起きたら、時計の針が八時を少し過ぎていました。
「寝坊したっ!」
と焦りましたが、まだ、誰も起きていません。
麗子には、遅すぎるようですが……。
「みなさん、もう起きられましたか?」
とお母様に尋ねられました。
そのとき、まだ、横になっていた人が多かったので、
「実は、まだ起きていない人がいるんです。」
と正直に答えました。すると、
「りえちゃん、あなたも一緒に行って、自転車借りて……。」
急いで、寝ていた人を起こすことにしたのは言うまでもありません。
向かったのは、下諏訪駅。自転車を借りて、今日は上社までサイクリングするのです。
下諏訪駅から、自転車を七台連ねて一度、GM小口の家に戻ります。
途中ですれ違った白い車の中では、
「この集団はなんなの!」
と、おばちゃんが目を見開いてわたし達を見ていました(笑)。
気づきました?
自転車でみんな仲良くGM小口の家に戻ってから、お風呂に行きました。
「やっと、目が覚めました。」
と言う声に、顔を見ると、みんなさっぱりした表情。
目も覚めたようです。居眠り運転されてはかなわないので、ほっと一安心。
お風呂から帰ってきて、十一時過ぎという不規則な時間なのに、ご飯を用意してくださる……有り難いことです。
ごはんも食べたところで、「上社へ出発!」と意気揚々と(?)出かけました。
が。
瀬川さんが借りた自転車がパンク!
探しても、探しても、自転車屋さんはお盆休み。
結局、下諏訪駅に電話をして指示を待つことにしました。
が、FAXを使っているようで駅にもつながらない!
何度も何度も電話してやっとのことでつながりましたが、駅の人は気のない返事。
もともと、この自転車は茜ちゃんの借りたもの。高さが合わなかったために瀬川さんが自分のと交換したのです。
瀬川さん、ツイてない!!(笑)
昨日の大富豪の『幸運の反作用』と思うような落ち込みようも無理はありません。しかし、うつむいた幸運の女神は、またもやほほえんでくれました(笑)。
下諏訪駅の人が、軽トラックの荷台に、替わりの自転車を載せて来てくれたのです。
それも、さっきまでのよりもきれい!
顔中、満面の笑みをたたえて、一気に幸福へと!!
パンクも直ったことですし、気を取り直して上社へと自転車を連ねていきましたが、今度は道に迷ってしまいました。わたし達は、何だか漫画みたいにお約束という行動をしている気がするのですが……。まあ、これも一興。旅の思い出になりました。
上社に着くと風斗くんが、
「このごろ、ダイスの目が悪いから。」
と言って、ダイスを清めていました。
(後日談:この後、風斗くんのダイスの目は良くなっています。)
わたしもダイスを持っていたら、洗い清めていたと思うのですが……ちょっと残念。
みんなで、おみくじを引きました。みんな、とても楽しそうです。結果のあまりよろしくなかった、GM小口とわたしは結びつけることにしました。
「真幸くあらばまた還り見む」
上社を出たのは、三時過ぎでした。自転車は「半日」で借りたので、五時間ぐらいで返さなくてはいけないのですが……。タイムリミットまで、あと三十分。
というわけで、カーチェイス(?)が始まりました(笑)。
「誰か他の人の後ろに入れば、空気抵抗が少なくなってラク。」
「みんな、ついてこれる? OK? なら、もっとスピードあげるよ?」
「大丈夫? 本当に辛くない?」
「やった! 真樹麗子に勝ったわっっ!」(←榊 由美)
「とばすぞー!!」
などなど数々の名言が生まれましたね。そして、その言葉の通りに『地図を』とばしてしまったわたし(笑)。本当にごめんなさい。
制限時間を十分過ぎて下諏訪駅に戻ってきました。でも、駅のレンタサイクルは時間厳守ではなかったようで(パンクした事もあって大目に見てくれたのかもしれません)、何もおとがめはありませんでした。走ってきたかいがあったというものです。
みなさん、本当におつかれさまでした。
今日、一日でみんな陽に灼けて……風斗くん、顔、大丈夫?
クロくんの腕、GM小口の足、同じくらい真っ赤になっていましたが大丈夫だったのでしょうか?
瀬川さんは、灼けてよかったと言うべきなのでしょうか?
バスに間に合わないかも……と一抹の不安を感じつつ、お世話になったGM小口の家を出て早足でバス停へと歩きました。が、実際には、バスの到着が遅れて、茜ちゃんとわたしが買い出しに行って戻ってきても充分間に合いました。バス停で待っていた人には、「間に合わなかったらどうしよう」と言われていたようですが。
バスセンター行きのバスが来て、GM小口にしばしのお別れと感謝の言葉も充分に言えないうちに、再び車中の人となりました。
途中のサービスエリアでは、リンゴを売っていたそうです。
もう、「秋」。
そこへ、行く夏を惜しむかのように、花火が!
「クロくん、さっきの花火見た?」
「えっ! 花火があがっていたんですか?」
「うん。あがってたよ。」
「四発だよね?」
「最後の一つは、腰の運動をしながら見ましたよね。」
「えーっ! 今度あがったら―たぶん、もうそんなことないでしょうけど……起こしてくださいよ。」
「わかった、絶対に起こしてやる。何としてでも(笑)。」
この会話の後、三回も花火に遭遇しまして(笑)、クロくんも満足できたようです。起きていたから、瀬川さんに起こされずにすんだし(笑)。
途中の渋滞情報には20qなどとありましたが、看板に偽りありすぎで、バスのスピードは遅いものの止まることはなく、名古屋に着いたのは予定時間より一時間遅れですみました。みんなに心配されていたクロくんも家まで帰れる電車が動いていたので、ほっとしました。
あっと言う間の二泊三日でした。またこのメンバーでどこかに行きたいね。
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