2.
鬼堂が18:30に集合場所に来た。
その後、10分前くらいに、演劇部の部員たちが集まる。
GM/守里「はい。」 龍之介「守里? 俺、俺。」 GM/守里「あぁ、天草先輩。」 龍之介「生徒会の奴らに話したら、みんな行きたいとか言っちゃってさ。いや、ごめ〜ん。」 GM/守里「もう、一人来てますよ。」 龍之介「あ、そうなの? あと、……3人来るはず。」 GM/守里「3人もですか?」 龍之介「うん。それじゃあ。」 GM/守里「ちょっと、先輩!!」 龍之介ツー。ツー。ツー。ツー。ツー。 GM/守里「今、天草先輩から連絡がありましたよ。」 鬼堂「何て言ってたんだ?」 GM/守里「あと3人来るからよろしくって言って、切っちゃって……いつもなんですよ。いい加減で。」 鬼堂「奴らしいな。」 龍之介いい加減って言うな! らしいって言うな!
というところで、ゆかり・有子・愛美が到着。
ゆかり「みんな揃ってるみたいね……って、言い出した本人がいないみたいだけど。」 鬼堂奴のことなど放っておけ!! GMさらに10分後…… 龍之介いっやあ、参ったよ。うちの猫が産気づいて…… 一同(笑)
ここで、嬉しそうにオペラハウスの説明を始めるGM。
オペラハウスは、なんと八角形!
(GM:勝手に作ってごめんなさい、いでこ♪さん)
GM中は薄暗いですよ。 有子じゃ……もう愛美先輩につかまってます。ガシッ 愛美「うっ。どうしたの、有ちゃん? 有ちゃんよね?」 有子「つかまってて、いいですか?」 龍之介逆の方から手が……。 愛美(凄みのある声で)「誰。」 龍之介「うわっ、こわぁーっ。」 一同(笑) GM「とりあえず、懐中電灯だったらありますけど」と守里くんが。と言っても一本だけだけど。 GM/芹「芹、みんな持ってくると思ってぇ〜、持ってこなかったぁ〜」 龍之介「全体の照明をつけた方がいいんじゃねぇか?」
全員で照明や音響の装置がある部屋に行き、照明をつけた。
すぐに灯りはついたので、歌姫がでるまで楽屋で腹ごしらえをして待つ。
―― こ、この歌声はっ!?

龍之介は走り出した。
声に気づいた愛美も、追いかけるように舞台へと走り出す。
駆けつけると、ぼんやりとした姿の女性が歌を紡いでいる。
愛美が見ても美しい、腰に届くほど長い髪。
だが、彼女は愛美が見とれているのにも構わず、歌い続けている。
ただ、哀しげに。

パン、パン、パン。

乾いた拍手が、その哀しい空気を切り裂いた。

「誰だ! お前は!」

真っ赤な仮面、真っ赤なマント、……。
愛美の心の中で、何かが光った。

―― "黒仮面"に、似てる……。

「私は"紅男爵"。……お前たち、この歌姫の歌を聞きたいとは思わないかね?」

――こいつも"黒仮面"同様に、何かに固執しているなら……。

「幻影ではなく本物の彼女が歌うなら聴いてみたいが。」
「あっ、天草くんっ!!」
「え!? まな、み、ちゃ、ん……」

その言葉とともに、龍之介は空気に融けてしまった。

「あなたは、歌姫の歌を聴きたくはないか?」
「遠慮しておくわ。」
「あなただけでなく、楽屋にいる他のお客様方にも楽しんでいただかねば。」

――まずいっ!?

真っ赤な怪人は姿を消素と同時に館内の電気が消えた。
……楽屋までの道は、来るときよりも遠かった。
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