7.剣と贄の目覚め
GMそうすると、大地が激しく脈動し始めるよ。どどどどどぉぉぉぉん! 麗子うそぉ! まだそっちが残ってるの? もういや! (錯乱状態(?)で、席を立って部屋を歩き始める麗子のプレイヤー) 経若大丈夫? GM氷高先生が「那月の制御を外れた<龍>が暴れだそうとしている。壬生風斗、やるしかないな。」 風斗「……はい。」 GM「お前たちは榊由美を囲むように座れ。」 「お前たちって……俺も入ってる?」 GM「当然だ。」 瀬川「何をするつもりだ?」 GM「とりあえず<龍>を黙らせないことには何もできんだろう。」 「結界でも張るの?」 GM「俺はその手の術の心得はない。」そして、ついに諏訪湖から<龍>が姿を現すよ。黄金の輝きに包まれた光の固まり。それが、君たちの中心に立つ由美を見つめている。 麗子うわ……。 GM「<龍>は榊由美を喰らうつもりだな。」 風斗「由美を……。」 GM「麗子たちはできるだけ榊由美を守ろうと想ってくれ。その想いが今は必要だ。」 「俺は外れたほうが良くない? いきなり知らない人間を守れと言われても。」 GM「(冷たく)構わんが、<龍>に喰われないように気をつけることだな。想いの固まりである妖怪は<龍>の好物だ。」 ……飯綱ごときに防げるものじゃないな。 クロ「あ〜、ユミよりタクヤの方が心配だ。」 GM「それは余計な心配だな。」 クロ「うう〜。」 GM君たちが何かし始めたことに気づいたのか、<龍>が襲いかかってくる。「よし、壬生風斗。榊由美の手首を切れ。」――あ、手首じゃないっ!(爆笑) ええ〜っ? 麗子氷高く〜ん! ……びっくりした。 GM何で僕はこんな重要な場面で間違えるんだぁ〜! 麗子そこがいいところだよ。(←フォローになってない)。 それより儀式を始めろって。 風斗じゃあ、由美の左手を取って……。 GM由美は茫然と空を見上げたまま「強い力……破滅と、生命が……来る。」 風斗「由美、ごめん……(軽く斬る仕草)。」 GMそうすると由美の血がほんの一滴流れ落ちただけで、<龍>は急に動きを止めておとなしくなった。君たち全員を取り囲むようにとぐろを巻いている。視線は由美と風斗から離れないね。 風斗「これをあと2回やるんですか?」 GMあ、もう斬らないでいいよ。今流れている血だけで充分だから。「よし、次は呪文の詠唱だ。俺に続いて言えばいい。」 風斗「は、はい。」
「<剣の巫女>の血を引くものがここに命ず。」

氷高の言葉を忠実に続ける。

「荒ぶりし力。汝、<龍>の力。」

何だか身体の芯が熱い。それに灼けつくような痛みも――風斗は全身がすでに汗まみれになっていることに気づいた。
いや、それは由美も同様らしい。握り締めた左手はやはり熱かった。
それでも彼女の瞳は<龍>から離れない。

「力を統べし力。我、<剣>の力。」

本当は由美にわずかにでも声をかけたい。今のままだと、どこかへ行ってしまいそうな気がする。そう、このまま<龍>と共に……。

「鎮まれ。<贄>は我の前にあり。」

いけない。意識を儀式に集中させる。
……それにしても、不思議だ。こんな風に考え事をしながらでも、呪文を続けられるとは。まるで別の自分が喋っているようだ。
別の自分。そうだ、今の由美もまるで別人のような……。

「鎮まれ。<贄>は未だその時にあらず。」

突如、<龍>が吠えた。表情などといったものがあるとは思えないが、不満げなのは分かる。
俺の言葉に反応してるのか……?
だとしたら、<龍>は由美を喰らいたいのか? なぜ? <贄>だから? <贄>って何だ? <剣>って何だ?
……俺や由美は何者なんだ?

「鎮まれ!」

そして、<龍>は姿を消した……。
GMそれほどひどい出血ではないけど、由美の顔色はかなり悪い。「さあ、次は地浦純の血の封印だ。」これは簡単。地浦さんに由美の血を注げば大丈夫。 風斗じゃあ、掌にでも軽く傷を付けて互いのを合わせれば……。 GMうん。そうすると純の身体が一瞬ぼうっ輝いた。それ以外には特に異常はないよ。 麗子[オーラ感知]で純ちゃんが人間になっているかどうか、確かめるけど。 GM……人間だね。 一同よかったぁ〜(安堵)。 GMというわけで、最後に<龍>の起こしている震動を抑えればいい。やり方はさっきと似たようなもんだからやらない。 面倒だからやらない気か。 風斗以下略(笑)。 GMそう、以下略。 風斗「(詰問口調で)そんないい加減なことでいいんですかっ?」 GM「俺に何度も言わせるな(笑)。」で、風斗を除くみんなに3D振ってもらおう。 麗子&薫12。 クロ10。 瀬川&経若9。 ……8。 GM(ダイス目をメモって)なるほど……じゃあ、無事に震動はなくなったよ。 瀬川「……儀式はこれで終わったのか。」 GM「ああ、一応はな……。」 麗子「もう少し休ませてからにしてあげて……氷室。」 GM「……そうか。奉全は知っていたからな……奴なら俺に<龍>を使わせなかっただろうが。皮肉なものだ。」と言って、氷高さんは<氷神>の姿――氷でできた3本の尻尾を持つ狼――に戻り、空を駆けていく。 風斗飛べるんだ……。 デュワッ! GM(素っ気なく)違う。 クロ(小声で)パカポッ、パカポッ。 GM……いや、馬じゃないから(笑)。爪と肉球だよ。 経若にくきゅう〜♪ GMこらこら……しばらくすると、由美が意識を取り戻す。 風斗「由美!」 GM「……あれ? あたし、どうしてたんだっけ?」 風斗抱き締めます。 GM「え? ちょ、ちょっと……風斗……(赤面)なぁにすんのよっ、ド馬鹿っ!」 瀬川(呆れて)「またか。」 経若毎回これだな(笑)。 麗子「ほらほら、やめなさい、由美ちゃん。」 GMで、舞花の方は……。よし、僕が経若くんと甲斐くんをやろう。「舞花! 舞花!」 経若→舞花あ、うん。 GM「舞花……。」もうこうなったら、上総陵に続く第2弾・『抱きしめてキスっ、ゴー!』だぁっ! 麗子何もできないやん(苦笑)。 舞花まあ、されるがままって感じで……帰ってこれてよかった(笑)。 GMあとは……拓矢くんが残っていたな。 クロ「タクヤタクヤタクヤタクヤぁ〜。」 GM水晶球は無事だから……。 それはいいとして、肉体は? クロ傍に持ってきてる(早業)。ノムタ、どうすればいい? GM「こういう時には……水晶球を割るわけにはいきませんよねぇ。」 瀬川(笑)お前なぁ。 GMと言ってると、水晶球にピシピシッとひびが入る。 クロ「うわああああ、大変だぁ。」 GMで、完全に砕け散っちゃうと……拓矢がむくりと起き上がるよ。 (クロに)「術者が死ねば、術は解けて元通りになるに決まってるだろ。」 GM「あ……身体に戻った……。」 クロ「タクヤぁぁ〜〜〜〜(感謝感激謝恩大セール)。」 GM「うわあああっ! ク、クロ……鬼犬のままで顔を舐めないでよぉ(笑)。」 クロ「だって、だって……(ぐすぐす)。」 GM「泣かないでよ……。あっ、麗子さん、ありがとうございました。(ぺこり)」 麗子「いえいえ、全部クロくんが頑張ってくれたのよ。」 GM「でも、クロが何かと迷惑かけたかもしれないし……。」 麗子「(優しく)そんなことないわ。クロくんの想いがあったから……。」 GMう〜ん。拓矢は感動しちゃうな。「ありがと、クロ。そうだなあ……あ、お母さんに頼んでフリルつきの服をもっともっと作ってもらおうよ!」 一同(大爆笑) 瀬川……気づいてないのか……。 経若拓矢ぁ〜(笑)。 GM彼、[朴訥]だから鈴羽さんの言うことを鵜呑みにしてるんだよ。「クロはね、フリルつきの服が大好きなのよ。」と言われても、「へぇ〜、そうなんだ。」と疑いもしない。 クロ……(複雑な表情)。 GM素直に喜べないクロであった。 その間に、諏訪湖へ[オーラ感知]をしてみよう。狼の兄ちゃん(氷高のことらしい)が姿消したから、<龍>をうまく鎮められたのか分からないんだけど。 GMたぶん、うまくいったんじゃない? 諏訪湖も普段通りに見えるし。 成功したと、考えるしかないんだろうな……。
第7章 了  終章に つづく
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