そして翌日……。
GMでは、都筑ゆかりさん。 ゆかりはい? GM君は、朝、授業は始まるまでは保健室にいるんだったよね。では、そうしているところに、
「大変ですうっ! 怪我人なんですうっ!」
と、飛び込んでくる女生徒が!
ゆかり「怪我人? それは大変ね。早く連れてらっしゃい(←落ち着いている)」 GMその子が連れてくるのは、高等部の制服を着た女の子だ。この子、全身に細かな傷を負ってる。とはいえ、一つ一つの傷は小さいし、出血もほとんどない。服に包まれてる部分には、傷はないしね。もちろん、意識もあるよ。 ゆかりとりあえず、消毒だけでもしないと。
(手当てしながら)「あなた、いったいどうしてこんな怪我を?」
GM「……あたし、あたし、地下コンテナ区域に行ってて、そしたら怪物が……!」 ゆかり「怪物!?」
おびえている彼女をなだめすかし、ゆかりはいくつかのことを聞き出した。
彼女の名は森崎直子。高等部二年の演劇部員だ。彼女は昨夜、蒼明祭の準備に必要な小道具を地下コンテナに取りに行ったのだが、目的のコンテナ近くで巨大な怪物(ブヨブヨした不定形の物だそうだ)に襲われたのだった。
GM「あたし、そいつに飲み込まれて気を失って……。気がついたら朝、校舎の近くに倒れてたんです」 ゆかり「へ、変な話ねえ。怪物ってのも、ねえ……」 GM「本当なんです! 停電で暗かったからよく分からないけど、本当なんです!」
ゆかりはなかなか信じられない様子だが(無理もない)、直子は「本当です!」と強硬に主張する。
取り合えず話を聞き終えたゆかりは、直子に学校を休ませ、寮で休養を取らせることにした。大人しくそれに従った直子は去り際に、
GM「そう言えば、あんパンが無くなってた……。食べながら行ってたんですけど、襲われた時に落っことしたのかな……」とこぼして帰って行くよ。 ゆかりあんパンねえ……あ、それより、傷って、どんな感じでした? GMネズミにでも齧られたかなって感じだ。 ゆかりうーん。地下コンテナ区域か。そこを管理してるのは? 宗祇えーと、受付と…あとは? GMそんだけ。やることと言ったら、荷物の出し入れをする人に鍵を渡すくらいだからね。 佑苑もしかして、閑職? GMうん。 ゆかりとにかく、これは会長に報告した方がいいわね。
――そして――
GMみんな、腕時計が震えるよ。克巳会長からの召集命令だ。
かくして、有子、宗祇、佑苑、ゆかり、べるな、紀家、龍之介の七人が、生徒会本部に集結したのである。
宗祇「まったく、忙しい時に限って呼び出される」 GM君たちの前に、克巳会長がいるよ。「やあ、忙しいところ、すまない」 宗祇「まったくだ」 GM(苦笑)「さっそく本題に入ろうか」
克巳会長は、ゆかりから報告された、森崎直子の事件の解決を依頼してきた。
地下コンテナ区域に潜む怪物の正体を突き止め、可能であれば排除してもらいたいと言うのである。
龍之介「怪物って……ネズミにでも噛まれたんじゃないの?」 ゆかり「そう思うわよねえ……」 GM/克巳「実は、僕もそんなところだろうと思ってるんだが、万が一と言うこともある。あのコンテナ区域には、いろいろと妙な噂もあることだしね」 龍之介「それなりの装備、もらえないかな。火炎放射器とか、暗視ゴーグルとか(笑)」 GMもうちょっと控えめなことは言えんのか?
それからもいろいろと要求を突きつけるPCたち。
結局、救急セット数個と懐中電灯、ネズミ捕獲用のケースをもらい、あとは必要に応じて用意してもらうことにした。
GM(やれやれ)
「それじゃ、気をつけてやってくれ」
と言い残し、克巳会長は去っていく。
宗祇「やれやれ、まったく面倒なことになったな……」 ゆかり「もしかしたら、昨年の蒼明祭であふれた動物たちがコンテナ区域で…?」 宗祇「否定できんな。おい、佑苑。なにか心当たりはないか?」 佑苑「……」 紀家しゃべれよ(笑)。さっきからしゃべってないんだから 宗祇「(急に思い出したように)ネズミか……ほれ(と、焦げたネズミを取り出す)」 有子「きゃっ、ちょっとびっくり」 べるな「滅菌消毒うっ!」 龍之介「おまえなあ、少しは女の子の前だってこと考えろよな」 紀家「これ、ノアに調べてもらおうか。どんな種類のネズミか」
てなわけで、ノアに調査してもらったところ、
GM「94%の確率でハムスターと判断します」 有子「ハムスター!?」 紀家こうなると、あの森崎直子って子に事実確認を入れといた方がいいな。錯乱して、本当とは違うことを言ったのかも。 ゆかりとにかく、これからどうするか決めないとね。
これからの行動は相談の結果、

宗祇、龍之介が、地下コンテナ区域の調査に。
有子とゆかりが、森崎直子への事情聴取に。
紀家、佑苑、べるなが、各寮でハムスターがどれだけ飼われているか、分布調査に向かうことになった。
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