エピローグ.

終わりの始まり

  週があけて月曜日。
  場面は、北河学園高等部では、笙が日本史の授業を受けている。

笙 :聞く意味がないんで、普段どおり外を眺めています。
銀河:この人はー(笑)
GM:先生が、教卓に仏像を置いて、仏教について語り始めました。
   ここ、カトリックなのに。
   「他の宗教に関して知ることはいいことだーー!!」
銀河:ま、日本ってそういう国だしね。
一同:(笑)

  笙は、一瞬のことに目を見張らせた。
  壇上から差し込む赤い光。
  それだけならば、おかしくはない。
  何十年も思いを込められた仏像ならば、力がこもることもあろう。

  だが。

  ―― 紗里さん……!?

  真っ赤な髪をなびかせ、紗里は、必死に板書を写していた。
  さらに、目を凝らしたが、今は、ごく普通の栗毛。

  ―― 仏像に、何かある……!!

GM:仏像に透明な……透き通った赤色の光が差してるように見える。
   特に他の子たちは眩しく感じている様子はなさそうですね。
   そして、授業が終わります。
笙 :先生に声をかけます。
   「この仏像を見せていただいてもいいですか?」
GM:「いやぁ、これは持ち出しちゃいけない所から持ってきて……。」
雷顕:おいっ!!
一同:(爆笑)
GM:「早く返しに行かなきゃ行けないんでなぁ〜」
宗祇:その会話をしながらできるだけ見てみます。
GM:本来なら、祀られてる仏像だろうなぁ、って思う。
宗祇:「どこから持ってこられたんですか?」
GM:(ちょっとなぁ……うーん。却下、ごめんね)
   「ちょっとなぁ、それは……先生にも家庭があるからなぁ〜」

   変わって、恋。
   放課後。文芸部の部長である田嶋文香と話している。
   文芸部のポスターが貼ってある踊り場で、恋に訴えかける文香。

GM:「文芸部の発表会あるの、見に来てね!!」
恋 :「何があるの?」ってポスターを見てみます。
GM:「道場法師を君は知っているか!!」
一同:(笑)
GM:民話の研究発表会みたいです。片葉媛も出ますね。
恋 :笑顔でえっ!?みたいな(笑)
銀河:片葉の葦における、中世の男女の恋愛観、みたいな(笑)
GM:(うなずきつつ。)そんなようなことをやってます。
   そこに紗里ちゃんが階段を降りてきますね。
   「葦原さん、さようなら……。」と向こうから声をかけます。
恋 :「あ、バイバイ〜」うれしくって、わ〜い。
一同:(笑)

  ―― あ、あれ?

  踊り場にある鏡。
  その前を紗里が通った。

  ―― え!?

  髪が赤い。
  真紅に染まっている。

  「……恋さん、気付きましたか?」

  声の主は、紗里が心配になり、少し後ろをつけてきた笙。

  「え、えぇ……。」
  「まだ、終わってはいないようですね。」

  二人を包んだ悲しげな雰囲気を打ち破ったのは、――

  「……あのぉ〜。宮志摩くんも、参加してくれない?!」

  文香の一言だった。


  そして、場面は変わって、放課後の音彦。
  学校から帰る道すがら、小学校高学年くらいの女の子を見かける。

GM:ふらー、ふらー、ふらー、ふらー、ぱたん。
一同:(笑)
音彦:駆け寄って「ど、どうしたの!?」
GM:そうすると、服とか泥だらけで、めちゃめちゃ汚れてます。
音彦:抱えて、「おなかすいてんのか!?」
GM:(かぼそく)「おなか、すいた……。」

  「親父に何か作ってもらおう!!」

  半ば、ひきずるような形で、雷降寺に連れて帰る音彦。
  音彦にあったのは、ただ、彼女を助けてやりたい、その一心だけ。

  「親父っ!! 女の子が倒れておなかすいてるってんだよっ!!」
  「……」

  状況が飲み込めない雷顕だったが、音彦の様子に、かゆを作った。

  「あったかい……♪」

  ―― 本当におなかが減っておったか……。

  食べる姿を見つめる二人。
  思わず顔を見合わせ、よかったと心から微笑んでいた。

  「嬢ちゃん、どこの子だい?」

  雷顕の言葉に、少女の表情が曇った。

  「どこだろう……わからないの……。」
  「君、君の……名前は?」
  「……結花(ゆか)。……。何も思い出せないの……。」

  これが、事件の始まりになるかもしれないと、二人はしっかりと
  確信していた。
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