キャラクター紹介 鬼堂委員長

君島ぁっ! 何をダラダラと走っている!
そんなことで、次の試合に出られると思っているのか!
気合が足りんのだ気合がぁっ!(びしいっ!
何が「痛い」だ。泣き言を言ってる暇があったら、さっさと走れ!
それでも日本男児かあっ!(ばしいぃっ!

(三十分後)……よぉし、走り込みはそのくらいでいい。十分の休憩後、武道場に戻れ!

――――ん? 何だ君は。報道委員?
各委員長の自己紹介を頼む?
……部活の最中なのだがな。
ん? この道着と防具を見れば判るだろう。剣道部だ。
牟田兵次部長を筆頭とする我が剣道部は、強豪として知られている。だが、あんなのんびりとした男に、いつまでも部長職を任せておくつもりはない。いつかあの男を倒し、俺が剣道部の頂点に立ってみせる!

「鬼堂君、僕のこと呼んだぁ〜?」
「ぬおっ!? ぶ、部長! い、いえ、お呼びしておりませんが……(どこからわいた?)」
「そう、じゃあね〜」

ふう……。ん、何を見ている? 今のやり取りは、自己紹介とは関係ない。
発表する必要はないからなっ!
俺は部活中の身だ。三分だけ時間をやろう。

俺の名前は鬼堂信吾。高等部二年で、風紀委員長を務めている。学園の風紀を乱すものを徹底排除するのが、俺の務めだ。

何が「ちゃぱつ」だ!
日本人は黒髪が最も美しく映える民族なのだぞ!
それを自ら脱色し、輝きを捨てるなど、以ての外だ!

なぁにが「ぴあす」だ!
親からもらった大事な体に穴を空け、そのうえ金属を埋め込むなど、正気の沙汰ではない! 恥を知れいっ!

はあっ、はあっ……!

――失礼……。
つい取り乱してしまったな。全く嘆かわしいことだが、ここ蒼明学園では、「ちゃぱつ」や「ぴあす」などが許可されている。
……それをいい事に、どんどん軽薄な輩が増えていくっ!

その筆頭こそ、あの悪名高き清美委員長、天草龍之介だっ!!

天草の奴、「ちゃぱつ」や「ぴあす」はもちろんのこと、あろうことか見境無く婦女子を誘惑しようとする! ふっ、不純異性交友など、不純異性交友などおっ……言語道断んっっ!!

奴こそ、学園の風紀を乱す元凶!
学園の全婦女子の天敵!
そして、われら風紀委員の、最優先排除目標!

くうっ! われわれにもっと強力な権限が与えられていれば、すぐにでも奴を学園から叩き出してやるものをっ!!

ぜえっ、ぜえっ、ぜえっ!

――失礼……。
また取り乱してしまった。とにかく、われわれ風紀委員は、学園の風紀を守るため、日夜努力している。
もし、われわれと志を同じくする者は、いつでもいい。風紀委員会の門を叩いて欲しい。ともに、学園のために戦おうではないか!

む? もう三分過ぎたのか? 早くないか? ……そうか……。

こほん……。それでは、練習の続きがあるので、これで失礼する。

――君島あっ! 何をテニス部の女生徒と話し込んでいるっ!
  休憩時間とはいえ、部活の最中だと言うことを忘れるなあっ!

どがばきべきぐしゃずばざくうっ!

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