6.
GM次の日……鬼堂くん。君は夢を見ます。
<美しい華だったのに……。>

その白い手には二輪の華が握られていた。

――まだ、誰かを襲うつもりかぁっ!!

<あなたの、……あなたの命の華……あなたの……>

――俺……の?!

<私をこれ以上苦しめないで……>
<お願い、私をこれ以上悲しませないで……。>

女は近づいてくる。
だが、なぜか俺は動くことができなかった。

<……あと一輪、あと一輪あれば、たぶん大丈夫だから>

「お前は何を求めている?! 何を悲しんでいる?!」

答える声はなかった。
GMで、目が覚めま〜す。 鬼堂またか! 悪夢はどういう物なんだ?! 愛美鬼堂くんが龍之介の顔になっているとか? 宗祇いや、再び現れた美咲が、茶髪・ピアスになっている。 一同(爆笑) 鬼堂もしくは、とても幸せそうに桜の下を歩いていて、顔を見たら龍之介だった。 一同(再び爆笑) GMそれとも彼女が退院したって聞いて、花束を持って行ったら龍之介が肩を抱いて現れたとか。 一同(笑) GM朝になります。 佑苑何ら変わりない日常だね。今のところ。 愛美鬼堂くんがその話をしてくれるまでは…… 宗祇少なくともあと一人襲われる…… 愛美ことは、分からないしね。 鬼堂では、1時間目終わった休み時間に招集かけます。
ということで、全員に鬼堂の[未来予知]の夢の内容が伝えられた。
愛美「私を助けたい」は? 鬼堂「美咲を助けることによって、自分も救われるのかも知れん。」 宗祇「あと、一人は襲われる、か。」 鬼堂「襲われるはずだ。」 佑苑(鬼堂をさして)「たぶん、あなたでしょう。命の輝きが一番強そうですよ。」 宗祇「とりあえず、誰に来るか分からんのだから、分散しないようにということと、現れた場合にはエマージェンシーをかけること。」 愛美時計からはワンタッチでSOSが送れるようになっています。 佑苑(鬼堂に)「身体に十分注意してくださいね。」 鬼堂「俺が狙われるというなら問題はない。逃げ切れる自信はある。」 佑苑わかりました。
この後も、対策会議(笑)は続く。
紀家と佑苑の二人分の命の輝きを持っていそうな人が次に狙われるという考えでは一致した。
だが「誰が二人分の命の輝きに匹敵する輝きを持っているのか」が分からず、堂々巡りを繰り返すだけだった。

とりあえず、放課後に美幸を見張ることにし、各自授業に戻ったが、佑苑は第3項発令を利用して、仕事を片づけるようだ。
GMじゃぁ、ねぇ……愛美さん。 愛美はい。 GM授業終わってから教室中がざわめきます。 愛美(顔をしかめる……まさか自分が?と思っているらしい。) GMで、入口のところに美幸さんが立っています。教室をぐるっと見回して、君と目が合ったね。
「来てくれるかな、ちょっと。話があるし。」
愛美「わかったわ。」とだけ言って、鞄に用具を片づける振りをして、SOSをかける。 GMわかりました。 佑苑私は本部で作業をしているので……
「"ノア"、誰のエマージェンシーだ?」
GM/ノア「場所は、教室棟3F。発信者は江島委員長です。」 佑苑こっちが狙われたか……。 宗祇「"ノア"、どこへ向かっている?」 GM「屋上のようです。」 宗祇「では、向かおう。」 GM(愛美を見て)一応彼女が先頭に立って屋上に向かっています。
佑苑はテレポートで屋上に向かい、愛美と美幸が来るまでタンクの影に隠れているらしい。
GMやってきますね。ガチャッ。 愛美「……で、ご用は?」 GMって言われるとちょっと辛い表情で、
「あなたの命の輝きを私に頂戴。……お願い。」
愛美私の?! GM/美幸「そうよ。」 愛美「私のが紀家くんと佑苑くんの二人分に匹敵するとでも言うの?」 GM「やっぱり、分かっていないわね。」 愛美……私の?!(惑) 一同(苦笑) 宗祇それがよっぽど意外だったらしいな。 愛美めっちゃめっちゃ、意外だったんだけど(笑) GM(苦笑) GM/美幸「あなたの命の華は、とても強く輝いているわ。」 愛美「鬼堂くんの方がよっぽど強く輝いていると思うけれど。」 GM「……自分を高めようとする……。」 愛美あーーーーーーーーーーーーーーー!!
こんな設定作るんじゃなかった。
一同(笑) GM「その心があなたの命の華をますます輝かせているの。」 愛美そうか、こう来たか……(苦笑)
「何のためにこんな事をやってるの。」
GM「私のためよ。」 愛美「……命の華を集めて美咲さんがどうなるって言うの?」 GM「あの子の病気を治してあげるのよ。」 愛美「治せるの?」 GM「治るわ。そのためにあの人からもらった"裏生徒会"の力……。」 愛美「どうかしら。美咲さんを元気づけることの方がどれだけ意味があると思ってるの。」 GM「それでも、あの子は死んでしまうのよ!」 愛美「なぜ、なぜ、そう思うの!」 GM「医者だってもう、匙を投げたわ。親も……。」 愛美「誰が匙を投げようと、本人がまだ匙を投げていないのよ!何であなたが匙を投げるの? ……そうして、他人の命を犠牲にして何になるの! GM「あの子が生き残るわ。だから、邪魔はさせないわ。」
と言った瞬間、彼女の胸についていたブローチみたいな物から、ぶわぁ〜っと霧のような物が彼女を覆いだして、それがどんどん明確な形を取っていって……。
愛美……"花散里"。
病院で嗅ぎ取った美咲の心の匂い。
怯えや焦りの飛び交う中に感じた淋しさ。

「あなたのその愛情を、もう少し美咲さんに……。」

答える声はなかった。 

<……私、桜が見たいんです……。>

頭の中によぎる、美咲の言葉。

――鬼堂くんと一緒に見に行って頂戴……。

「ごめんなさい。」

その声とともに、彼女はその白い手を伸ばす。
愛美は大きく息を吸って、目を閉じた。
逃げるなどと言う言葉は、かけらもなかった。

――この命、惜しくない。本当に美咲さんが元気になるなら……。

ピシーーーッ。
GMその手がいきなり何かに弾かれます。そして、ふわぁ〜っとカードが一枚落下してきますね。 愛美(笑) GM美幸さんが「誰?!」と聞くと、階段のちょっと高い所から……。 愛美いいところから現れるよな〜、本当に、もう。 GMシルクハットに燕尾服、マントを着た<魔術師>が現れます。いつの間に、って感じですね。 愛美カードは拾って持っておくよ。 GM/魔術師「そこに隠れて何をやっている。」 佑苑「どうもすみません。出るタイミングを逃しました。」
だって、会話が終わらないんだも〜ん!
GM「それは私の問題ではない。それとも私が出しゃばりすぎたか……なら、後は任せた。」 一同うわぁ〜〜〜!! 宗祇消えちまったか。 佑苑(愛美に)「出るのが遅くなってすみません。」 GM"花散里"は少し下がるね。 佑苑「昨日お世話になった佑苑ですよ。」 GMこの辺りで、みんな来ていいよ。 宗祇「……間に合ったか。」 愛美カードを見せて「助けられたわ……。」 GM「……あなた達全員の命の輝きがあれば、あの子の命だって絶対に助かる。あの子が不幸になる"世界律"なんて私は認めない。今ある"世界律"を壊して"改新"を行い、あの子を救うのよ!」
で、戦闘開始です。
鬼堂あーー。一言言わせて。
「美咲さんは俺に約束してくれた。自分の力でその病を克服してみせると。命は一つのかけがえのないものだ。他の命をいくら集めたところで、美咲さんの命をあがなうことはできない。なぜ彼女の力を信じない。彼女の命の持つ素晴らしい輝きを信じてあげられない。」
GMもぉ〜〜。論破されそーー。すごい動揺して、
「それでも、私には"改新"を起こすしかないのよ!」と言って結局、戦闘。
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