宗祇結局、遠野先生には今のところ何もなかったんだよね。 龍之介うん。後で話し合いたいんだけど……。 GMいいよ。
時間は進んで3限。
GM「飲むかい?」といって、遠野先生はお茶を出してくれるよ。
マンツーマンで龍之介は日本史を教えてもらっている。
龍之介「李先生が、狙われてるんですよ……。」 GM/遠野「……狙われている、とは、穏やかじゃないねぇ。」 龍之介「“電脳教授”だか何だか知りませんけど。」 GMその“電脳教授”と言う名前を出すと…… 龍之介「先生、思い当たる節ないですかね?」 GM/遠野「……(沈黙)」 ゆかりとまるなぁーー!! 一同(笑) GM少し黙ってしまう。ちょっとため息をついてる。 龍之介「生徒会が動いてるんですけど。李先生が襲われるなんて脅迫状が送られちゃったからには……。俺達、守んなくちゃいけないんっすよ。情報欲しいんですけど。」
「……法本君にも困ったものだ。」

ため息が1つ、こぼれた。

「大丈夫だ。彼は、……彼女を守りたいのだから。」

ため息が場を支配していた。

――やばいかも……

龍之介の心の中では、今更ながらに警鐘が鳴り響いた。

――しょうがねぇだろ、情報が必要だったんだから……。

自分に言い聞かせるように、心で呟く。

「サブリミナル効果というのを知っているかね?」
「コーラですか?」
「あれは実際にはほとんど意味のないものだ。だが……」
――やべっ!

次に来る言葉を直感的に悟った龍之介は、SOSを押していた。
何度も、何度も……。

「……"裏生徒会"の力ならば、それを実在するものにできる。」

一瞬、言葉が途切れた。

「天草くん、私の名前を知っているかね?」
「遠野……」
GM/遠野「高明(たかあき)。」 愛美ん? (漢字の説明をされて)……たかあきら……!?
御存知の方も多いと思いますが「源高明」。
平安中期の廷臣で醍醐天皇の皇子。左大臣でしたが、安和の変で大宰権帥に左遷された人です。
(安和の変:安和二年(九六九)。藤原一族が源満仲(みつなか)の密告を利用して、左大臣源高明(たかあきら)に皇太子廃立の陰謀ありとして追放し、藤原政権を確立した事件。)
一同ふ〜ん。ふ〜ん。ふ〜ん。ふ〜ん。ふ〜ん。ふ〜ん。 GM遠野先生がゆらっと立ち上がります。
ガタンッ。

「すまんの……」

パソコンに電源が入った。
画面上には意味不明な文字列。

「すまんな……あの子は、守ってやりたいんだよ……。」

――うっっ……。やっぱ、……。

龍之介は意識を失った……。
GMはい、3限、もう一つ。
情報センターにいる叶と愛美だ。
GMちらっと、法本くんが愛美さんの方を見る。で、何人か普通の生徒がわいわいやってる声が小さくなるね……叶くん(知力と生命力で判定した結果)何か気持ち悪い。生徒会室で見ていたから、画面がちらつくのも分かるよ。 愛美「どうした?」と小声で聞いてみる。 「明らかに、おかしい。」 愛美「また?」 「そうらしい……。」
先程まで騒いでいた子たちから表情が消えている。
愛美法本に近づいてみる。 GM彼だけ別のことをやってる。 愛美「どうしたのかな? きちんとやらなきゃ、駄目じゃな〜い♪」
――わざとらしい……

我ながら苦笑した。
だが、先生の手前、仕方がない……。

「これでもう終わります。これでもう先生をいじめる奴はいない。」

――いじめ、ねぇ……

「“電脳教授”の手から逃げるなんて、さすがですね。」

愛美は何も言わない。
ただ、じっと法本の目を見ているだけだ。

「あれは予期してなかった。でも、いいんだ。これでもう、先生に文句を言う奴はいない。」

カタッ。

ピーーッ。

「俺をどうするつもりですか。」
「別に。どうしようもないでしょう。」

愛美は言葉を切った。

――学園の無気力な風潮が改まらなければ意味はない。

「あなたが何をやっていたのか、最後に聞かせてもらいましょうか。」
「俺は手伝いをしていただけですよ。」
愛美「誰の? 遠野先生?」 龍之介あうぅ〜。
「何の手伝い? “電脳教授”を甦らせようとでもしたの?」
「甦らせる!? 違うよ。“電脳教授”は単なるプログラム――"裏生徒会"からもらった物さ。」

――まったく、"裏生徒会"って奴らの目的はいったい何なのよ!!

「何を願ったの?」
「俺が願った訳じゃない……遠野先生さ。」
「何のために? 李先生のこと?」

法本は頷くだけだった。
愛美「この間、脅迫状を送ってきたのは?」 GM/法本「あぁすれば、みんなの目がそっちの方向に向かっているからその間に……江島……先輩を何とかしたかったんです。」 愛美あたしをぉーーーっ!? 通信機ON!! 全員に入ります。 GM判定なしでいいです、愛美さんと向かっているから。みなさん、掛かりますよーー。 龍之介一人、反応なし♪
反応がないのを調べることまでは、腕時計ではできないのだった。
GM/法本「あの時、もうばれる寸前だと思ったんだ。だから……とにかく、これが終わるまでは邪魔して欲しくなかったから。」 愛美「遠野先生に言われたの?」 GM/法本「違う!! 俺の考えだ。」 愛美「そこまで……そうなんだ。ふうぅ〜ん♪」 GM/法本「な、なんだよ!」 愛美「いや。李先生のことが好きなんだなって思って♪」 うわっ。 宗祇嫌なや……(以下、自主規制らしい) 佑苑あぁ〜〜〜ん!? (笑) GM/法本「うるさいなぁ。とにかく、これで良いんだよ。」 愛美「何が良いの?」 GM/法本「こいつらはもう、自分の意志や感情もなくなって、先生の言うことをちゃんと聞く奴らになった。これで先生にひどいことを言う奴はもういない。」 愛美「……教員はねぇ、そういうものを求めてるんじゃないのよ!」 GM……(プレイヤーと)リンクしてません? 一同(笑)
愛美のプレイヤーは、教育免許を持っている。
GM生の声っすか。(笑) 愛美(笑)
「教員はそういうものを求めてるんじゃないわ。色んな子がいて、色んな個性があって、それを育てていくのが楽しいのよ。個性も感情もない生徒を前にして、何の楽しみがあるって言うの!
GM/法本「それでも俺は、先生がいじめられるのはいやなんだ。」 愛美「いじめられるぅ〜? 自分をかばってくれたことに対して、そういう風にお礼をしたわけね、あなたは。それは李先生も嬉しいことでしょうよ。でも、みんなをこんな風にしたことに関してあなたを許さないと思うわよ……勝手な推測だけど。」 GM…………。うぅぅぅぅぅぅっ!! 反論できないーーーーーーーーーーっ!! 一同(笑) 佑苑何せ実体験が入ってますから。 一同(笑) GM生々しすぎるぜ。リアルな言葉には所詮叶わないのさ。 ゆかり(笑) GMと、とりあえず、うなだれるといったところでしょうか……。他の生徒たちは君らの会話なんか、全く無関心ですね。 「みんなを元に戻す方法はないのか? 解放してやるんだ!」 愛美「……何を出すつもりなの? 今、実行したでしょう?」 GM法本は腕時計を見るね。 愛美「あと、何分、いや、あと、何秒!」
「……ゼロ。」

グゥゥゥゥゥーーン。

――さっきより、早い!!

“電脳教授”はすでにそこに姿を現している。

――!!

法本を抱きかかえると“電脳教授”はそのまま、パソコンの中へと消えていった。
「待て!!」
だが、敏捷力判定の結果は二人にとってあまりにも無情だった(笑)
(GMは、クリティカル状態だったらしい……)
GM/法本「俺の勝ちだ!!」 愛美「まだ、終わったわけじゃないわよ。」 GMヒューーーン。空間は閉ざされました。 叶&愛美「(通信機で同時に)逃げられた……パソコンのに……。」 愛美「(不安げな声で)……天草くんは、無事?」
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