

「お前の父親だ。」

その一言を告げると、すぐに視線を足元に落とす。

「パパは生きているのね?」
「断言しよう。彼は生きている。」
愛美「私たち生徒会メンバーは、『何も知らなさ過ぎる』と"裏生徒会"に言われたわ。」 GM/魔術師「私も"裏生徒会"も過去に縛られている。お前たちが引きずり込まれることはない。私が言えるのはそれだけだ。」 愛美「22年前に何があったかは知らないけれど相当大きな過去だったのね。パパがその発端じゃないでしょうね。」 GM/魔術師「発端は私が作った。彼は自ら望んでその渦の中に入った。だが、巻き込んだ責任は私にある。だからこそ、私はお前を守っている。」 愛美「厄介なことに巻き込んでしまって申し訳ないと思っているわ。」 GM/魔術師「その言葉は私が言うべきなんだろうな。本来なら。」 愛美「それは、どうかな。私の今の素直な気持ちなんだし。」 GM/魔術師「素直な、か。」といって、彼は去って行きます。 愛美「私には似合わないって事か。」 GM/魔術師「いや、違う。」振り返らずに足を止めて言います。「お前は、知らなくていい。知らなくていいんだ。」と言って、再び歩き出します。 愛美じゃ、消えていく後姿に向かって言います。「知らなくていいかどうかは、その人自身が決めるものだわ。何も知らされていない不安がどれだけ大きいかはあなた自身が良く知っているはず。」 GMじゃ、そう言うと ゆかりまだ続くのか(笑) GM彼はチラッと君の方を見た後、去っていきました。
「お前を守っている、か…。」

初めて出会った時に私を彼の娘だとわかったのだろうか。
私がずっと抱いている心をわかっていたのだろうか。

――パパはどこで何をしているの?

まだ、その時ではない。そういうことなのだろう。

「本来は、あまりこういう使い方はしない、か…。」

そういうことなのだろう。
先輩が目覚めた時、パパのことはきっと忘れている…。
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