3.

GM:水曜日になりまーす。やりたいことのある人、いますか? 特にな
   ければ、時間進めちゃいますけど。

  登校途中に紗里に声をかける笙。
  だが、それはあまりにも突然だったため、紗里は驚きの余り全く反応
  ができない(苦笑)。
  何を言っても、下向いてうつむいてる紗里に話が続かず、笙はクラス
  に入っていく。

笙 :他の男子のクラスメイトに、
   「そういえば、紗里さんは今日も沈んでますねぇ。せっかくなかな
    かきれいな人なんですし、もう少し話すようにすればいいのに。
    ねぇ○○くん。」
   と、よく女の子に声をかけていそうなタイプに話をします。
GM:笙くん、知ってるけど、誰も声かけてるヤツいないよ。
笙 :本当に?
   「……どうして、みんなあの子に声かけないんですか?」
GM:腕をギュッギュッって、引っ張ってるよ。近くにいると話せないみ
   たい。
笙 :じゃあ、着いていきましょう。
GM:「『自分が生きていない方がいい』って言ってるから、ちょっと付
    き合いづらくてな。」
笙 :「ああぁ……以前に遭ったあの事故のことですか。ご両親を亡くさ
    れたという……。確かに不幸な事故だったとは思いますけど、そ
    れを延々と気にしていても、何ら解決しないと思うんですが。」
GM:笙くん、3D振ってみて。
笙 :……マイナス1、成功です。
GM:ま、分かりますけど。どうもいじめられてますね、紗里ちゃん。
笙 :あ〜、なるほど。……下手に(私が)声をかけるとさらにひどいこ
   とになるな。
GM:「ここで、俺たちが声をかけたらどうなると思う?」
笙 :「でも、このままでは何も変わらないでしょう。」
GM:「変わらないけど声をかけるよりましだろう。」
笙 :「まあ……。」
GM:「宮志摩。お前が声をかけたら、大変なことになる。覚えておいた
    方がいいぞ、それくらいは。」
笙 :「かもしれませんが……」
GM:「高等部No.1と呼び声高いしな。」
笙 :「そんなものは、どうでもいいんですけど……。」
GM:「俺たち相手じゃねぇんだよ。女の子相手だからな。……今、完全
    シカトらしいぜ。」
笙 :「それは、もうひどいですね……。別に彼女が悪いと言うことでも
    ないでしょうに。」
銀河:やっぱり、中心にいるのはあの女なんだろうな。
   (←これ、もらった!)
一同:(あいつか……。)

  この北河学園、初等部から大学までのエスカレータ式である。
  大学の人気No.1の女性は、矢影乙女。高等部は、葦原恋。
  そして、中等部は……

銀河:(コギャルの口調で)えぇ〜っ!? 田嶋先輩って……なんです
   かぁ〜?
GM:「中等部の『ヤツ』が筆頭になってやってるらしいからな。」
笙 :「もしかして、『あの』彼女ですか?」
GM:「あれがやってるらしいから、タチが悪くてな。うちのクラスの
    女子も紀方くるみに同調しちまって……。どうせ、同調するな
    ら葦原恋みたいになってくれればいいのにな。」
一同:(笑)。
GM:(恋のプレイヤーが)いないのを見透かして言うなって感じだね
   (笑)。
銀河:かしらかしら、ご存じかしら。GMってば、とってもひどいの。
笙 :「少しずつでも溶け込んでいってくれるといいですけどね……。」

GM:では、この辺りで大獅くん。
大獅:えーっと。交通事故について調べたいんですけど。
GM:じゃあ、交通事故関係の部署に来ました。

  「電柱にもバイクにも損傷があるのに死体がないなんて考えれねぇ!
   あれは、夢か何かの間違いだったと思いたいんだ!!」
  と、かなり怖がっている様子に、苦笑するしかない。

GM:なんか、全然要領を得ないよ。
大獅:「そうか。悪い、邪魔したな。」って言って出ていって、矢賀原が
   いたので、「お〜い。」
GM:「あぁ、大獅くん?」
大獅:「お前のいとこ……和広とか言ったっけ? あいつはもう大丈夫
    か?」
GM:「ありがとう、大丈夫よ。」
大獅:「そうか……。」
GM:「2週間の休みで、名古屋に帰ってきたらこんなんで……。」
大獅:「あぁ……そうなんだ。仕事にも差し支えるだろうに。」
GM:「ケガの方は治りつつあるみたいだし。かすり傷とか言ってるし、
    本人も。」
大獅:「かすり傷、ねぇ……」
GM:「どう見てもかすり傷じゃないけど。まあ、あの子もねぇ〜、
    あんな職業やってるし、誰かに恨まれても仕方ないかもね。」
大獅:「むぅ〜。じゃあ、何か思い出した事もないと。」
GM:「ないみたいよ。」
   という感じでいいかな?

GM:場面変わって学校。保護者会なので午前中授業になってます。

  3限に窓際に白いハト――笙くんからの呼び出しの合図――がいるの
  を見つけた恋は屋上に行く。
  高等部No.1の美少年が、同じくNo.1の美少女に声をかけて呼び出した
  となれば、周りがうるさい(苦笑)。
  美しいのも何かと大変である……。

笙 :「彼女は今、いじめに遭ってます。」
恋 :「な、なんで、いじめ……。」

  笙が状況を説明する。……いっぱい、話してくれてるんだけど……
  カットね♪

笙 :「私の方から、声をかけるわけにもいかないので……恋さんの方か
    らお願いします。なかなか他のクラスで難しいかもしれませんけ
    ど……。」
恋 :「難しいですけど。」
笙 :「ま、その辺は……普段通り何とかやって下さい。」
一同:(笑)。
笙 :何も言いません(笑)。普段通りで。
銀河&宴楽:普段通りでいいのか!?(笑)
笙 :『結果良ければすべてよし』と考えます。
雷顕:(笑)。
笙 :銀河くんあたりに頼むという手もありますけど。難しいでしょうし
   ねぇ〜。(←わざとらしい)
宴楽:学校が違いますわなぁ。(←同じくわざとらしい)
笙 :直接何のつながりもないはずですしねえ〜。
   (←やっぱり、わざとらしい)
恋 :「でも、私がいきなり声かけたら、やっぱり怪しまれちゃうん
    じゃ……。」
笙 :「その辺はこっちの方で上手くやりますので。」
恋 :「はい。」
←prev 目次へ next→