- 里引き編:1日目 その6 -
《春宮からまた、戻って》

日が傾き始め、風が涼しくなってきましたが、熱気でこのあたりは非常に暑くて熱い。
春宮周辺は、ものすごい人だかり。
どうやら、建て御柱がはじまったので、境内入場制限をしている様子。

と、思いきや。

「すいません、秋一の氏子さん、右手から境内に入ってください。」

な、なにっ!?
まだ、木落としできてないか、したばっかりかってこと!?

今は、4時半。
予定時間を2時間以上も過ぎている。

「有ちゃん、遅れてるみたいだね〜」
「ごめんね、ごめんね。今回の秋一がおっきいからだと思うんだけど……ごめんね…」
「ちょ、ちょ、ちょっとぉ〜。何で有ちゃんが謝るの!?」
「いつも、みんな、すごくがんばってるのに、どうしても、遅れちゃうの……っ」

有ちゃんの言うとおり、御柱の曳行時間は、大体、予定時間から1〜2時間遅れる。
今回の予定だと、春宮木落としが同じタイミングで2本行われることになってたし、
私としては、時間通りに行かないことは織り込み済み。

だけど、この分だと、かなり暗くなってからの木落としになりそうなので危険が伴います。
入場規制が厳しくなるだろうな。

「えっとね、たぶん、今日中に木落としを終わらせるんじゃないかと思うんだけど……」
「……。あと、4本あるよね?」
「うん、そうなの……だからね……あの……他の……」
「なんだか、私たち邪魔になりそうだから、他のところ見に行こうか。ね、有ちゃん、どこに行こうか?」

氏子さんのお祭りですし、安全第一。
有ちゃんたちと同じく、ここは引き返します。
そのまま今度は花見街道を通り、眼下に諏訪湖を見渡しながら秋宮へ。

専女八万(とうめはちまん)。

外観は「ここは横浜?」というような白亜の洋館。
正直、ちょっと浮いてるかも、という気もしないでもありません。

店内に入ると木目調で、天井には大きな梁。
外観とはまったく異なる和風な感じのおみやげ物屋さんです。

ふと見ると喫茶コーナーが。
ドリンクバーのような機械を使って自分でコーヒーを入れるお店です。

一杯、200円でこの時期暖かいカフェオレが飲めるなら、それはありがたい。

いすに座って、コーヒーを飲んで一言。

「やっぱり、のど、かわいてたんですね」
「やっぱり、足、つかれてたね。」

飲み始めると、のどが渇いてたことがわかり、座ると足が着かれてたんだって思う、という(笑

1時間ほど話しをしながら、ゆっくりと疲れをいやします。

《そろそろ、帰途》

そろそろ、お土産を買い回らないと、迷ってる時間もほしいしね。

専女八万の中をまずはぐるっと一周。
さきほど、食祭館では見かけなかったものがたくさん……。
これは、迷う……。

夕飯を食べる店を探したら、道間違えて、ファミマに変更……

「あ、ここじゃないです?」

ほんとだよ。
ちぇっ、絶対リベンジだな。

こうして、1日目は終わり、塩尻へ。
その日に帰る友人を駅で見送り、私は松本へ…。

「宿泊代は……、日曜日の宿泊は30%割引となっていまして」

うん。想定内。2泊で1万。
まぁまぁでしょう。

シャワーを浴びて、ささっと汗を流し、翌日に備えます……が。
なかなか寝付けないので、今日の記録を書く事に。
明日は、秋一をみたいと思っているので、午後からでようかな。
最終日は早起きなので、明日くらい、ゆっくり寝てよっと。

缶チューハイを片手にポメラで記録を取り始める。


が。
ほとんど進まないまま夢の中へ…………。

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