「目が真っ赤だけど、どうしたんだ?」
「目に、ゴミが入ったのをこすったからかなぁ〜」
って、誤魔化そうとしたんだって。そしたら...
「お前の目に入るゴミは大きいなぁ...わしも我慢しとるから、お前も頑張れ。」
「雨降ってるけど、てるよ♪」
この「てるよ」っていうのは、「愛してるよ」なんだって。
子供達の前で「愛してるよ」って言ってると、「まったくもう!」と言われてしまうから“てるよ”しか言わないんだって。
お婆ちゃんは、「愛」っていう言葉が一番好きなんだって。私の名前を良い名前だって誉めてくれたんだ。
そして、最後に――。
「私は今日、とっても嬉しかった。良い、あいちゃんに出逢えたから。」
って、仰って下さいました。
お婆ちゃん、すごく嬉しかったよ。
くしゃくしゃに泣けてしまうほど...
「私が、今日あいちゃんに出逢えたことで、何かあいちゃんの心に感じるものがあれば、私はそれで嬉しい。」
といって微笑んで下さった後、
「いい? 『人生、山あり谷あり』だよ。忘れちゃ駄目だよ...」
何度も諭すように私に告げて、お婆ちゃんは列車を降りて行かれました。