時間が少し経って、委員長たちが駆けつけた。
GM放電がパチパチ…… 「鬼堂委員長はどこだっ!?」 宗祇(画面を触れて)「……遅かったか……」
”コマンド 吸収 終了”

画面には、カーソルが点滅している。
画面を見つめていたゆかりはふとキーボードに手を伸ばした。

”コマンド 放出”

――これで、できればいいのに……

ピーッ。

”コマンド名が違います。”
ゆかり「やっぱり駄目ね。」 愛美どうする? ゆかりどうしよう?
モニターに[霊気感知]をするゆかり。
だが、何も感じない。
ゆかり&宗祇はるか、春華、ハルカ、haruka、はぁるぅかぁ……
5人とも、手がかりらしい手がかりが全くなく、困り果てている。
GMまとまらないんだったら、別の場所で相談してて。二人の方をやるから。 一同(口々に)がんばってね〜〜。 GMまずは最初に取り込まれた龍之介くんから。気がついたら、君はふわふわ漂っているよ。
――なぁ〜んか、よくわかんねぇな……
ここは、闇。
――なぁ〜んか、よくわかんねぇよ……
ここは、薄闇。
――おっ、いたいた……。

「遠野先生、ここはどこですか?」
「ネットの海だよ。」

彼もまた、龍之介同様、漂っていた。

「すまなかったな、こんな所に突然連れてきて……」
龍之介「害さえ与えられなきゃ別に問題はないんですけどね。」
遠野先生の話をまとめると、法本とは元々はただの生徒と先生という関係だったが、李先生への想いという点で、お互い話し合うようになったそうだ。
龍之介「計画を立てたのはどっちですか?」 GM/遠野「私だ。」 龍之介「ということは、あなたが"裏生徒会"に関係あるのですね。"裏生徒会"とのつながりを教えてください。」 GM/遠野「春華が生徒から糾弾されたのを私は知っていた。彼女から相談されたからね……彼女の涙を見たときに私は決意したんだよ、<改新>を。酷なものだ。あぁいうものだけは、見えてしまう……。」 龍之介「それで生徒を『無気力』ですか……」 GM/遠野「教師としては失格だろうな。分かっている。だが、私には、これ以外にどうすることもできなかった。無力なものだな。教員生活も長いというのに……。」
と言うと後ろからですね。
GM/法本「先生!“電脳教授”であいつをここに連れてきます。」 GM/遠野「本当にやるのかね……」 龍之介「ちょっと待て! どういうことだか、俺にはさっぱり分かんねぇんだけど。法本……だったよな? おまえ、何やりたいんだよ。」 GM/法本「中崎をここに連れてくる。」 龍之介「連れてきてどうするんだ?」 GM/法本「ここに置き去りにするんだ。」 龍之介「はぁっ??」 GM/法本「そうすれば、あいつはいずれ死ぬ。」 龍之介「李先生をもてあそんだからか? それは、彼女と中崎との問題だったんだろ?」
――うるさい!! 行け!! “電脳教授”!!

時が流れた。
龍之介には、永くも、また、一瞬とも感じられた時間だった。

――ん?

「何か、余計なものが見えるぞ!?」
「余計なものとは何だ!!」
「何でおまえが来ている!! 助けるのが普通だろ? 何でこっちに来てるんだよ!!」
「……成り行きだ。」
「ったく。」

おまえなど助けたくはない、という鬼堂の言葉には耳も貸さず、龍之介はつぶやいた。

――だけど、鬼堂がここにいるってことは……。

俺は楽になった。
そう。
生徒会一の戦力がここにいるのだ。この世界でどこまで通じるのかは分からない。だが、これで、もし、戦いになっても少しはしのげる。
だが――。

――ゆかりちゃん、愛美ちゃん……大丈夫かぁ?

……。
女の子しか考えないのか??
……ま、まぁ、いい。
残っているものに取ってみれば、自分たちの戦力を大きく欠いたことになる。

――執行部に応援でも頼むか??
GM/遠野「どうやら、もう一人連れてきてしまったようだね。」
目の前を光の粒が飛んでいく。
そのきらめきに思わず手を出すが、何事もなかったように通り抜けてしまう。
GM遠くを鯛焼きが飛んでいるのが見えたけど(苦笑) 龍之介たいやきがいるぅぅぅぅ!! 一同(笑) 龍之介あれだけにはつかまりたくねぇよな。 GM/遠野「鬼堂君だったかね? 確か風紀委員長の……。」 GM/法本「くそっ!! 余分な奴まで着いてきやがって!!」 鬼堂貴様の都合に合わせてやる義理はないんでな! GM中崎先生は、吹っ飛んでます。常識越えてるんで。 GM/遠野「君たちは驚かんのだな……。」 龍之介「まぁ〜ねぇ。生徒会は変人ばっかだし。」 GM/遠野「"裏生徒会"が言っていたよ。生徒会のメンバーには気をつけろ、と。こういう意味だったのだな……。」 龍之介「このままでいいとは思っていませんよね? 元に戻さないと。あなたのやるべきことは李先生を支えることでしょ。」 GM/遠野「できんよ、もう……。」 龍之介「なぜ?」 GM/遠野「あの子の顔も、姿も、もう見ることができなくなってしまった……。」 龍之介「目が見えないからって、終わりってわけじゃないでしょ? 触れることだってできるし……。」
すっ。
龍之介が気づいたときには、すでに“電脳教授”がいた。
目の前に……。

「動かないで。」

龍之介の瞼に、数式が書き込まれ、消えていった……。

――なんと、気色の悪い!
……鬼堂、そういう問題じゃないだろう……。

「う!? お!? あぁっ!?」
「目が見えなくなってどんな気分だ??」
龍之介「不安ですね」 GM/遠野 「怖いものだよ……そのような状況に陥ったときの思いはその本人にしか分からない。理解してほしいとは言わない……私自身、自分がしていることが正しいとは思わん。だが……私は……春華を救いたいんだ。」 鬼堂「ならば、なおさらこの状況をただすべきです。あなたを、李先生はあなたを必要としています。心の支えとしています。あなたに支えてほしいと願ってます。今、李先生は自信を失っています。」 GM/遠野「君にはきっと支えるべき人がいるんだろうね。」 鬼堂くわっっっ!
遠野先生は、にこやかに微笑んで二人を見ている。今までの敵とは違うようだ。
むしろ、法本の方が敵意をむき出しにしている。子供っぽい敵意だが。(苦笑)
GM/法本「こいつらなんか! こいつらなんか!!」 GM/遠野「しばらく待とう。君らの信じる力とやらを私に見せてほしいよ。そして、……すべてが分かれば……すべてが分かれば……。」
といったところで、龍之介くんの目は元に戻ります。
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