風斗「どうして、舞花さんに乗り移ってるのが、その紅葉さんなんですか……?」 瀬川それは……? 麗子GM、説明して。 GMええっ? ……う〜ん、仕方ないなあ。みんなに正確な事実を知らせておくに越したことはないからね。 瀬川説明したいけど、僕自身把握してないんだあ〜。 GMすると「わしが説明するかのう。」という声と共に、部屋の戸を一人の老人が開けるよ。紫苑寺舞花さんの養祖父、彩雲だ。 一同ああ〜。 麗子「彩雲さん……。」 GM「麗子殿、大丈夫か?」 麗子「ごめんなさい。守りきれなくて……。」 GM彩雲さんは軽く首を振る。「あれは戦後間もない頃のことだ……。」
妖怪は特別な例を除き、いつか復活する。しかし、紅葉は魂こそ甦ったが、肉体は長い時間を経ても再生されなかった。
人の心を失い、ただ人に恐怖を与えたいがために紅葉はある方法を考えついた。自分と波長の合う肉体を乗っ取ればいい、と。そして標的となったのが舞花だった。般若は女の「鬼」を表すものであり、その意味ではまさに紅葉の望み通りだったのだ。完全に自我を得ていなかった舞花は簡単に乗っ取られ、殺人を犯すことになった……。
GM「……あの頃はわしもピチピチな青年じゃった(笑)。」 経若そういう性格だったの? GMお茶目なお爺さんなんだよ。 経若知らなかった……今、音を立てて崩れていく私のイメージ……。
注:経若のプレイヤーは、本来は舞花を演じているのです。
GM「わしは……何と言うかのう……若気の至りという奴で……舞花に……(笑)。」 経若至ったの? GMいや、あくまで精神的なものだ。 「素直に言いなよ。惚れたって。」 GM「やかましい。餓鬼が。」 経若すげーツッコミだ(笑)。 瀬川「黙らせよう。」 麗子「瀬川くん、その辺に紐があったわよ。」 GM「わしの後ろ回し蹴りが飛ぶぞ。まあ、話が逸れたが紅葉に乗っ取られた舞花を救うため、当時の大社堂の面々と協力して獅子奮迅の活躍をしたというわけじゃ。しかし、紅葉を取り除くことができず、舞花も死んでしもうたが……。」 風斗「今はどうしているんですか?」 GM「それは瀬川殿に聞いてくれ。」 瀬川「みんなも知ってると思うけど、あの骸骨持った爺さん――<がしゃどくろ>って奴の手下になってる。」 風斗ああ(納得したような感じ)。 瀬川「奴は死者を甦らせる力を持ってるそうなんだが――」 「死者を甦らせる?」 きら〜ん♪ 経若ヤバい(笑)。 瀬川「いや、その力は本来あるべき力じゃないから、甦った人間は歪んでしまうんだ。那月があんな風になってしまったのも……」 麗子「那月が『生きたい生きたい』って思っているところに無玄が甦らせて。」 瀬川「麗に対する愛情が歪んで、麗以外のものは排除しようとしてるんだ。」
何となく話題がずれていることに、誰も気がついていない。ま、いいか。
瀬川「で、無玄と一緒にいた高校生くらいの美少年が……」 麗子「天邪鬼。」 瀬川……それくらいかな……。 その話を聞いて、「無玄と天邪鬼、それに舞花とも会ったわ」と。 瀬川「今は紅葉と言うべきだろうな。」 風斗「あの、俺の方は……氷高先生が家へ来て由美を見ていてくれてます。」 麗子「そう……。どうなの?」 風斗「氷高先生の術で凍ってるんだけど。」 瀬川「大丈夫なのか、それ?(笑)」 「黙って見てたの?」 風斗「だけど、その術の氷はすぐに解け始めて……余り保たないそうです。」 「人間にも気合いの入った奴がいるもんだな。」 経若違うわー! 麗子「……私が頼んでおいたのだけど、駄目だったのかしら……?」(と言いつつ、「そうだよね?」とGMを見る。うなずくGM。←先回、麗子は不参加でNPC扱いだったため。) 風斗「麗子さん……。」 麗子「今、氷高さんは?」 風斗「家にいてくれてるはずです。」 瀬川呼びに行く方がいいかな? GMちなみに風斗の家はここから近いよ。 クロそう言っているのを遮って、「んなことよりっ!」 瀬川「何だ?」 クロ「〜っと、昨日オレの家にナツキが来やがったんだよ。」 瀬川おおっ、それはびっくり。(平然と。) クロ「でもってタクヤを人質に取ってて、レイコに初島に来いって、それで……それで……さっさと行こうよぉっ!」 「言ってることが支離滅裂だぞ。」 麗子「待って。」 クロ「うるさいっ、餓鬼ぃっ!」 麗子「クロ、待って。」 「何だワン公、お手!」 麗子ちょっと、うるさいっ、もう! GMれ、麗子さんがキレた(笑)。 麗子「いい? クロ。時間を明確に言わないなんて那月じゃないわ。」 瀬川「何時だった?」 麗子(興奮して)「何時とは言わなくても、朝か昼か夜か夕方かくらいは言うはずよ!」 経若「麗子さん、落ち着いて下さい。」 GM誰にも止められんな。 クロ(怯えたように)「明確な時間は言ってなかったけど、レイコたちが帰ってくるのは昼頃だからって……多分そのことだと思う。」 麗子……すっかり忘れてる……。 クロえ? GM「『明日の夜おいで』って言ったじゃん。」 クロしまったあっ! 麗子だから言ってるのに。 瀬川「明日の夜って事は、日付が変わったから今日の夕方か……。」
第2章 了  第3章へ つづく
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