4.
一瞬、意識が遠くなった佑苑。
目を開けると、そこには、透き通るように白い肌の少女が立っていた。
彼女は銀色に近いぐらい白い髪を腰の辺りまで伸ばしている。
佑苑「ここは一体どこなんですか?」 GM/少女「ここは言ってみれば、精神世界……あ、自己紹介するね。あたしは<月(ムーン)>。普通は、月子って呼んでくれればいいけどね。」 佑苑「月子さんですか……。」 GM/月子「そそ。」 佑苑「ここは精神世界で、私はあの幽霊に取り込まれたといったところでしょうか……どうにかして帰れませんかね。」 GM「それを今、魔術師が……だから私がここにいるの!」
月子によれば、紀家は魔術師の館に行っているらしい。
GM「……じゃ、私についてきて。」 佑苑「一応、着いていきましょう。」 GM空を飛んでいるような浮遊感を味わうよ。 佑苑うねうねと(笑)。
しばらく、うねうねと真っ白な中を進む。
GM「本当は身体に戻してあげたいんだけど、先に魔術師がお話ししたいって言うから……。」 佑苑「……これで魔術師とも、初対面ですかな。」 GM「ちょっと我慢しててね。窮屈な身体かもしれないけれど。」 佑苑誰のなんだろう?? GMそうすると、エレベーターで下りるような感覚がするよ。で、しばらくして。「いい加減に目を覚ませ。」 佑苑「あなたが魔術師ですか。」 GM/魔術師「あぁ。」
魔術師編初登場の佑苑くんのために、魔術師の説明をしている。
……けど、カットね♪
佑苑「この度は助けていただきありがとうございます。」 GM「仕方なく、だな。」 佑苑「私が不甲斐ないばかりに……」 GM「まさにその通りだ。」 佑苑(苦笑)しょぉーーがないんだよぉーー! ダイスに言ってくれよ、ダイスにぃっ!!(ため息)……「紀家くんはどうしてます?」 GM「あれはちょっとうるさいから、影浦に相手をさせている。」 佑苑「かげうら……?」 GM「私の執事役だ。」 佑苑「そりゃまた大変ですね、その影浦さんという方も。」 GM「まったくだ。だが、お前も人のことは言えん。あまり、紫典美咲を刺激するな。」
美咲自身に暗示を安定させる能力があるため、周囲の人間も美咲に同調しやすいと、魔術師は言う。
佑苑「それならそうと言って下されば……」 GM「後をつけておいてとぼけるのは礼儀に反すると思うが。」 佑苑「確実に消えると踏んだから、どこで消えるかと思ったんですけどね。」 GM「それで脅したという訳か。悪辣な手を使う。」 佑苑(苦笑) GM「本当にやめておいた方がいい。暗示が消える。」 佑苑「消えるとどうなるんです?」 GM「消えれば、紫典美咲は周りから疎外されるだろう。」
分かるのも時間の問題だろうという佑苑に、魔術師は美咲の周囲にはごく自然に暗示がかかるようになっているため、問題ないと言う。
佑苑「今、学校にいる彼女を姉に会わせてもですか。」 GM「……接触しないように言ってある。できるだけ、な。」 佑苑「何か悪影響でも?」 GM「希望は持たせない方がいいからだ。(ため息)……死というものは、"世界律"とは大きく異なる根本的なものだ。」 佑苑「結局は覆せないのですか。」 GM「"世界律"が過去に戻れば……。」と謎めいた言葉を(笑)。 佑苑まったく、謎めいてますよ。
GMは、ここで「世界律って何??」と質問して欲しかったようだが……。
佑苑まぁ、いい。
と、あえなく、却下されてしまった(笑)。
佑苑「“典薬頭”は、何をしようとしている?」 GM「“典薬頭”――これは"裏生徒会"の呼び名であり、彼女自身は"花散里"と名乗っているようだが――あれのすることは、紫典美咲の命を長らえること、もっと言うなら、病そのものを治すこと。それが目的だ。」 佑苑「……わかりました。」 GM「"花散里"には、気を付けた方がいい。まぁ、身をもって知っただろう。」 佑苑「そのようですね。近づくと……」 GM「接近しなければ大丈夫だ。」 佑苑「しかし、彼女も転移能力を持っている。なかなか防ぐのは困難ですよ。」 GM「まぁな。これを持って行け。」
と言って、君にちょっとした水晶球を渡してくるよ。
佑苑「これは??」 GM「これは私の22の魔宝の一つ<太陽(サン)>。それは、強力な護符代わりになる。"花散里"からお前達を守ってくれるはずだ。」 佑苑「これで、近づいてもいいってことですか。」 GM「不用意には近づくな、<魔宝>にも限界というものがある。彼女がいきなり不意打ちを仕掛けてきても対応ができるはずだ。」 佑苑「分かりました。」 GM「あとは、お前達次第だな。どういう決着を付けるか楽しみだ。」 佑苑「さて、と……。」 GM「納得したか、ある程度は。紀家霞はどうやらまだここに残って行くらしいから、お前だけでも先に帰れ。」 佑苑(笑いながら)「そうすることにしましょう。」 GM「お前達の手並み見せてもらうぞ。」
って魔術師が言うと、また浮遊感を感じるよ。
月子のいる精神世界に戻り、自分の身体へと帰ることになった。
GM/月子「また遊びに来てね。」 佑苑「ここ(精神世界)までくるんですか?」 GM「ううん。魔術師の館に来てくれればいいよ。あたし、遊び相手いなくて淋しいんだ。……じゃ、またね〜。」
で、しばらく意識を失っていて下さい。
←prev 目次に戻る next→

© 1997 Member of Taisyado.