3.
GMまずは先に着いた天草くんから。気がつくと……
龍之介♪なぁ〜にが、あるんだろうぅ〜。(←歌ってる〜)
GM薄暗くて、辺りはよく分からないけれど、とりあえず、木の床に寝転がってる。
龍之介どうしようかな……あぐらかいて考えてる。やることないから。
GMしばらくすると、すーっと有ちゃんが立って、ふわぁ〜っと現れて、ガクッって膝をついて、バタッって倒れる。気を失ってるみたいだね。
龍之介「有ちゃん、有ちゃん。しっかりして。」
有子「んーっ、んーっ。」
龍之介「(笑)目覚めないなら、俺の熱いキスで。」
有子寸前で目が覚める。
龍之介はうーっ!!
有子「あ、せ、先輩!? ……ここは、どこですか?」
龍之介「あ、う、うん。……。」
一瞬、間がある。(苦笑)
龍之介(気を取り直して)「君も……あの歌声を聞いたの?」
有子「綺麗な声だなって思ったらどんどん消えちゃったんですぅ〜」
龍之介「そっか……ここがどこだか見当がつかないんだ、俺も。」
このままここに座ってるわけにもいかないので、とりあえず、まっすぐ進むことに。
有子「ふぃぃぃぃぃ〜っ、つかまっていいですか〜(泣)」
龍之介「あ、もう、どんどん。」(嬉)
有子ガシッ。
龍之介「抱きついてもいいよ!(笑)」
GM(ため息)
――あれれ?
有子が何気なく上を見上げるとそこには星が瞬いていた。
慌てて下を向く。
そこには、木の床がある。
「あ、天草先輩?」
「有ちゃん?」
期せずして、声が重なった。
「……星が俺たちを祝福してくれてるんだよ。」
有子は二の句が継げなかった。
――ギリギリで、助かったな。
「こ、この声は……。<魔術師>?」
GM/魔術師
「その通り。」って言うと、霧の正面にぼんやりと古ぼけた洋館が見え始めるよ。
「私の館だ。入るといい。」
龍之介「信用できるの?」
有子「敵っていうわけじゃないけど、味方ってわけでもない、何だかよく分からない人なんですけど……。」
GM/魔術師「……このまま次元の狭間に漂っていても良かったのだぞ。」
おそるおそる2人は魔術師の館に入ることにした。
獅子のノッカーを叩くことなく、木製のドアは内側から開けられた。
――執事か……にしても、日本人離れした彫りの深さだな。
びくんっ。
隣で有子が身体を強ばらせている。
――俺、悪い事したかもな……。
今さらながら、オペラハウスに誘ったことが少し悔やまれる。
あくまでも、少しでしかないが。
「私、坊ちゃま……いえ、魔術師様の執事をしております、影浦と申します。どうぞ、こちらへ。」
彼は、まっすぐ進んでいった。
――せ、先輩……。
眉間に寄せたしわが、龍之介の心をくすぐった。
パッ。
だが、彼は何も言わずに有子の手を取り影浦の後を着いていった。
ほんの少しの罪の意識が何も言わせなかったのかもしれない。
「坊ちゃま、入ります。」
ガチャッ。
そこには、有子が以前"ノア"で見た通りの風景が広がっていた。
「ようこそ。」
GM洋風の背もたれの椅子に座るシルクハットとステッキを持った<魔術師>が見えます。ま、本人は後頭部だけしか……あの時と同じように今は後ろの窓の方を向いてるからね。影浦さんは、君たちを通すと後ろにとどまっているよ。で、<魔術師>は振り向かずに、「はじめて会う人もいるようだな。」
龍之介「ま、自己紹介しとくよ。俺は、清美委員の天草。」
GM/魔術師「龍之介、だな。」
龍之介「その通りだよ。」
GM/魔術師「生徒会の清美委員長。名うてのプレイボーイ。」
龍之介くっ。
GM/魔術師「…何か聞きたいことはあるかね?」
龍之介「オペラハウスに出てきた女性と、真紅の男について聞きたいんだけど。」
GM/魔術師「あれは"紅男爵"。"裏生徒会"が送り込んできた新たな怪人だ。」
有子「また、"裏生徒会"ですか……。」
GM/魔術師「改めて、自己紹介をしておこう。」
椅子を回転させて顔を向けます。いつの間にか、手にしていたシルクハットを目深にかぶり、燕尾服にステッキを軽くもてあそびながら
「私の名は、<魔術師>。呼ぶときはそれで十分だ。」
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