3.忍び寄る悪夢
GMその夜。クロの番です。 クロおれは朝から『犬よせ』して犬達に「拓矢を探してくれ」と頼んで、自分も隣町とか行くけど、駄目だったんだな。 GMうん。みつからないね。 クロかなりいらついてるだろうな。 GM拓矢くんの両親はそのことには触れないでくれてるようだ。えっと、視覚判定して。プラス2くらいで。 クロマイナス6成功。 GMじゃあ気が付きます。屋根の上を軽やかに飛んでいる人影が見えました。シルエットから見ると女性のようだね。そして、その女性は君の正面に飛び降りてくる。 クロ「誰だ、貴様。」と言って……。 GMあ、人間の言葉で喋るの? クロいや、やめておく。「わんわん(笑)」 GMクロは暗視があるけど、顔はよく分からない。でも、女がにやっと笑うのは見えた。 クロ警戒しよう。 GM「ここに、きれいな魂の女がいるわね。」 クロじゃあ、顔色を変えて「貴様、何者だ。」と人間の言葉で叫ぶ。 GM「可愛い犬ね(笑)。」 クロ「ここに……? 鈴羽さんに何の用だ。」 GM「私はただ、きれいな魂の女が欲しいだけよ。ただ、それだけ。邪魔をするというのならあなたの汚れた魂を吸い尽くしてあげるけど。どう? 私の下僕にならない?」 クロ「ふざけるな!」と言って妖怪化。 GMイニシアティブをどうぞ。 クロ……1です。 GMこちらは2です。(笑)
こうして謎の女とクロとの戦いが始まった。クロはこの女が拓矢をさらった阿部那月の仲間だと勝手に思いこみ、激しい攻撃を仕掛ける。クロは多少の怪我を負ったものの、女を退かせたが……。
GM「覚えてらっしゃい! この借りは他の人間たちの魂で償ってもらう!」 クロ「…………」 GM次は純。 あ、はい。 GM君の目の前には一人の少年が力なく横たわっている。彼の首筋には二つの赤い斑点があるね。 (すべてを察して)まだ気づいてない? GM茫然自失といった感じだ。で、彼の後ろにはソファーがあって、そこに横たわってる者が言うよ。「こんなんじゃまだ足りないわ。もっとおいしい魂を私にちょうだい。」 「分かったわ。もっと連れてくるから。」 GM「その子はもういらないわ。あなたが残ったかけらを吸い尽くしなさい。」 くぅ〜。 GM「認めたくないのは分かるけど、あなたは私と同じ存在なのよ。」 ……無言で吸います。 GM翌日。麗子さんと瀬川さんが戸隠へ向かいます。で、クロ。昨日の事件を誰かに連絡するかい? クロ野牟田さんだ。茜は気にいらん。(笑)
クロは茜に何度も弱みを握られている。「空似事件」では、危うく保健所の人に連れて行かれそうになり、「阿部那月事件」ではフリルつきの服を着た姿を写真に撮られているのだ。
(注:拓也の母、鈴羽には「フリルつきの服を着せる」趣味があります。)
GMじゃあ、野牟田さんの経営している骨董品屋「壺中天」に到着します。店の戸は閉ざされ、カーテンも掛かってる。 生きてるの、あいつ? GMいつものことなんです。あ、ちなみに今は早朝です。 クロ裏口に回って「開けろ、こらー!」と犬語で言って(爆笑) GM分かるか! クロとにかく戸をぺしぺし叩く。 GM「誰ですかぁ〜?」と言うのんびりした声と共に戸が開きます。もちろん、野牟田さんですね。 クロするりと入ってしまおう GM「ああ、クロくんですか。どうぞ、どうぞ。ところでどうしたんですか? あ、お茶でも飲みます?」 クロ「そんなものはいいんだ。一つ教えておきたいことがあって。」 GM「え、何ですか? ひょっとして、いい骨董品でも手に入りましたかぁ?」 クロ「そうじゃないって! 昨日の晩に妙な女が仕掛けてきたんだ。」 GM「どんな雌犬だったんです? はい、お茶(笑)」 氷高ズレてるよなぁ〜。 クロ「だから、まだ発情期じゃないからそんなの来ないって。」 クロにもラブストーリーが(笑) クロ「見たところ人間の女のようだったが、爪を伸ばして攻撃してきやがった。あれは絶対に妖怪だな。」 GM「さっき人間って言いませんでした?」 クロ「そりゃ見かけのことだよ!」 GM「怒らないでくださいよ、まったく。」 クロ「拓矢をさらった那月の仲間かもしれないんだ」(あせっている) GM「まあまあ、少し落ち着いて。」 クロ「落ち着いてられるかっ!」 GM「わあ〜。」(頭を抱える)「そうですねえ〜、ちょっと失礼しますよ。」君の首輪に『来歴感知』をかけているようだね。 氷高なるほど。 GM君は百年前には存在しなかったから、残念だけど。(笑)
「壺の付喪神」野牟田広は『来歴感知』をかける時、なぜか必ず百年前まで遡ろうとする。そうして、いつも叱られるのだ。
GM「……あ、クロくん。君はフリルの服がなかなか似合いますねぇ(笑)」 クロ「噛んでやろうか?」 GM「まあまあ……。どうやら非常事態かもしれませんね。とりあえず茜さんと風斗君に連絡しましょう。」 クロ茜は気に入らないが頷いておこう。 GM「じゃあ、僕が連絡しておくんで先に大社堂に行っててください。麗子さんのことだから、どうせ鍵をかけてないでしょうし。」 クロ「分かった」と言って、外へ飛び出す。 GMでは、茜さんの家に電話をかけましょうか。
ジーコロ、ジーコロ。(電話をかけている擬音)
ぷるるるる。ぷるるるる。
「はい、日羽です。ただ今出掛けております。(爆笑)用件は発信音の後にお入れください。ぴーっ。」 GMしまったあっ! こ、これは予想してなかったぞ! ナイス!(笑) GM陵と出掛けたの? ううん。二人でメロメロな世界に入っちゃってる。電話はもう切ってある状態。 うわぁ、大人の世界だ。 GM「……困りましたねぇ。茜さんいないんですかぁ〜。」という呟きが入っている。「野牟田ですけど。実はですねぇ、クロくんが妙な妖――」
ぷー(笑)
その時茜は「あ、電話が……」とか言って、陵が「いや、電話なんか鳴っていないよ」なんて言ってる(笑)。 ああ、アダルト(嬉しそう)。 GMとりあえず、茜さんには事件のことを伝えました。 風斗「はい、もしもし榊ですけど。」 GM「ああ、良かった。風斗くん、いてくれましたねぇ。」ちなみに時間やばいですよ。 風斗「あ、野牟田さん。あの、学校に遅刻しそうなんですけど。」 GM「それは大変ですねぇ(笑)」 氷高ゆっくりなんだよなあ。 (由美になって)「何やってんのよ!」 GM「クロくんが妖怪に会ったらしくてですねぇ、それで学校の帰りにでも大社堂に寄ってくれませんかぁ?」 風斗「(早口で)わかりました。じゃあ、さようなら。」がちゃっ。 GM「あ……みんな、せっかちですねぇ」 GM茜。野牟田さんのメッセージを聞いての反応は? 野牟田さんと、五十年を越えて再会した恋人とじゃ……(笑) GMすると突然、陵が苦しみ出します。 あたし何か悪いもの食べさせたっけ? GMおいおいおい。 そうじゃなくて。「苦しいの?」 GM「茜ちゃん……早く、逃げるんだ。」 「陵は?」 GM「ここにいちゃいけない……僕のことは放っておくんだ……」 「でも、そんなことできない!」 GM「茜ちゃん!」 「だって……陵!」もう泣いています。 GMじゃあ、君を思い切り突き飛ばして「早く逃げるんだ……大社堂へ。」 「あなたがそこまで言うんなら……」そう言って行きます。大社堂へ。
第3章 了 第4章に続く。
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