GM/牟田「ねぇ、ねぇ。鬼堂くん。何、遊んでるの?」
いつのまにか、周囲は静まり返り、全員が練習の手を止めて、鬼堂と君島を見ていた。犬が見えていない部員には鬼堂と君島が「パントマイム」をしているとしか思えない。
GM/部員「副主将、疲れがたまっているのかな…。」
「君島も剣道部と風紀委員会で鬼堂先輩と一緒だからな…」
ざわざわ。
「主将、どうしましょう。」
GM/牟田「こういう時は、放っておくべきかな。」
鬼堂「主将!!」
GM/牟田「……で、痛くなかった?」
鬼堂「え?」
GM/牟田「いや、何かと戦っているように見えたし。」
鬼堂「戦っているように見えた?」
GM/牟田「鬼堂くんの真剣な表情と言い、戦っているように見えたなぁ〜って。ただ、それだけだよ。」
ゆかりこの人、うさんくさいな……。
鬼堂「いえ、何でもありません。お気になさらず。」
GM/牟田「ふ〜ん。じゃ、鬼堂くん。次、僕と稽古だからよろしくね〜。そろそろ、3本勝負で続けて僕から3本取ってくれないと、主将の座は渡せないなぁ〜」
一同(苦笑)
GM/牟田「ただで渡すんだから、勝ってもらわないと。」
鬼堂「いいでしょう!!」
ということで、主将の座を賭けた3本勝負が始まる。
[1本目]
イニシアチブは、互角。再度、振り直すがこれも互角。
3度目…。
GM4
鬼堂3……くぅ〜。
宗祇まだ、競り負けてる。
牟田の攻撃。鬼堂はフェイントを避けられなかった上に……
GM(ころころ……)ん〜。何か〜、これは、クリットとかいう奴かな……。
佑苑&愛美さようなら〜。
クリットを出すがあえて、効果は決めない。当たる(一本取れる)ことには違いないからね。
GMスパーン!!
鬼堂「前よりも早くなっている!?」
GM/牟田「あれ? ちょっと本気出し過ぎたかな……。」
鬼堂「出し過ぎたかなぁ!?」
一同(爆笑)
宗祇つまり、今までは全然追いついてなかった!
龍之介悲しいよなぁ。
鬼堂むむむ……。
[2本目]
イニシアチブを取ったのは鬼堂。
鬼堂「一撃にすべてをかける!!」全力攻撃+4!
GMどうぞ。
鬼堂ころころ〜。−16!!
GMこっちは、−15
一同(大爆笑)
鬼堂の攻撃は、当然受けられてしまう。
GM/牟田「今のは、まさしく全身全霊を込めた攻撃だね。でも、隙が大すぎるよ。」
GMころころ〜。あたり〜……っていうか、クリティカル。
一同(爆笑)
GMすまんねぇ。スパーン!!
GM/牟田「胴ががら空きだよ、胴が。」
鬼堂「受けから抜き胴……おそるべし。」
GM/牟田
「っていうか、一撃にかけるっていうのは、いいことかも知れない
けど、その後のことを考えないといけないよ。鬼堂くんの場合は特に。」
佑苑当たってるだけに何もいえない……。
GM/牟田「あと1本くらいは取れるかな〜。僕も本気だそうか? 以前にも鬼堂くんには見せたことがあったと思うけど、僕の速さについてこれるかな?」
鬼堂「ふざけるなぁっ!!」
[3本目]
鬼堂の気合は入るが、イニシアチブは牟田。
牟田の攻撃は普通に当たり。対する鬼堂の防御目標値は、15。
鬼堂ふんふんふん……ころころ〜…………。あぶねぇ〜!! 13だった。
鬼堂の攻撃。牟田にフェイントを見切られたため、攻撃があたる由もない。
GMさらに彼は動く。
宗祇え? イニシアチブ…!?
佑苑ば・い・そ・く♪
鬼堂うがっ。
GM周囲にいる部員がざわめくよ。「しゅ、主将が消えたっ!?」
ゆかり対抗しないのか? してくれるものだとばかり思ったのに。
鬼堂[倍速]を使うのは卑怯だと思っているので……。
GM今から宣言しても遅いよ。鬼堂くんの場合は、1秒集中しないとだめだから。
牟田は全力攻撃(2回攻撃)を仕掛ける。
1回目の攻撃は何とかよけるものの……。2回目は避けられなかった。
鬼堂スパーン!
GM/牟田「ま、こんなものかな…。」
鬼堂「あ、あなた……。」
GM/牟田ぽりぽりと頬をかきながら 「鬼堂くんにもこれくらいできてもらわないと主将の座は渡せないなぁ〜。」
鬼堂くっ。
GM/主将「足、痛くなっちゃったな…やっぱり、もう少し足捌きを考えないと……。で、どう、鬼堂くん。これ、できる?」
鬼堂「次は本気でやらせていただきます。」
GM/主将「ふ〜ん。」と面白そうに言った後、「今からやる?」
鬼堂ひっこみつかねーーーーーーーーー。
一同どうぞ、どうぞ。
というわけで、再度勝負。
鬼堂[倍速]発動していい?
GMいいですよ、こちらは待ってますから。
一同(苦笑)
GMだって、本気でかかってくるって言ってるんだから、本気でかかってくる前にこっちから向かってもしょうがないし…。
[再度1本目]
鬼堂は、[倍速]の発動に成功。
双方ともに、攻撃は当たらない。倍速のターンに入る。
GM/部員「き、鬼堂先輩の姿まで見えなくなったぞ!?」
龍之介基本的にドラゴンボールの世界に突入したぞ。
一同(笑)
GM二人とも[倍速]使えるようになったから、全力攻撃は危険だな。
鬼堂単に今までと変わらなくて、外の時間がゆっくりになってるだけ。でもここは、やはり、早めに決めといた方がいいや。全力攻撃+4(達成値に+4)!ころころ〜………−12!
GM−13
一同(笑)
鬼堂全力攻撃だよ!? くそぉ〜!! 攻撃っ! クリった!!!
スパーン!!
まさしく、会心の一撃。
GM/牟田鬼堂くん流にいうと、「敵ながらあっぱれ」ってところかなぁ〜。「お見事。」
鬼堂「これが俺の力です。」
GM/牟田 「そっか、そっか。これなら鬼堂くんにすべて任せてもいいかな。」
GM/部員「おい、今の動き見たかよ!」
「いや、全然見えない。」
一同(笑)
GM/牟田「じゃ、そういうことで、後、よろしくね。鬼堂くん」
GM/部員「主将、どういうことですか!?」
GM/牟田「もう主将は引退しようかな〜って。」
鬼堂「なにぃ〜っ!! まだ2本残ってるじゃないですか!」
GM/牟田「まぁ、それはまた後でってことでさ。ね。大丈夫。後はその力を使いこなせるようになれば完全だよ。」
鬼堂「あ、あなた何者ですか!?」
GM/牟田「僕はM78星雲……」
一同(爆笑)
佑苑きっつー。
愛美今、聞かれた瞬間に眼がキラーンって輝いてた。
龍之介流れが美しかったね。
――俺は、まだ、この人に勝ってない。
「納得できません!! まだ、俺の力があなたに及ばないことは俺自身分かっています。」
「そうでもないけどなぁ〜。」
「馬鹿にしないでください!!」
GM/牟田 「そんな怒らなくてもいいじゃないかぁ〜。大丈夫。鬼堂くんなら、もう……もうすぐ、本当に、もうすぐ、ね。僕なんかあっという間に抜いちゃうから。気にすることはないんだよ。」
ポンポンと肩を叩いて更衣室のほうへ行きます。
GM/君島「先輩……なんか、なし崩し的に主将になったみたいですけど…。おめでとうございます!」
鬼堂スパーン!!
一同(笑)
GM/君島「痛いじゃないですか!! 今、面つけてないのにぃ!」
一同(笑)
鬼堂「俺を主将などと呼ぶなぁっ!!」
GM/君島
「牟田主将はどうしてやめるなんて言い出したんでしょう……。」
鬼堂「わからん。あの人の事は何一つ分からんままだった。」
GMそこへ着替えた牟田くんが、出てきます。「じゃあね〜、鬼堂くん。」
鬼堂「あなたの札はそのままにしておきます。」
GM/牟田「ん〜。まっ、未来はどうなるかわからないしね。」
佑苑絶対、何かあるぅ〜。
GM/牟田「ま、正義をその手に頑張ってね〜!」
一同うわぁ〜(笑)
鬼堂何だ、ちくしょーーー。
ゆかりと有子が向かった調理室では…。
GM/部員「有ちゃん、大丈夫?」
有子「もう、治してもらったから大丈夫。」
GM/部員「あ、保健委員長さんも一緒だ。」
有子「この辺にいたんですけど…。」
GM/部員「有ちゃん、まだ、言ってるの? お願い、正気に戻って!!」
一同(笑)
ゆかり「……ま、みんなは活動に戻って。」
GM/部員「そうねぇ……。有ちゃんもおいでよ。」
有子「もう少しお話したら行きます。後片付けはきちんと手伝うから……。」
何とか部員を活動に戻らせたゆかりは、有子が指し示した辺りに[霊気感知]を試みる。
ゆかり[霊気感知]をすると周囲が眠くなる。
有子ほやわわ〜ん。
愛美眠そう………
有子ほやわわ〜ん。ほやわわ〜ん。ほやわわ〜ん。ほやわわ〜ん。
ゆかり−8成功。
GMかなり高いなぁ…。
そこにいたのは、幽霊のようだが、少し異なる存在。
精神体とでも言うべきか…。はっきりとわかるのは、くっきりと残る強い憎しみだけ。
ゆかり「ここに何かいたみたいね。」
有子「そうですよ、ねっ、ねっ、ねっ!!」
ここで全員の腕時計が振動する。応答したのは、ゆかりだ。
ゆかり「どうしたの? 龍之介くん。」
龍之介「変な犬みたいなのが出てきて……ゆかりちゃん、今、保健室なんだけど、怪我してる子がいるんだ。」
GM/紀家「僕もいるよ。」と、横から紀家くん登場。
ゆかり「あら、霞くんもいたんだ。」
GM/紀家「何せ、天草くんだけに任せとくわけにも行かないしね。女の子だから。」
龍之介「失礼な。俺は、そういうとこは、そういうとこで、フェミニストだっちゅーに!」
連絡を受けたゆかりは、保健室へ即戻る。
有子は、部活の片づけをしてから保健室へ向かう。
佑苑と愛美は、それぞれ保健室へ。
その頃、保健室では……。
龍之介「この子、誰?」
GM/紀家「僕、美少女ファイルは担当じゃないしな…。」
龍之介「美少女ファイルじゃなくって、どうせ、全校生徒の顔を知ってるだろ?」
GM/紀家「覚えてないよ、そんなの。無茶言わないでよ。」
龍之介「お前、情報を調べるためには必要なことだろ! ったく、役に立たないなぁ。」
GM/紀家「……じゃ、"ノア"に聞こう。」
龍之介「そっか。」
© 1997 Member of Taisyado.