GM:一方、それを見た朱姫ですが……。

  「……朱姫。お主の存在意義は終わったのか……。」
  「さすがは和尚さんね。私の、辛い日々もこれで……。」

  朱姫の目が潤んだように見えたのは、気のせいじゃない。
  恋はそう思った。

  ―― ただただ、深い悲しみ……。

  私にお父さんもお母さんも、影宮のみんなもいなかったら……
  どうなっていただろう?

  まだ、民話伝承の中に存在する私は、自分を知ることができたかも
  しれない。
  同じように思い悩む人を見つけて、話を聞けたかもしれない。

  「あたしは、生み出されるだけ、生み出され、仲間からも世の中から
   も見捨てられた、そういうモノ。」

  ―― とても、悲しい感情が……。

  そこにあるのは、果てしなく広がる絶望感。
  全てから忘れ去られた朱姫には、自分の存在意義は見えなかった。

  「でも、だからって、死んじゃダメだ……その、その想いを……。」

  ――音彦くんも、見てしまったのね。

  彼女の涙を。

  わかりあえる仲間も、話をする相手もいない。
  自分を生み出した人間には、存在を忘れられ、衰えゆく自分の力。
  だが、それでもなお、消えない姿。

  その苦しみ、悲しみをわかってもらえるかもしれない。

  ――永遠の命を持っている私たちなら理解できる。

  一筋の涙は、私たちに出会えた、理解してもらえた、その喜び。

  「やっと、終わりね……これで、私は消えられる。」

  朱姫が羽ばたくと、炎が朱姫自身に向かった。

笙 :朱姫をかばいます。
GM:(えっ)……どうぞ。やけどを負いますけど……。
銀河:「男の願いは叶えてくれないんだよね……。」
一同:(笑)
音彦:それ、同じこと思った。
恋 :私も朱姫のところに行きます!
銀河:言うだけいってみようか。
GM:(むぅ……困ったな。でも、みんなが助けたいと思うなら……)
   「私は、生まれゆえに女性の言葉しか叶えられないと思っているけ
    ど……時を経て、あなたの願いを叶える力を持っているかもしれ
    ない。さっき、彼が立ち上がれたように。」
雷顕:「では、祈ってやろう。」
銀河:流星が願うなんて、なんか変な状況〜!
一同:(笑)
GM:賭けだなぁ(笑)(3D6振って決めるか……。)
   朱姫に願いを言いたい人、どうぞ!(笑)
銀河:「朱姫が人の憎しみを癒してあげられる妖怪になりますように。」
恋 :「女の人の悲しみを分かるなら……力づけてあげられるように。
    そうやって生きていけるように」
音彦:「鳥さんだし、もっとおいらは一緒に遊んでみたいよ。」
銀河:一緒に遊べますように。
一同:(笑)
笙 :「あなたはまだ生きるべきです。別に私は願いの叶え方に関して、
    どうこう言うつもりはありません。あなた自身はこれから変わっ
    ていけるでしょう。朱美さんに会った時に言いましたが、人は望
    めば心に翼を持つことができます。あなたは鳥として生きていて
    も……。」
銀河:「(ため息)」
一同:(笑)
笙 :「心に翼を持っていません。あなたは自由になるべきです。」
雷顕:「妖怪と言うものは存在意義が大きく関わるから、変わるものだと
    はわからんが、少しずつでも変われると思うんだ。だから、わし
    は、おぬしが今までの束縛から逃れ、少しでもいいように生活で
    きるように願ってやろう。」
大獅:(優しい声で)「俺の言うのは、願いじゃない。お前は、朱美さん
   の願いをいったんは叶えた。殺してしまわず、真の願いを叶えた。
   ならば、それが続くように見届けなければならない。こんなところ
   で、消えてすむ問題じゃないんだぞ。」
宴楽:言葉がつながらない……。
銀河:美しい言葉なんてのはね、小説で書きゃいいんだから。リプレイな
   んだからね、そんな言わなくていい。
宴楽:どう言ったらいいものか……。
GM:黙ってみてるなら、黙ってみてるでもいいよ。
雷顕:宴楽斎としてどう思うか。
宴楽:「……自分の願いを叶えてみたらどうなのか? 捨てられただけ
    じゃなかろう……。」
GM:ちょっとそれを聞くと黙っちゃいますね。で……と。

  朱姫の今の願いは「自身の消滅」。
  みんなの願いは、「生き残れ」。
  どちらの願いが上回るか、の差だった……。

GM:(ころころ……うぉーっ、成功してるーー!!)
   「なぜ!? 私は消えるはずなのに、死ぬはずだったのに……。」
銀河:「俺たちの願いは叶ったのかな?」
笙 :「どう叶ったのかはわかりませんが……」
GM:死ななかったということは、事実ですね。
   そうつぶやいたまま、ちょっと焦って周囲を見ている。
笙:「まぁ」と肩をぽん、とたたきます。
  「生きられることになったのですし、まず、自分の生き方を模索して
   みるのですね」
銀河:「まぁ〜た、先輩面してる……。」
笙 :個人的感情としては、鳥が好きだから、生き残ってくれたのが嬉し
   いんだよ。
   「私たちの中にもいろんな方がいますし。」
GM:というところで、颯爽と晶さん登場。
   「今、影宮は人が足らないのよ。」
銀河:これだけいて、人が足らないのかーーーーーーっ!!
一同:(笑)

  ということで、いささか強引だが、朱姫は影宮に参加することに。
  (銀河:シート、俺、作る?
   GM:一応、作ったけど、参加させるならCP削って能力変更……)
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