GMじゃ場面変わって。どうするの、話している三人は? 愛美今まであったことを全部話しました。 有子じゃ、私も魔術師にもらったビー玉を出して。 GM黒い玉。真っ黒い玉。一見宝石にも見えるけど……闇そのものを固めたみたいな。 愛美「これが何なの?」 有子「これを大事に持ってて門のところでかざせ!……っていうのか、使えというのか…… 龍之介「え? あれ? 持っておけって言わなかった?」 有子「え? あれ?」(笑) 龍之介「探知機みたいなものだから……。」 有子あ! え……ごめんなさ〜〜い。 愛美わからないぃ〜〜!(龍之介に向かって)ごめん。もう一度きちんと教えて。 有子ごめんなさ〜〜い。私が間違ってます。 GMもー、この人、無敵。 有子はい!? GMいや、何でも。
魔術師の館で起こったことが龍之介の口から語られ、このビー玉は魔術師が来るための目印であることが、愛美にやっと伝わった。
龍之介「どちらにせよ、向こう(の空間)に持っていかなきゃならない代物なんだ。」 有子「で、(向こうの世界にいける)門は、絶対ステージの上が怪しいと思うんですけど……。」 愛美「ステージの地下は調べたの?」 有子「それは……まだ。」 愛美「じゃ、ステージの地下と、ステージ、今いるところと反対の楽屋、を調べましょう。」 GMじゃ、音響などを操る部屋に行くんですね。 有子&龍之介&愛美うん。 GMってところで、ゆかりさん。 ゆかり何もない? GMいや、各地に配置されたカメラが作動してるんだけど、その一つに……場所は、楽屋の前あたりかな。紅男爵が殿山を引きずりながら歩いているのが映るよ。
何かを引きずる音に気づいた鬼堂が、楽屋前に向かう。それをカメラで見たゆかりは、階段を使うより早いと判断し、せり上がりを使って舞台に出る。
GM出ると、そこには演劇部員がいますよ。
「ど、どうしたんだ? と、殿山は?」
ゆかり「殿山くんが"紅男爵"に。」まで言って脇を通り抜けていく。 GMじゃ、彼らも追っているみたい。鬼堂くんが追っかけてると、今、扉が閉まったところだね。
「鬼堂くん。」

ゆかりが声を掛けた、その時。

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

ビシャッ!

扉にはめてある刷りガラスが紅に染まる。
急いで扉を開けた鬼堂の目に飛び込んだのは一面の血の海だった。
鬼堂血だけ? GMそう。血だけがあります。 ゆかり引きずられた跡みたいなのは? GMあります。客席へと続く扉の方にあります。扉も少しだけ揺れてるし。で、後ろの方で女性陣が倒れる音が。 ゆかり気絶したか! 鬼堂静かになっていい。 GMとりあえず、恐怖判定どうぞ。
二人とも成功し、"紅男爵"を追いかける。
GM扉を開けると通路にずるずるぅ〜と血の跡が。少しずつかすれていくけど。で、跡がなくなります。 鬼堂そこで忽然と消えているのか!? GMステージのところで消えてます。(にこにこ)で、スポットライトが当たると、逆さ吊りになっている彼がいる。 有子&龍之介&愛美うわぁぁっ! ゆかり早すぎるっ! GM彼の場合、血はあんまり出ていないけど真っ赤。その吊り下げられてる二人の下に血の池が広がってるんですけど、その血に例の白い歌姫が触れています。しゃがみ込んで、手を入れています……でも、その手は全然汚れていませんけど。 ゆかりやっぱり。 GM呟くように歌っています。さぁ! 恐怖判定だ!
二人とも失敗し新たな癖を植え付けられることとなった。
鬼堂は赤が嫌い、ゆかりは幽霊を人より怖がるようになった。
ゆかり歌姫に[霊気感知]やります。 GM成功ですね……わかるんだけど、全く何も感じられなかった彼女から、生命的なものを感じるよ。 ゆかりどんな感じがするの? GMひどく死の臭いと恐怖をまとわりつかせている。
するとですね。パン、パン、パン、パン、パン。という音と「実に素晴らしい。」という声がする。
ゆかり「何が素晴らしいのよ。」 GM「歌姫の歌だよ。実に素晴らしい。」 ゆかり「こんな時に歌だなんて言ってる場合じゃないでしょ。」 GM「こんな時だからこそ、さ。彼女の歌を世間にもっと知らしめなければならない。彼女は女優ではなく歌姫となるべきだ。」と夢見る口調で呟く。 鬼堂木刀突きつけて、
「貴様の都合など知ったことではない。俺たちをどうするつもりだ。返答次第によっては!」
GM「戦うとでもいうのですか?」 鬼堂「ただではすまんぞ。」 GM余裕の笑みを浮かべながら、
「どうです? 歌姫の歌を聴きたくはないですか。」
ゆかり「今は聴いてる場合じゃないって言ってるのよ。」 GMそうすると、大げさにため息をついて「やはり第3幕が必要のようですね。……では始めましょう。第3幕、あるものの想い。」
で、ふっと、"紅男爵"の姿は消えて、放送も切れました。
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