GM/ノア「ご報告をよろしいでしょうか。」 愛美「お願い。」 GM/ノア「美術部室に付けられた監視カメラの映像です。」 GM&愛美そんな物があるんかー!(←なんでGMまで?)
正面のモニターに窓を破って進入してきた黒仮面が拡大され、横顔が表示される。

――さらにサーチします。

ウィーーーン。

――おそらく、この"黒仮面"という存在は、ある種のロボットだと考えられます。表面は特殊な陶器のようなもので覆われていますが、中に機械の存在を確認しました。

「やっぱり、人間ではなかったの?」

有子は誰に言うともなく呟いた。

――間違いなく人間ではありません。

"ノア"が間を置くように沈黙した。

――これだけの物が作れる文明レベルは、現在の社会には存在しません。このロボットは自分の意志で行動しています。遠隔操作という方法も考えられますが、現時点では電波など司令系統に属する物は見つかりません。

「自分の意志で行動していると見る方が自然なわけね。」

――そうです、江島委員長。なお、鬼堂委員長が現在"黒仮面"を追跡し、下水道を進んでいる模様です。
有子「げ、下水道!? ……そ、そんなところに……」 愛美「有ちゃん。」 有子「はい。」 愛美「……お風呂の準備を頼むわ。」 有子(笑)「はい。」 愛美「「今の」人間では、作れないって事かしら?」 GM/ノア「マスターならば可能かもしれません。」 愛美「静音ちゃん並、って事か……。」 GM/ノア「できないとは申しません。生徒会執行部のような、いわゆる異能者が出現しないという可能性はありませんから……それから、江島委員長。」 愛美「はい。」 GM/ノア「理事会の方からこの件に関して打診がありました。」 愛美やーだーなぁー。 GM/ノア「現在、執行部が引き受けている事件と同時に、このような事件が起こったことで、理事会も困惑の意を表してるようです。理事会からは事件の早期解決を求められています。」 愛美で、どうしろと? 呼び出しでもくらってるの? GMまだ、みたい。 愛美どうして、わたしなの〜(惑) GM今のところ、(学年が)上でいるのが君だから。あと、管理してるから。(←何を? 選挙を?)
それに定期的に報告書出してるから、君なの。
愛美うぅっ……。(報告書書くんじゃなかったと思ってる) GM/ノア「引き続き、鬼堂委員長、永沢委員長と共に事件を調査して下さい。」 愛美で、下水道の方はどうなの? 追っていって。 GMおぉっ。そうだった……何か行きすぎた気がするな〜。 鬼堂何! 通り過ぎたか! GMとりあえず、後は追うけど、何も。
手近なマンホールを開けて、生徒会室へと戻る鬼堂。途中、白い目で見られていることに全く気付かないまま生徒会室に到着する。
愛美「鬼堂くんっ。」(と、お風呂を指す) 有子「お風呂、用意できてますから……」
(と、お風呂の用意を差し出す。)
鬼堂「いやぁ、風呂など……。そんなに臭うか?」 愛美「下水道通ってきたあなたには鼻が効いてないのよ、はいはい」(と追い立てるように言う) 鬼堂「じゃ、失礼して。」 有子「ごゆっくりどうぞ〜。」
鬼堂は、浴衣姿でお風呂から出てきた。
有子が用意した着替えが浴衣だったらしい。(笑)
愛美とりあえず、情報を伝えるよ。 GMそうするとまた、ワーニング! ワーニング! 報道委員長が「"ノア"にハッキング!?」とか言ってます。 有子「え?」 愛美何!? 静音ちゃんが怒るぞ……。」 GM「だめです。メインシステムが乗っ取られます!」
ピーン!
正面のモニターに映ったのは、薄暗い館の内部だ。
背もたれから洋風と分かるいすに、一人の男が私たちに背を向けて座っている。
GM「初めまして、生徒会の諸君。」 愛美「(不敵に)あら、ようこそ、おいで下さいました。」 GM「今回の黒仮面のことで困っている君たちに、特別にヒントを差し上げようと思ってね。」 愛美「あら。困っている時にヒントをくれるなんて、何ていい犯罪者なんでしょう!」 GM「犯罪者……実に悲しいことだよ、江島、愛美。」 愛美「私のこともご存じで、ありがたい限りですわ。」 GMそうすると、「そうそう、自己紹介が遅れた。」
で、手がひゅんっと動いて、ステッキが握られて。ひゅんってやると、反対の手にはシルクハットが。
有子「……な、何者!?」 愛美「ステッキにシルクハット……手品師みたいね。」 GM「私の名前は、そう。<魔術師>。」 有子マジシャン?……うぅ〜ん。 GM/魔術師「そう呼んでもらえれば結構だ。」
で、ふっと投げて、シルクハットかぶって……まだ背を向けたままだけど。
「今回の事件、美術部員に犯人がいる。」
愛美「なぜ、そこまで、あなたは私たちに教えるの?」 GM/魔術師「……私は<奇跡>を起こすように頼まれている。その"黒仮面"を操る本当の"黒仮面"から。……調べてみることだ。君たちの能力を使って。能力も使わなければ宝の持ち腐れにすぎない。」
ここまでお読みになられた皆様はお分かりかと思いますが、誰も超能力を使っていません。
つまり、このハッキングシーンは「美術部に目を向けろ」というだけでなく、「自分の能力欄を見て」というGMからの救いの言葉でもあったのです。
ですが……(苦笑)。
GM/魔術師「私は『<奇跡>を起こさせてもらう』と宣言させていただく。」 愛美「どのような<奇跡>なのかしらね。誰に対しての<奇跡>なの?」 GM/魔術師「『誰に』かは言わない。が、<奇跡>の内容はすなわち、滝之水高雄の死をもって、それを<奇跡>と代えさせてもらう。」 愛美「それは……止めなくてはならないわね。なぜ、あなたがそこまで<奇跡>に執着するのかは分からないけど。」 GM/魔術師「私は<魔術師>。<奇跡>を起こす者。……では、また会おう。」 GM/ノア「駄目です! 追えません!!」 愛美「無理よ……」 鬼堂「えぇぃっ。何をやっておる!」
ガチャガチャ……。
「何? 全体を初期化します、だと??」
GM/ノア「生徒会執行部自爆決議を……」 愛美まってくれ〜!!
何とか愛美が止めたようだ。
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