一方その頃、地下では…。
GMさて、地下に残っている皆さん。コンテナの中の騒ぎが、すーっと静まるよ。
宗祇お〜い、天草ぁ〜。生きてるか〜?
GMで、天草くん。君には中のことが分かるんだが。ハムスターの皆さん、静かになって、ピシーッと整列して、ジーッと扉の方を見つめてる。(笑)
龍之介! 段ボールの上の辺りで人間に戻って、
「絶対に開けるな! 何だか扉を凝視しているぞっ!」
GMえぇい、邪魔な奴め! ハムスターたちは君の身体をはい上がってくる!
龍之介払い落とすっ!
GM限界があると思うなあ…。
宗祇何十匹かは、まとわりつく、か…。
龍之介「早く開けてぇっ!」(笑)
宗祇どっちなんだよ。
ハムスターたちは容赦なかった。龍之介は、体中をかじられて5点ものダメージを受けてしまったのである。
服さえあれば少しは何とかなったのにねえ…。
龍之介いだだだだ!開けろ開けろ!じょーだんじゃねえっ!
宗祇仕方ない。開けるぞ、天草!
龍之介女の子は外に出せえっ!(笑)
有子じゃ、外に出てまーす。
龍之介でも、こいつら俺を食う事より、外に出ることの方が目的のような……。
GM扉を開けると、天草くんからハムスターが離れて、一気に外へとダッシュ!
佑苑やっぱり…。
宗祇は龍之介が脱出し次第、扉を閉めるつもりだったが、ハムスターの勢いはすさまじく、龍之介が出た頃には9割近くが脱出を果たしていた。
ハムスターたちは一気に正面玄関へと殺到する!
ゆかりこの建物からハムスターを出しちゃいけないっ。
佑苑燃やしてしまえーっ!(←パニック状態)
宗祇「受付っ! 建物を封鎖しろっ!」
GM彼がオタオタしているうちに、ハムスターは自動ドアを開けて外に……。
一同○◎★●※@☆っっっ!!!!!!!(注:声にならない悲鳴)
さて、時間を少し戻して、勇太くんを挟み撃ちしに向かった紀家と佑苑の様子を見てみよう。
[忍び]の判定に成功し、少しずつ包囲を狭めていく二人。そしてついに……。
GM/勇太「はっ!(気づいた)」
紀家「さて、何がやばいのかな?」
GM「…や、やだなあ。どういう意味です?」
紀家「正直に白状してもらおうか。君はこの事件について確実に何か知ってるね。」
GM「悪いけど、話すわけにはいかないんです!」
逃げだそうとする。
紀家逃がさない! (敏捷力の即決勝負の結果)捕まえた!
GMえーい、こうなったら、「ごめんなさいっ!」と殴りかかる!(ころころ)当たった!
紀家(ころころ)駄目、当たってる。2点ダメージ? ふふ、強いじゃないか(笑)。ちょっと燃えてきちゃったな。コンビネーション行きます。<フェイント>→<掃腿>→とどめの<蹴り>。これで行きます。
佑苑何もそこまで…。
紀家(構わず)フェイント! マイナス11!
GMぎゃあ! 能動防御がマイナスに! (笑)
紀家すかさず、足払い!
GMすてーん!
紀家とどめの蹴り!(ころころ)失敗(笑)
佑苑じゃ、倒れてるところをギュッと踏みつけときます。
紀家ちょっとちょっと! あんたそれ外道だよ!
GMじゃ、ジタバタしてる。
紀家さ、教えてくれないかな。
GMダメです! 絶対ダメですっ! とその瞬間!
どばああああああ!!
施設の正面入り口から噴き出してきたハムスターの濁流!
その光景を目の当たりにして、あまりのことに紀家は硬直。しかし、佑苑は冷めた目のままで勇太を踏みつけ続けていた。
GMハムスターたちは、三つの群に分かれて高等部の校舎の方に走っていく。
紀家(気を取り直して)「これははっきり言って、君が話さないということは、生徒会規約に反することに…」
GM「構わない!」
二人は催眠術を試してみるが、あっさりと抵抗されてしまう。
紀家困ったね。こう強情だと…。
その時! 彼らに強力な助っ人が応援に駆けつけた!
我らが“有ちゃん”と“ゆかりさん”の「プライバシー粉砕コンビ(←GM命名)」である!
紀家とにかく、真相が聞きたいから[思考感知]お願い。
有子はい。(ころころ)マイナス1成功!
GMマイナス3!
有子……もう1回やっていいですか?(ころころ)うん!(自信あり)
GMマイナス5!
有子……今日は不調ですねえ…。
紀家こうなりゃしょうがない。性格を宝生院くんに合わせて…って、あんまし把握してないけど。
佑苑拘束、監禁、拷問…。
紀家そこまでしない!
宗祇それ以前に、俺をどういう目で見ている?
紀家(性格を合わせた)「あくまで話さないというのなら……」どむっ!(腹に一撃!)
GM「がふっ!」
有子わあ〜、痛そ〜。(←でも、止めない)
べるなこちょこちょに耐えられる人間はいない。(笑)
紀家「話せ。」
GM「嫌だ…。」
紀家「お前一人のために学園全体を巻き込む事はできない。話せ。」
GM「嫌だ…!」
紀家もう一発ぶん殴る。ずどっ!
ゆかり[読心]ね。(←冷静)ここは一発「幸運」使います。
紀家3回振って、一番いいやつを選ぶ。
ゆかりいきます。(ころころ)いきなりクリティカル!
GMうぐっ!グリグリ見えたな……「絶対話さないぞっ!」っていう強い想いの底で「あの子に迷惑はかけられない」「嫌われたくない」っていうことを考えている。
ゆかりあの子?
紀家自分に被害があっても構わない、か。
「誰かをかばっているのか? お前は」
GM「(びくっ)うるさい! オレを処分したいなら好きにしろ!」
紀家「駄目だね。お前一人の処分ですむ問題じゃない。」
その後も「情報は外に漏らさないから」と説得を続けてみたが、勇太は頑として口を割らなかった。
紀家駄目だ。もう捨てるしかないね。こんな奴。
ゆかり頑なね……かばってるって事は、いい人だと思うけど。
紀家こう言うのは、いい人なんて言わない。単なるエゴだよ。
有子う〜ん、う〜ん、どうしようかな。いいや。聞いちゃえ。
「あなた、河合ゆり子さんって知ってる?」
GM「…!」
ゆかりその時の心は? [読心]は続けてるよ。
GM動揺してる。
「やばい! やばい! やばい! どーしよう!」
紀家ビンゴね。
ハムスターたちのことが気になった彼らは、勇太の傷を魔法で治療し、校舎へと向かった。
もちろん、勇太から魔法についての記憶を消し去ることを忘れはしなかった。
(有子が記憶操作をしたのである。)
さて、ハムスターがなだれ込んだ校内(高等部)は、蒼明祭の準備に残っていた生徒たちが多かったために、阿鼻叫喚の地獄絵図と化した!
最初の標的となったのは購買!(←叶委員長はきっと体調が悪かったに違いない。(笑))
「のきゃああああああああ!」
店番のオバちゃんの必死の抵抗も虚しく、ハムスターたちは売れ残ったメロンパンを食い尽くし、ピーナッツを頬袋いっぱいに詰め込んで次のターゲットを目指す!
廊下を一人歩く可憐な少女。その胸には、クッキーを詰めた小さな袋を大事そうに抱えている。
「今日こそ、今日こそ先輩に告白するんだ。…大丈夫。ファイト!」
その彼女を、背後からハムスターの濁流が呑み込んだ!
「うぴぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
朝の四時に起きて、いくつもの失敗を重ねながら作り上げたチョコレートクッキーが。
昨夜遅くまで何度も書き直した、切ない胸の内を綴った一通の手紙が。
あっさり粉砕された!
彼女の精一杯の勇気は、クッキーと共にハムスターの頬袋の中に消えたのであった……。
© 1997 Member of Taisyado.