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〜おばあちゃんのノロケ話〜

ノロケ話 その1

  お婆ちゃんが、お義母さんに色々言われて、お手洗いで泣いてて。
  でも、出てくるときには笑顔で出てきたんだって。
  それをお爺ちゃんに見られて、

  「目が真っ赤だけど、どうしたんだ?」
  「目に、ゴミが入ったのをこすったからかなぁ〜」

  って、誤魔化そうとしたんだって。そしたら...

  「お前の目に入るゴミは大きいなぁ...わしも我慢しとるから、お前も頑張れ。」

 

ノロケ話 その2

  毎日“てるよ”って、言ってたんだよ。

  「雨降ってるけど、てるよ♪」

  この「てるよ」っていうのは、「愛してるよ」なんだって。

  子供達の前で「愛してるよ」って言ってると、「まったくもう!」と言われてしまうから“てるよ”しか言わないんだって。


  お婆ちゃんは、「愛」っていう言葉が一番好きなんだって。私の名前を良い名前だって誉めてくれたんだ。

  そして、最後に――。

  「私は今日、とっても嬉しかった。良い、あいちゃんに出逢えたから。」

  って、仰って下さいました。

  お婆ちゃん、すごく嬉しかったよ。
  くしゃくしゃに泣けてしまうほど...


  「私が、今日あいちゃんに出逢えたことで、何かあいちゃんの心に感じるものがあれば、私はそれで嬉しい。」

  といって微笑んで下さった後、

  「いい? 『人生、山あり谷あり』だよ。忘れちゃ駄目だよ...」

  何度も諭すように私に告げて、お婆ちゃんは列車を降りて行かれました。