地下生徒会本部に詰めていた佑苑は、通信から聞こえた「遠野先生」の声に、龍之介の発信機の信号をノアで確認する。
(生徒会バッチは発信機になっている。だが、龍之介はコウモリに変身するとバッチがなくなるので、ピアスになっている(笑))
GM/ノア「今から3分29秒前に消失しました。」 佑苑「消失!? 消えただけか?その後どこかに現れたってことは?」 GM/ノア「ありません。」 佑苑社会科研究室に向かいます。 ゆかり愛美ちゃんの言葉を聞いて、龍之介くんの所に行こうとします。
場所は、社会科研究室。
佑苑が真っ先に着き、扉を開けるが……。
GM誰もいなくて、パソコンだけが起動していて、メッセージが残されている。 佑苑(苦笑)はい、何でしょう。 鬼堂レンジでチンして食べて下さい。 一同(大爆笑) 宗祇何でやねん! 一同(笑いがつづく) 愛美この無茶苦茶シリアスな、すっごいいい所で(笑) ゆかり何で言うかな〜、まったく(笑) 一同(ひたすら笑い続ける) 宗祇(ゆかりPに)叩くものをお貸ししますから、……。 GM(ゆかりPに)俺の分もお願い(笑) 一同(ひたすらひたすら笑い続ける) GM(鬼堂Pに)君って最高!! 龍之介はまりすぎてるよ(笑) 鬼堂聞こえないようにぼそっと言ったんだけど……(笑) 龍之介でかいよ!(笑) 丸聞こえだよ。
落ち着くまで、しばし、お待ちを(笑)
GM“電脳教授”はネットの海へ……
対策を考えるものの良い知恵が浮かばず、社会科研究室に勢揃いしている。
結局、1Eに行き、法本のノートパソコンを確保することと、李先生に話を聞いてみることになった。
GMじゃ、1E。 愛美ノートパソコンの中を見る。
「何、これ……。」

愛美の声に、画面を覗いた佑苑と宗祇の目も点になっていた。

「日本語の文字……。」

“人を中に取り込みたい”
“映像を見た者たちの感情を失わせたい。”
“そのためには、以下のものが必要だ。”

「愛美さん、これは……プログラムか?」
愛美呆然としてていい? GMするだろうね。その日本語が組み込まれている以外は、普通なんだけどね。プログラムとして実行させたいことは、すべてその日本語だけで指示してる。 鬼堂でもって、後ろからそれを見て、
「ほほーぅ。これがプログラムと言うものか……。」
一同だぁーーーーーーーーーっ!!(笑) GMそうこうしているうちに、李先生が来て、
「あら? あなた達……生徒会メンバーが揃って……。」
宗祇「単刀直入に言おう。」 ゆかり「法本くんと遠野先生の二人によって……。」 佑苑(1Eの中を指して)「このような無感情な状態が……。」 ゆかり「龍之介くんが浚われちゃったみたいなんですけど。」 鬼堂「奴を助けねばなりません。」 ゆかり「だから、二人について知ってることがあったらお話願えませんか。」
「確かに、わたしはあの二人について、知ってたわ。」
「は?」

間の抜けた声が、あたりに漏れ出た。

「もう、何がなんだか分からなくなっちゃって……知ってるでしょ。わたしが生徒たちから非難されていたこと。」

彼女は、唇を湿らすかのように間をおいた。

「あれ、本当のことなのよ。わたしは実際、中崎先生とおつきあいしていたわ。」

どこからともなく、ため息がこぼれる。

「……はっきり言ってしまえば……中崎先生に騙されてたの……日頃、生徒たちから、わたし慕われてた。自惚れじゃなく、そう思っていたの。でも、あの時に何もかもが壊れたような気がしたわ……。」

沈黙が時を握りしめていた。

「あの二人だけは、私のことを思っていてくれたみたいだけど。でも、信じられなくてね。だから、わたしは知らないわ。」

口元に薄く笑みを浮かべた李先生を見た瞬間。

――ぷちっ。

決して大きな音ではない。
だが、李先生以外の誰もにはその音が聞こえた。

――あんた、勝手すぎるわ!!
愛美「先生、自信なくしたんだね。」 GM/李「ま、そうね。」 愛美「でも、まだあなたは慕われている。ずっと。今も。 GM/李「そうなのかしら?」 愛美「そう。」 GM/李「結局、自分がそう思いこんでるだけなのかもしれないわ。」 愛美思いこんでるだけでもいいんだよ。信じなきゃ始まらないじゃん。教師と生徒なんてそんなものでしょ? 宗祇(後ろの生徒たちを指して)「法本の奴はあんたのためにここまでやった。それを見ても、何とも思わないのか。」 愛美「あなたが教員をやりたくなったきっかけは何? 自分のために生徒を服従させたかったの? 生徒を支配したかったの? 違うでしょ? それだったら、慕われる先生にはならない。中崎みたいになってるんじゃないの? あなたの目指しているものは何だったの? この状態?」 GM/李「わたしに何をしろっていうの?」 愛美「ここにいる中で、メンバーが一人足らないのわ。」 GM/李「天草くんね。」 愛美「おそらく遠野先生に連れて行かれたと思われるわ。あなたにとって遠野先生と法本が必要なのと同様に私たちにとって天草くんはかけがえのない仲間……。」
 ――義務感/友人(という特徴)より
一同(爆笑) 龍之介うぅぅぅ〜。そんな注釈つけられても……しかも、みんなの顔が(かけがえのない仲間って)言った時、歪んでたぁぁ!!(泣) GM/愛美とりあえず、わたしの役に立ってくれれば――自己中心的より。 一同(笑) 鬼堂確かに、馬鹿で、無知で、破廉恥で、しかも、節操のない男だが、あの能力は使える GMアイテム代わり……。 鬼堂なんか助けなくてもいいような気がしてきた。 一同(笑) GM/有子「そんなことないです! 天草先輩にもきっと、きっといいところがあります!」 宗祇「どこ?」 GM/有子「えっと、えっと……。」 一同(笑) 愛美「無理しなくてもいいのよ。」 GM/有子「でも、でも……。」 龍之介/有子「とにかくあるんですぅぅぅ〜!!」 ゆかり「そうよね、有ちゃん、どこかにあるわよね。」 愛美「きっとまだ誰も見つけてないだけよね。」(笑) ゆかり「今から探せばいいのよ。」 一同(爆笑) GM希望の会話してどうする!! 龍之介……みんな、会話がずれてることに、気づかないか?(笑)
そう、話を元に戻さねば……。
GM/李「わたしにはどうすることもできないわ。」 愛美「遠野先生のこと、法本のことについて、先生が知ってる限りのことをお話しいただきたいんです。」 ゆかり「知っていたことでもかまいません。今は知らなくても。」
李先生の話した事は、今まで集めた情報と大差がなかった。
GM/李「前に……遠野先生が言ってたの……私の名前、名付け親が遠野先生なの。普通は、父よりも年上の人とか、恩師だとか、そういう人に頼むじゃない? でも、遠野先生なのよ……日本語読みをしても十分、通じるように。」 ゆかり「どういう字を書くのか教えていただけませんか?」 GMじゃ、ホワイトボードに……ちょうどいい舞台だったな(笑)……『春華』と。 GM/李「で、遠野先生は『最後の言葉は君の名前だよ』って言ってたのよ。何のことだか、全然分からなかったけど……その時、先生はパソコンで何かやってたわ。」
GMのこの一言が最後まで私たちを悩まし続けることとなるのだった……。
ゆかり何が「はるか」なんだろう? 宗祇とりあえず、検索してみるか? 愛美こんなもの検索キーにしたら、(結果は)やたら多いよ。
「遠野先生って前からパソコンできたんですか?」
GM「そういえば、つい最近だわ。さ、そろそろ授業を始めないとね。」
李先生に付くのが、ゆかりと叶。
社会科研究室に向かう愛美と佑苑と宗祇。
引き続き中崎の元にいるのが鬼堂である。


李先生を見張り続けるゆかりと叶。
普通に授業が進んでいる――無反応ではあるが。
廊下で二人は顔を見合わせた。

――ここでは何も起こらない。

分かっている。
分かり切っている……だが。
だが、万が一。
襲われでもされたら、脅迫状が来ていたのに放っておいた生徒会の責任になる。
ノートを取る音と、李先生の授業の声だけが響く中、不安だけが二人の心を満たしていった。

――みんなは、無事でいるだろうか……。


その頃、社会科研究室では。

――haruka
ピーッ。

”コマンドまたはファイル名が違います。”
ぱちっ。

「切っちゃって、いいんですか?」
「……この中では江島がこういうことは一番分かっているはずだ。大丈夫だと言うからにはいいんだろう。」

ウイィーーン、ガガッ……

ごく普通の起動画面が表示され、ごく普通に立ち上がった……。

「くそぉぉぉぉっ!」
「まぁまぁ、落ち着いて。愛美さん、法本の使っていたディスクをもう一度走らせることはできないでしょうか。」

愛美は左腕に手をやった。
かちっ。

「……見てもらえるかしら、ノア。」
「承知しました、江島委員長。」

――無駄な時が流れたわね……他のみんなは、無事かしら……。

期せずして、三人の心には同じ言葉が流れていた。
GMじゃ、場面変わって、化学研究室。 愛美/中崎やぁ、君と同じ失敗をした人が二人もいたよ。 鬼堂/中崎だが、君のが一番手ひどかったよ。 GM会話を想像するのはかまわないけど、中にいる? 外にいる? 鬼堂外にいたいけど、中にいた方がいいんだろうな……中にいて隅で小さくしてます。 GM入ってきたときに、どうしたのかねって聞かれます。
「実験のやり直しでも請求するのかね?」
一同(忍び笑い) GM/中崎「実を言うとね、君の他にね、今日は二人も失敗した奴がいてねぇ〜。君のが一番不器用だったよ。」 一同(笑) 愛美想像したとおりかい! 龍之介ひどい!! GMわざわざ本人からネタ振ってもらったんだから……それを律儀に返すのが俺の役目です(笑)。 龍之介律儀すぎますぅぅぅぅぅ 鬼堂「は、そうですか……。とある事情により、先生の護衛をさせていただきます。」 GM/中崎「勝手にしたまえ。」といって、パソコンをカタカタカタ…… 一同(声にならない悲鳴) 愛美打つなよぉぉぉぉ〜。画面を切ってしまえ、切ってしまえ!! 鬼堂すみません、先生。パソコンはお使いにならない方がよろしいかと。っていっても、論理的に納得できる説明をしろと言われても無理だよね。 愛美ここはね。通るときに足を引っかけてコードを抜いてしまう! 一同(爆笑) 宗祇超外道!! GMやる?? 愛美超外道だし、復旧させるのにすごい時間が……(笑) 鬼堂しかし。致命的なことに鬼堂くんにはパソコンは家電製品程度という知識しかない。 愛美コードさえ抜いてしまえば何とかなるという短絡的な行動に出てしまう。(笑) 鬼堂電源切って、入れればまた元通りになるんじゃない?(笑) 一同(笑) 龍之介いっちゃえいっちゃえいっちゃえ!! 鬼堂というわけで。
「わたしは隅の方に行っておとなしくしていますから。」
てくてくてく、ぶつっ。「あれ??」
一同(爆笑) GM/中崎「あっっっ!!」 鬼堂「すみません、引っかけてしまいました。」 GM/中崎わなわなわな……。
(声が裏返っている)
「鬼堂くんっ! 君は自分が何をやったのか分かってるのかね!?」
一同(笑) 鬼堂「大丈夫ですよ。(今、コードを)差しましたから。」 一同(爆笑) GM/中崎出ていきたまえ!! 仕事ですから、だろう? 鬼堂「任務がありますから……」 GM/中崎「このことは理事会に報告しておく。今ので生徒の成績が全部消えてしまったではないか……。」 鬼堂でも……電源入りましたよ?? 一同(大爆笑&拍手) 愛美なんかさぁ、わたし、胸がすーーっとしたよ。(笑) GM先生は真っ青な顔をしながら、また向かってます。(苦笑)
「な、何だ!! いきなり、勝手に文字がっっ!!」
「先生、下がって!!」

画面からは見慣れた老人の顔が浮かび上がっている。

――間に合わないだろうが……

鬼堂は、SOSを押した。
愛美ノアと通信してたんだったら分かっていいよね。 GMうん。 愛美「これは、誰の?」 GM/ノア「鬼堂委員長のものです。化学研究室からです。ただ、すぐにジャビングが入ってしまいましたが……。」 宗祇&佑苑&愛美走りま〜す。 GMはい。 鬼堂実体がありそうなら、コンセントを抜くよりもそいつを斬りつけることの方を考えよう……(ころころ)ちょっと待て!! すかっ!
中崎を助けることに心の迷いがあったか(苦笑)鬼堂の攻撃は失敗。
そして、その間に、中崎は……。
GM/中崎「ひぃぃぃっ」って言って、ぐたっとするよ。
腕を捕まえられて、中に引っ張られようとしている。
鬼堂「先生っ!!」 息は? GMありますよ。気絶しただけ。 鬼堂ちっ!! 一同(爆笑) 龍之介(拍手)
鬼堂の攻撃。今度はダメージを与えるが“電脳教授”の手は中崎を捕まえたままはなさない。
そのまま、中崎は上半身がパソコンの中へ入ってしまっている。
もちろん、こちらから“電脳教授”の姿は、もう見えない。
佑苑これは一気にだいびーーんぐっっ! 龍之介ここで、電源を切って中崎が半分になる…… 一同(爆笑)
さすがに、足をつかんで引っぱり出すことにしたようだ。
だが……
鬼堂体力勝負……(ころころ)……−2 GM引かれてる。君の腕が入った。 鬼堂うわーーーーーーーーーーーーーー!!
(ころころ)どかーーーーーーーーーーん!!
一同ひぃぃぃぃぃぃぃ!! ファンブル!
というわけで、鬼堂もろともパソコンの中に飲まれてしまったのであった。
一同さらば、鬼堂!!
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