GM(メモを渡して)では、こう叫んでください。
純(息を吸って)「いやあああああっ!」
一同(笑)
純風斗の方へ振り返って「壬生くん……私、もう生きられないのかな?」
風斗ちょっとだけ魂を吸っても、狂暴化してしまうわけ?
GMいや、彼女はハーフなんで狂暴化させる力はない。
風斗じゃあ……。
GMでも、人の魂を奪うということの罪悪感を君は知らない。
純それに親を殺したのに生きていいのかという問題も……。
茜植物とかじゃ代用できないの?
GM植物に魂がないとは言わないけど、難しいだろうね。
風斗「君は生きていく権利があると思うよ。」
純「でも、私は親を殺したし……。」
GM……では、ここで登場させましょう。実はこの広間には壺が一つ置いてあるんですが。
一同ああっ!
野牟田は壺を媒介にした[門]の能力を持っている。
GMということで、その壺から野牟田くんが現れます。「遅れてすいません。」
風斗「野牟田さん。吸精妃が魂を吸わずに生きる方法はないんですか?」
GM「ないわけでは、ありません。」
風斗「どんな方法なんですか?」
GM「ちょっと調べてみたんです。それで分かったんですが……封印するんです。」
風斗「封印?」
GM「ええ、妖怪の血を封印するわけです。そうすれば、彼女は……。ですが、僕の知ってる限り、封印を成功させられる者は一人しかいません。」
風斗「……誰なんですか?」
GM「――陰陽師・阿部那月。」
一同あああああーっ!
陰陽師・阿部那月。
かの安倍晴明の傍流の家系に生まれ、卓越した力を持った女。
戦国の世に眠ったはずの彼女は、妖怪として復活。人間の少女・麗の魂を持つ麗子を狙っている。
大社堂の面々にとっては、油断ならぬ強敵の一人だ。特にクロは友人の阿部拓矢を奪われており、怒りに燃えている。
純ここで出てきたか。
GM「ただ、彼女は……難しいでしょう。」
風斗う〜ん。
GM「しばらくは僕の腹の中にいればいいでしょう。一時的に生命活動が停止しますし。」
これはアドリブ。野牟田は「呑みこみ」の妖術を持っているが生命活動までは停止できないのである。
GM「……これは答えを先送りにしているだけです。もし駄目だったら、あなたは……。」
純(考えている)
クロ「生きたくなかったらそれでもいいぞ。とどめは俺が刺してやる。」
GMおおお〜。
風斗「今まで地浦さんはお父さんやお母さんに玩具にされてきたんだから、これからは自分の人生を歩むべきだよ。」
茜玩具ってもう言わない方が(笑)
GMまあ、いい台詞だったんだし。
純「でも……人を傷つけてしまった上に両親まで殺して……私には生きる権利なんて。」
風斗「あるよ。」(きっぱり)
純「み、壬生くん」
GM「生きる価値かどうかなんて自分で決めるべきですよ。」
純(かなり悩んだ後)「私……やっぱり生きていたい……。」
GMじゃあ、野牟田くんはにっこりと笑います。そして……。
第8章 了 終章へつづく……
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