2.出会い 〜地浦 純〜
GMで、君は夢から叩き起こされます。 風斗「ゆ、夢か……」 GM「もう、どうしたの?」君の幼なじみの榊由美ちゃんが見下ろしています。 GM「早くしないと遅刻しちゃうよ。」 風斗「は〜い。」慌てて支度します。 GM今頃だと電車より自転車にした方がいいです。(GMの経験) 風斗じゃあ、準備して……。 GMあ、後ろに由美が乗るから。「乗せてってね〜(笑)」 風斗あ。 GMそれで、君たちは出発するんだけど。学校近くの下り坂で、横の道から女の子が飛び出してくる! 風斗ブレーキをかけるけど、間に合わなくてちょっとぶつかっちゃう。 GM制服からすると君と同じ高校だよ。 風斗(純のプレーヤーを見ながら)「ごめんなさい。大丈夫ですか? 怪我は?」 GMなぜ彼女だとわかったぁっ!(笑) 「あ、大丈夫ですけど。そっちは?」 風斗「こっちは平気……」 GM「風斗……あたしは平気じゃないんだけどぉ……」……由美は落下してます。 氷高(笑) 風斗「ごめん、由美。大丈夫か?」 GM「あいたたたたた……。もう少し丁寧に運転してよね。」で、純に視線を向けて「あたしより胸が大きい!(笑)」 何、この女?(笑) GM火花をちょっと飛ばしながら「さあ、風斗。早く行きましょ。」 風斗「本当にごめんなさい。」 「それじゃあ。」 GMえ〜、じゃあ風斗たちはぎりぎり学校に間に合った。しばらくして君の近くの席の男子がやってくる。「おい、風斗聞いたかよ。」 風斗「何を?」 GM「うちのクラスに転入生がくるんだってよ。結構美人らしいぜ。」 風斗「へ〜え」(無関心) GM「ったく、面白くない奴だな」と言ってると別の男子が「まあ、壬生にはもうとっくに彼氏が……」違う、彼氏じゃない!(爆笑) やばいよ! やっぱり瀬川さんと?(笑)
どういう目で他人のキャラクターを見ていたか、こういう場面でわかる(笑)。
GM(気を取り直して)「彼女がいるもんなあ」と言っている。 風斗でも、言われても「?」という感じで。 GM「相変わらず鈍い奴だな。一緒に住んでるのに何も感じないのか?」 (笑) 風斗「何を?」 GM「はぁ〜。(ため息)信じらんねえな。」なんて言う言葉と同時に担任の先生が教室に入ってきます。「みんな、静かにしろよ〜。今日は転入生を紹介するぞ〜。入りなさい。」 「あ、はい。」入っていきます。 GM風斗は当然驚くだろうね。「じゃ、自己紹介を簡単に。」 「新しくこのクラスに入ることになりました、地浦純です。よろしくお願いしまーす。」 GM「ヒューヒュー(口笛らしい)」で、先生が「え〜っと、席は……壬生の後ろが空いてるな」 氷高(笑) なんでそこまで。
そういう展開が好きなのである。
壬生くんの方を見て、「あ、今日の……」 風斗「朝はごめんなさい。」 「彼女(由美のこと)、大丈夫?」 GM「あたしはここよー!」ごごごごごごごごご……(燃えている)。 こ、恐い。 GM「何で風斗の後ろなのー!」ごごごごごごごごご……。ちなみに由美は風斗の隣です。 氷高隣かぁ。 とりあえず座ります。 GM風斗以外の男子生徒はざわついてるね。で、一方的に由美は純に対してライバル心を燃やしている。「詩織に続いてあんな女まで!」 プレイヤー的には負けたくねー。絶対風斗を奪ってやる〜!(笑) 氷高詩織ちゃんの方は? GM彼女は窓際の席だから少し離れている。まあ、風斗を見る目が何となく熱い。ちょっと心配そう。 いいなあ、詩織ちゃん。 GM詩織ちゃん、人気高いなあ。ゲストキャラのはずだったんだけど。なぜ?
そして、昼休み。
GM由美は放送当番なんで、いません。よかったですね(笑)。純の周りには男子生徒が集まっている。「地浦さん、どこから来たの?」「今度、どこかに行かない?」 「いや、まあそれはね……」と適当にごまかしながら「壬生くん、学校の中を案内してくれない?」 風斗「え? 俺が?」 「うん、学校のこと知ってそうだし。」 風斗「まあ、いいけど……」 GM周りの男子から羨ましがる声が上がっている。で、行くんだね。
学校の中を案内する風斗。
純の方はクラスの雰囲気に少し戸惑っているようだったが。
GM放課後になると、純の周りには再び男子が集まってきて「一緒に帰ろう」コールを連発している。由美はそれを見て「何で地浦さんなんかにひっついてるわけ? やだやだ。風斗、一緒に帰ろうね?」 風斗「う、うん。」 GM「風斗だけはあたしのものよね?」と完全に所有物扱いしてます。(爆笑) 風斗「ん? まあ、帰ろっか。」 「壬生くん、バイバーイ。」 風斗「あ、さようなら。」 GMメラメラ(笑)。地浦さん、あたしは風斗と一緒に帰るから。 風斗ところで葉沢さんは? GM自分の席で風斗を見送っている。「今日は榊さんと一緒か……」 かわいそうだよぉ〜。 風斗じゃ、教室から出るときに葉沢さんに手を振ってあげよう。 GM真っ赤になってる。 純&風斗&茜かわいい〜! (風斗に)詩織に行けって! GM駄目だ、これじゃ由美が悪役じゃないか! それは絶対GMの責任だよ。
――この人ならきっと、お母さんも満足してくれるわ……。

地浦純は、右隣を歩く大柄な少年に目を向けた。嬉しそうなその横顔を見ると、自分のしようとしていることに改めて嫌悪を覚える。

――でも、どうしようもない……。

純は、無力だったから。

少年から視線を外そうとした時、こちらへ向かってくる人影が見えた。左手に何やら分厚い本を抱えている。
人影が近づくにつれ、純は寒気を感じだしていた。もはやそれは冷気と言ってもいい。

――何なの? これは。

その人物は教師らしかった。二十代後半の、かなりの美青年だ。しかし、氷の彫刻のような冷たい雰囲気があり、その眼差しにも何人たりとも寄せ付けない鋭さが放たれている。

「げっ。氷高かよ……」
「悪かったな、私で。だが、教頭よりは運が良かったと思え。」

少年の洩らした呟きを教師――氷高は痛烈な皮肉で返した。少年はばつの悪そうな笑みを浮かべている。
氷高の視線が純を捕らえた。一瞬、全身に緊張が走る。が、氷高はそのまま去っていった。

「……何者なの、あれは……」
「氷高っていう数学の先生だよ。すげえ嫌な奴だけど、女子には人気があるんだ。」

少年の説明など、聞いていなかった。不吉な予感に体を震わせていたから。

氷高は歩みを止め、振り返った。少女の周囲を取り巻いていたのは、死の匂い。

「……あの女……」

不吉な予感を感じたのは、純だけではない。
氷高も、また。
だが今は、漠然とした予兆に過ぎなかった。
第二章 了。第三章へと続く
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