照明を下げ、吊り下げられている二人をおろそうとする。
GMそうすると、こちらのカメラでも揺らぐよ。で、揺れがどんどん激しくなって消えちゃう。 ゆかりじゃ、上に行って確かめてみる。 GM血は確実に本物。
戻ってきたゆかりは、血が本物であることを告げる。
香具坂の身体を調べるが、血まみれなものの外傷はなく、何が致命傷なのか分からない。
GM舞台上に歌姫が現れたのがカメラで見えます。 龍之介優希と芹と楓はどうした? ゆかりみんな着いてきてるよ。 GMじゃ、みんな硬直してます。 愛美じーっと、歌姫の顔を見てみるけど。
凝視するまでもなく、歌姫は楓にますます似てきている。
鬼堂歌姫が現れたと同時に舞台に走る。 GM相変わらず客席に向かって歌っています。演劇部員は思考が停止してるんで、似てるって言われても反応できない。 有子う〜ん。 GM 「きゃっ。」って芹ちゃんが。
「あぁっ……消える!」と優希くんが。
そして、香具坂くんが消えました。
有子死体が消えるって言う感じか……。 愛美舞台を映すカメラを見ます。 GMしばらくは反応がない。彼女が歌を歌い終わると、今までより遅い間隔で手を打つ音がすると"紅男爵"が客席に姿を現しています。
「素晴らしい、実に素晴らしい歌だ。そうは思いませんか? お客様方。」
もう、カメラに向かって言ってるようなものだね。
愛美マイクを使って「何が素晴らしいの?」 GM/紅男爵「彼女の歌声が、ですよ。しかし、残念ながら彼女は歌を忘れてしまった。」 愛美「歌ってるじゃないの。」 GM/紅男爵「あれは、所詮私の作った幻影……やはり、歌は本物でなくてはいけません……もちろん歌姫も。みなさん、これより第4幕を始めたいと思いますが歌姫の歌を聴きたいですか?」 愛美「私は遠慮しておくわ。」 GM/紅男爵「彼女の言葉が総意ですか。ステージのあなた、いかがでしょう? 彼女の歌を永久に聴いてみたくはありませんか?」 鬼堂こういう物は一時の夢を見られるからこそ、素晴らしい物だ。絶えず聞いていれば、いつかは飽きる。人は一時の感動を求めてここへ集まるのだ。 GM熱血してますね。 愛美すっごぉーい GM/紅男爵「やはり、まだまだお分かりにならないようですね。仕方ありません。歌姫を形作るには今だ恐怖が足りません。第4幕、始めましょうか……小さな死。」
で、また彼は消えます。
愛美「楓さん、歌ってたの?」と天草くんに聞く。 GM知力判定して。 龍之介思い出せっ!!(ころころ)−2成功。 GMうん。確かに、中等部の方では歌っていたと自己紹介の時に言っていた。 龍之介「楓ちゃん。」 GM「はい。」 龍之介「昔、歌やってたよね。」 GM「はい。」 龍之介「何でやめたのかな?」 GM「私、あまり、自信がなくて……だから……」 龍之介熱烈なファンがいたとか、そういうのは……? GMもう一回チェックしてくれれば。 龍之介てぃっ!(ころころ)プラマイ0。 GMちょっと分からないね……でも、部員で確かそんなこと言ってた人がいたような……。 龍之介特に楓ちゃんにちょっかいかけてた? GMっていうか、君とは違った意味で親切に…… 一同(爆笑) GM知ってる人には違いないんだけど気に留めてなかった。 龍之介所詮男の顔なんか覚えるに値しないもんな。 一同(笑) 龍之介「楓ちゃん、君は歌も演技も自信持てばもっと上手くなるんだよ。昔誰かにそんなこと言われなかったっけ? ほら……部員で、あの男……誰だったっけなぁ……」 GM「でも、それって」って言って目を伏せる。 龍之介「それって?」 GM「香具坂くんなんですけど……。」 龍之介(悔しそうに)ちっ……守里か。 一同(爆笑)
同じ合唱部に所属していたが、楓が演劇部に入部した後、香具坂も裏方で入ってきたと楓が話す。
龍之介「守里、他に何か言ってなかった?」 GM「たまに『歌を聞かせてくれませんか』って、でも……香具坂くんは……。」と言ってるとですね。
「もう、嫌っ! 芹、こんなの耐えられないっ! こんなの正気の沙汰じゃないわっ!」って言って外へ飛び出していきます。
愛美追っていきます。
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