GM/遠野「法本君を頼むよ。」 愛美「あなたはどうするの? あなたが一番李先生を支えるのに必要だと思うけど。世の中には目の見えない人、耳の聞こえない人、しゃべれない人……いっぱいいるでしょ? その人たちも精一杯生きている。」 GM「……“電脳教授”。」
”コマンド 崩壊”
ピッ。
”パスワードを入力してください。”
「パスワードは、『春華』」

ピシッ!
周囲が歪む。
上昇していく“電脳教授”を中心にどんどんと。

「どうしよ〜!? 相手が環境を変えちゃったよ!?」

千歳の叫び声もかき消されるほど、大きな音を立て“電脳教授”の周囲は、ドーナッツ状に崩れていく。

――このままじゃ、飲み込まれる!!

「先生、もっと現実を見つめるんだ、現実と向き合うんだ!」

叶は異空間へと落ちていく二人の腕を掴む。

――!?

叶の足元が崩れた。

「逃げるのか!? あんたは自分のしでかしたことに責任をとる義務がある。それを放り出して逃げるのか!!」

バランスを崩した叶の耳は、熱い魂の声を聞いた。
鬼堂だ。
GM何とか二人で助けた、っと。で、真ん中に浮かんでいる“電脳教授”は……
”崩壊、進行中。崩壊、進行中。崩壊、進行中。
停止パスワードを入力……して……ください。”

――この足場もどこまで持つかは分からない。でも……

”停止、パスワード、を、入力……くだ……い”

――やれるだけやってみるしか、ない。

気づいたら跳んでいた。
勢い良く、助走をつけて。
愛美は、宙を跳んだ。

「パ……ワー……を……」
「そのパスワードは設定されてはおらんよ。」

遠野教授の声がか細く聞こえる。
一同ないなら作ってしまえ! 佑苑サブタイトル……。 愛美想いを取るか、はるかをとるか…… ゆかり両方……。 佑苑がちょっとくっつけて。 愛美想い、はるかに!! GMピーン!! パスワードが、入力されました。 一同(笑&拍手)
崩壊が止まり、修復が始まる。だが、崩壊の中心にいた愛美と“電脳教授”は取り残される。
修復は“電脳教授”の下をド−ム状に包み始めていたのだ。
GM/魔術師「やれやれ、手間のかかる奴だ。お前は後先を考えなさすぎる……来い。」
と言って手を引っ張るよ。
愛美引っ張って行かれる。(←少し、ぶーたれてる) GMで、引きずり下ろすようにして下に出されるよ。君は魔術師に抱きかかえられてるんで大丈夫ですけど魔術師のマントがパチパチいってますね。 GM/魔術師「このまま脱出するぞ。」
来たときのように帰る。
龍之介と鬼堂、遠野先生、法本は、入った方法が違うため、一緒には出て来れず遅れて出てきた。
応接室に戻るみんなを影浦が出迎えた。
佑苑「あれからどのくらい経ったのでしょう?」 GM/影浦「実時間にして、18分ほど。」 一同18分……(汗)
実際のセッション時間は、この部分だけで90分が費やされた。
開始してからすでに7時間が経ち、プレイヤーはみんなハイになっている(笑)
GM/法本「俺たちをどうするんだ!?」 ゆかり「どうするつもりもないわ。」 GM/法本「先生は悪くないんだからな。」 愛美「そうでしょう。だったら、自分が李先生を最後まで支えるのが責任の取り方の一つじゃないかな〜?」 GM/法本「支える? “電脳教授”なしで??」 愛美「自分の力でできるよ。先生、今、自信失くしてる。人を信じる心も失いかけてる。でも、あなた達二人だけは信じてる。だから、その信頼に応えてあげな。」 ゆかり「自分たちにできることをやればいいと思うけど。それ以上のことは、誰も無理よ。」 愛美「私としては、あなたが現実の世界にいてあげることが、先生への最高のプレゼントだと思うけど?」 GM/法本「う、うん……。」
――ん!?

遠野先生の身体が闇に包まれ始めている。

ダッ……。

思わず走り寄る龍之介を魔術師の声だけが追いかけた。

「……もう、手遅れだ。……闇になっていたのは目だけではなかったようだな……せめて、最後の言葉くらいは、あの女教師に届けてやってくれ。それでいいな。」
愛美頷くしかないね。
遠野先生の存在はマイクロマシンの集合体――影浦の中に消えた。
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