トイレの鏡でも映っているのはお互いの顔だった。
龍之介清掃道具入れから箒持ってきて、顔の中心めがけてバッリーン! GMひび、入るよ。何度かやりゃ壊れるんじゃない? 愛美鬼堂くん側は? GM鬼堂くん側は、何にも。 鬼堂っていうことは、つついてるだけにしか見えない? GMそうだね。 鬼堂「何をやっている。」 龍之介「壊したら道が開けるんじゃないかと思って……」 鬼堂「壊すというならそこをどけ。」 龍之介(鏡をつつきながら)
「いや、俺が壊すよ。お前に手を掛けさせるわけ……」
鬼堂「うぅりゃあ〜!」 GMそっりゃあもう、パリンっってくだけるだろうね。 鬼堂でもって、破片を拾って「いるか?」 一同(笑)
場面は楽屋の演劇部員とゆかり・愛美。
GM/芹「もういや、芹、こんなの耐えられない」
って言って、君たちから逃げようとするよ。
愛美捕まえる。 GM「どうなってるの!? こんなの!?」 愛美「分かるわけないじゃない……? でも、どこへ行っても逃げられないのよ。」 GM「そんなぁ……」
――そうだ。確かに君たちは逃げられない。

"紅男爵"の声にざわめく演劇部員たちを見つめ、有子は一人茫然としていた。

“有ちゃんには聞こえないのよね……”

ゆかりは鏡の向こう側でおろおろする有子を見つめた。

――第一幕、ある女優の死はいかがだったろうか。

こちら側には、よく通るテノールの声が響き渡っている。

――どうだろう。歌姫の歌を聴きたくはないだろうか。

「歌姫の歌? さっき聴いたわ。」

――もっと聴きたくはないか。

「歌姫の歌がどうだっていうの?」

ゆかりの声に答えはなかった。

――お客様方は、今だ満足なされてないようですね。
  それでは、第2幕。ある職人の愚行。

それだけ言うと、放送は途切れた。

愛美が今、起こったことを有子に書いて伝える。
書いて見せながら、ゆかりと話し、戻ってくる鬼堂とともに部員を連れ、宮沢が吊り下げられている舞台を見せることにする。
ふと思い立った愛美が手鏡をのぞき込むと……。
GMその瞬間、彼女の姿は消えて、手に持っていたはずの鏡がぽとりと落ちます……運良く壊れてはいないみたいだね。 ゆかりあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー。いなくなったぁぁぁぁぁっ!! GM「お、お、おいっ。消えたぞっ!」とか言ってる。
(有子を指して)君の目の前に現れる。そうですね。突然だったから尻餅くらいついてもらおうか。
ゆかりつまり、向こう側に(愛美が)見えるんだ。 有子「ま、ま、愛美先輩!?」 愛美「あ。有ちゃん!?」 有子ダーッて行って、触りに行って。
「触れるぅーーーーーー」
(べたべた触ってる真似をする。)
愛美………………。じゃ、もみくちゃにされてる。 ゆかり向こうは何やってるのかしら……(苦笑)(←聞こえないから言ってる) GM龍之介が戻ってくると、一人増えてる。鬼堂くんが帰ってくると、一人消えてて、鏡の向こうにいる。 龍之介「どうやってきたの?」 愛美「合わせ鏡を覗いたらこれたんだけど……」 龍之介「じゃ、合わせ鏡したら戻れるのかな?」 ゆかり「合わせ鏡してみたら?」 愛美と、言うわけで同じようにやってみるけど? GM別に何も起きないね。 有子「一方通行みたいです。」 GMどうも行きと帰りは道が違うらしいね。
ゆかりと鬼堂が部員を連れて、舞台へ向かっている間に愛美はこれまでに起きたことを龍之介と有子に説明することとなった。
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