相談の結果、PCたちは女子寮A棟に向かうことにした。女性陣がゆり子の部屋を訪ね、外に連れ出す作戦だ。
有子ぴんぽーん。
GMがちゃ。
「あ、有ちゃん。ゆかり先輩に、倉橋先輩……?」
有子「こんにちは……。あの、どうしても今、聞きたいことがあって……。」
GM「……いいよ。入って。」でも、有ちゃんだけ。
有子「今日ね、料理部の部室で、冷蔵庫からリンゴがなくなってたんだけど、そのこと知ってる?」
GM「……知らない、けど……」
紀家[思考感知]しないの?
有子あ、すいません。[思考感知]いいですか?(ころころ)マイナス1でした。
GM(ころころ)抵抗されてる。
有子そう……。「あ、今日、学校でハムスターの大群が暴れ回ったんだけど、そのことは?」
GM「うん。帰って、友達に聞いたから…。」
有子「でも、あんなにたくさんのハムスター。どこに隠れてたんだろうね。」
GM「……」
有子[思考感知]を続けてするときは判定にマイナス1だっけ? (ころころ)マイナス4!
GMう、失敗。では「なんで出て来ちゃったんだろう。ちゃんと鍵は掛けておいたのに。どうしたんだろう、あの三匹……」という思念が。
べるなはっ。
宗祇あっ。最初に出てきたのが三匹だった!
べるな校舎に向かった群が三つに分かれていたのは、あの三匹が率いてたから……。
紀家長老だったんだ、きっと(笑)。あの中で三つの派閥に分かれて。
べるなアダムスキー型、葉巻型……。
紀家違う!(笑)
有子「生徒会の他の先輩方も、あの事件のこと……。」
GM「生徒会? 生徒会の人たちが動いてるの?」
有子「うん。ちょっと大変なことになっちゃったから……。」
GM「あのハムスターたち、どうなるの?」
有子「まあ、ちゃんと飼い主がいるなら、処分したりはしないだろうけど、野良ハムスターだったりしたら、可哀想だけど……。」
GMそれを聞くと「ダメ……処分なんて、ダメぇっ!」
だっ! と外に走り出す。
べるな部屋の外にいたから、腕をつかみたい。(ころころ)
ファンブル!(笑)
ゆかり前に出て、[柔道]で捕まえる! (ころころ)成功!
GM捕まった!「離してぇっ!」(ころころ)マイナス1で知力判定を。
ゆかりえ? (ころころ)
佑苑ほとんどクリティカル。
GMむむ。では「あ、離さなきゃいけないのかな?」って一瞬だけ思った。
紀家テレパシー!?
龍之介これで従わせてたのか。
GM彼女はジタバタしてるよ。「離して!」
三人はゆり子を押さえつけて、皆の待つ寮の外に連れ出した。
GMもうゆり子さんは抵抗してない。
紀家(ゆり子に)「こんなものが貼り出されてたんだが」と号外を見せる。
GMはじめはキョトンとしてたけど、明らかに顔色が変わる。
宗祇「この記事はデタラメだが、森崎直子が何かに襲われたことは確かだ。あのコンテナ地域で。」
有子「ゆりちゃんが知ってること、話してほしいの。」
GM「あの子たち、殺さない?」
佑苑「返答次第だな(←鬼!)」
紀家「僕たちがほしいのは真実だけだ。ハムスターを殺すことが目的じゃない。」
GM「……あの子たちは、私が育てたんです……。私の家、ペットショップをやってて、特にハムスターに力を入れていたんです。でも、ちょっと前につぶれてしまって、他の動物たちは、色んなお店に引き取ってもらったんですけど、ハムスターだけは余ってしまって……。でも、絶対に処分したくなくって! 入学と同時にハムスターをコンテナに……。」
紀家「これまでの食料とか、どうしてたの?」
GM「食費とか削って、今までは何とか…でも足りなくなって、あの子たちお腹減らしてて……。あの時、私がドアを開けた時、森崎さんが通路の向こうにいて、あの人、パンを持ってたから……。私、ダメって言ったのに!」
龍之介「鍵はどうしたの?」
GM「……あの人が持ってきてくれて……。」
龍之介「坂本?」
GM「(ビクッ)……どうして、あんなことできるんでしょう……。確かに、頻繁にコンテナにエサをやりに行ったら怪しまれるけど、だからって盗むなんて……。」
紀家「でも、君は止めなかったわけだ。ハムスターが好きだから。そして、リンゴまで盗んだ。」
GM「でも! そうしないと、私がいないと、あの子たち死んじゃうし!」
宗祇「だが、あんなに増やすことはなかった。」
GM「増えちゃったの! 分かってたつもりだったけど、あんなに早く増えるなんて……。」
紀家「避妊手術させるとか手はあるだろう。それをしなかったから、学校中に散らばって……。もう、殺すしかないかも。」
GM「やめて! あの三匹なら、私の言うこと聞いてくれる!“アルジャーノン”と“ジェリー”と、“ロッキー”なら、みんなを集めてくれるから!」
佑苑三匹のためにあのコンテナを?
宗祇いや、もう少しいただろう。10匹くらい……。
GM「最初はほんの……三十匹くらいだったのに……。」
一同おいおいおいおいっ!
有子ゆりちゃんに聞くけど「アルジャーノンって、どんなネズミなの?」
GM「アルジャーノンは群を束ねてくれてるの。ものすごく頭が良くて、三匹の中でもリーダーで。」
有子「もしかしたら、図書館で見せてくれたハムスターは……。」
GM「前にコンテナに行った時ついて来ちゃったみたいで。今までアルジャーノンが束ねてくれてたのに……あの子、このごろあまり言うこと聞いてくれなくて。」
紀家さっきと矛盾してるね。
佑苑ま、その辺は聞き流しましょう。
紀家聞き流せないんだよ。
GM「あの子たち、この頃『出たい』ってそればっかり……。」
宗祇最初に言ってたな。“一日三十分くらいは外に出してあげよう”って。
有子あれだけの数がコンテナに押し込められてたら……。
べるな「あとの2匹も言うこと聞いてくれないの?」
GM「ジェリーとロッキーは言うこと聞いてくれるんだけど……。」
宗祇ま、こうしていても仕方ない、動くとしよう。
PCたちは、校内に潜んでいるハムスターたちをゆり子に呼び出してもらうために、彼女を放送室へ連れていくことにした。
また、宗祇は勇太を呼び出しに男子寮へ、龍之介は購買で、辛うじて無事だったあんパンを一つ購入した。
(←襲われた時に囮に使うらしい)
嫌がる勇太を宗祇が引きずり出したその頃、放送室では。
紀家「さ、どうぞ。校内放送の電源は入れたから。」
GM『アルジャーノン、ジェリー、ロッキー、お願い。外に出て。』
その時だった。
校内がにわかに騒がしくなり、二つのハムスターの群が飛び出してきたのだ。群はグラウンドの中央に集結する。
有子何隊と、何隊?
GMジェリー隊と、ロッキー隊。
佑苑肝心なのがいない。
GM/ゆり子「アルジャーノンは、高等部用体育館です!」
そこに、宗祇が勇太を連れて合流した。
紀家「君、この事件にどう絡んでたの? もう話してもいいよね。」
GMま、いいでしょ。話してくれたところによると、彼はコンテナの鍵を盗み出しただけでなく、エサの調達とか、何かとゆり子に協力してたんだ。で、エサを渡す度にゆり子さんにアプローチをかけてたんだけど……。
紀家/勇太「好きなんだ。」
紀家/ゆり子「え? ハムスターを?(笑)」
べるな/ゆり子「ありがとう。私も大好き!(笑)」
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