キャラクター紹介 都筑委員長

ここはどこ……?

いったい何が……

全身に激痛が走る。意識がハッキリしてくる。

私はどこにいるのだろう? 何をしていたのだろう?

あたりは煙に包まれていた。オイルの燃えるような異臭にむせ返った。
誰も見当たらなかった。パチパチと燃える音が聞こえてくるだけ。

お父さん……お母さん……

確か、先ほどまでそばにいたはずなのに……。

……? 何かが聞こえた、誰かいる!

…えちゃん、ゆかりおねえちゃん……

聞きなれた声だった。しかし、いつもと違うか細い声。
私は体を引きずるようにして、その小さな声を探した。
弟は、ぐったりと横たわっていた。声をかけてみるが、こちらに気が付いた様子もない。ただ、力なくつぶやくだけだ。

……ゆかりおねえちゃん……

弟を助けなくては……。

しかし、体は思うように動かなかった。私は弟の名を呼び、声を掛け続けた。知らず知らずのうちに涙がこぼれてくる。泣きながら弟の名を呼ぶ。それだけだった。それ以外に何も出来ない自分が酷く悔しかった……。

……ここは……病院? ……眠っちゃったのね、私。
まだ、立ち直れないのかな。あれから3年経つのね……。

あの事故で生き残っているの、あなたと私の二人だけ。たくさんの人が死んじゃったんだよ。

あの時、私たちが生きているのは奇跡だって、みんな言ってた。でも、ホントに奇跡が起こったんだよね、きっと。だから、私たちはこうして生きている。そして、多分あの時この不思議なチカラに目覚めはじめた。実は、よく覚えてないんだけどね、ふふふ……。

もう面会時間は終わりみたい。
じゃあね、おねえちゃんまた明日来るからね。

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