GM/魔術師「で、……絵は渡してくれるのかい?」 愛美「いえ。私がお持ちいたします。」 GM/魔術師「と言われても、このままでは動くに動けない。」 鬼堂「お前が動けば、俺もついていく。」 GM/魔術師「そうか」と言って苦笑しながら……。 鬼堂「妙な真似はするなよ。」 GM……一歩ずつ進んでいく。 愛美わたしもそれ聞いたら苦笑すると思う。 鬼堂だって、信じてないも〜ん。 GMま、余裕を持ってすたすたと歩いていくよ。 愛美ちょっと後ろをついていく感じで歩いていくよ。 GM鬼堂くん、ちょっと知力判定してみて。 鬼堂(ころころ)うん。−6。 GM彼、武道のたしなみがあるみたいだね。 鬼堂うむぅ〜。 GM足取りがそう言う感じ。武道が何かは分からないけど。 鬼堂うむぅ〜。 GMで、行くとですね。二人がいるわけです。
「さて。」

ひゅんっ。

ステッキが滝之水高雄の後ろに立った。

――な、何!?

有子は息をのんだ。
無理もない。ステッキがくるくると回って人の背丈ほどに伸びたのだから。
ステッキはさらに伸び、十字架に変形した。

――まさか、縛りつける気か!?

十字架の左右から、紐のようなものがしゅるしゅると飛び出すと、あっという間に滝之水高雄は縛り付けられた。
縛り終えるとステッキはくるくると回りながら天井近くまで伸び、まさしく、滝之水高雄ははりつけにされていた。

――何かやるとは思ってたけど、ここまでやるとはね。

愛美はため息をついた。
GM/美花「お兄ちゃん!?」 鬼堂「貴様、何をぉ〜!!」 GM/魔術師「おや、言っておいたはずだ。私は<奇跡>を起こす、と。滝之水高雄の死をもって。」 愛美「それは、起こさせない。」 GM/魔術師「彼女は、兄の死を望んだ。常に親の愛情を受け続け、それを自覚していない兄の死を。そして、私はそれを叶えてやろうとしている。」 GMタンッと<魔術師>がジャンプするとですね。ふわっと浮いて十字架の方までいく。 鬼堂追いかける。ドサドサドサドサ……。 GMえ!? 飛んでるんだよ? 愛美十字架に近づこうとするんだよね。 鬼堂そうそう。 GM/魔術師「刃物はあまり好きではないが……」と言ってどこからともなく剣を出す。振りかざして「今こそ、<奇跡>の瞬間を。」 愛美「じゃ、こっちも<奇跡>を見せるしかないわね。」と言って覆いをパッと外す。外れるよね? GM外れます。 愛美美花さんに「見てちょうだい。まだ描きかけだけど。」 GM/美花「それ……」 愛美「お兄さんの作品よ。」 GM/美花「うそっ……。」 愛美「嘘じゃないわ。この署名が証明してくれる。」って言ってひっくり返して署名を見せる。「あなたも部室で見慣れてるはずでしょ。この絵の力は、お兄さん以外に……。」 GM/美花「そうだけど。でも、お兄ちゃんは……、お兄ちゃんは、私の、私のことなんか、別に……」 愛美「そんなことないわ。」 有子「あなたがそう思い込んでただけではないの?」 愛美「ちょっと有ちゃん。これ、持ってて」って言って、小部屋に行って水彩を持ってくるよ。 GMはい。 愛美「こっちも見てちょうだい。あなたは、お父さんとお母さん、二人だけだって言ったわ。」 GM/美花「うそ、うそよ。そんなの……。だって、だって、ずっと……ずっと……」と言った瞬間に、 GM/魔術師「さあ、<奇跡>を起こすとしよう。」って言って剣がざんっ。で、首が落ちます。 愛美<魔術師>っていう名前にかけるしかないな。(苦笑) GM/美花彼女は声もなく崩れ落ちる。「違う……本当は……大好きだった、大好きだったの。でも……でも……私、何の取り柄もないし、……ずっと、うらやましかっただけなの。」 愛美ツカツカツカって寄っていって、 「そんなことないわ。そういうお兄さんのことを大切に思う気持ちは、あなたの一番よいところではないのかしら。それを自分が認めてあげなきゃ。……何の取り柄もないって言っても、誰にでも必ず一つはいいところがあるわ。それを見つけているか、まだ見つけていないかの差よ。」 GM/美花「私は…………お兄ちゃん!」って言うとパンッと<魔術師>が手を叩きます。 鬼堂くぅっ……。 有子怒ってる……。 GM/魔術師「<奇跡>は叶えられなかった。滝之水美花は自ら<奇跡>が叶うことを拒んだ。」 GM気がつくと床から首がなくなってる。で、元通りにくっついてる。縛られたままの彼がいます。 GM/魔術師「彼女は兄の命を望んだ。従って<奇跡>は叶えられない。」 愛美「で、あなたはどうするの?」 GM「<奇跡>を叶える必要がなくなった以上、私は去る。」 愛美このまま去ってくれても困るんだけど。(苦笑) GMそう言った瞬間。
ガシャーン!!
って、窓がすさまじい勢いで割られます。
で、飛び込んできたのは黒い仮面の人形みたいなもの。
カシャーン。カシャーン。(←歩いてきてるらしい。)
有子「これは……。美花さんに……。」 GM(渡された絵を)彼女、抱きしめてる。 愛美「お願いね。」 GMこくん。
で、そうすると「やれやれ。無粋な連中だ。」と言って十字架の一番上までいって、ポンと叩くとステッキに戻ります。だから、お兄ちゃん、上から落下してくる。
一同(苦笑) GM/滝之水「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」 鬼堂えぇ〜ぃっ。受け止めるぅ!
鬼堂が何とか間に合った。(笑)
GMで、その人形……"黒仮面"は、ですね。"フク、シュウ、ヲ……。フク、シュウ、ヲ……" 愛美あぁぁーっ! あったまきた!!
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