稜威「でぇーっ!?」と机の上に腰掛けながら、「たいそうな歓迎、ありがとよ。詳しい内容は何なんだよ!」
愛美の口から、中等部の麻琴会長・高等部の克巳会長をはじめとした執行部、大学部の響会長が所在不明であることが稜威に話される。
GMそうすると「ぷー、ぷー、ぷー、ぷー。」 愛美「ノア、どこ(で何がおきたの)?」 GM強制通信が始まります。 (ノアの画面に)シルエットみたいな感じで……。 愛美また、<魔術師>じゃないの? GM違うわーーー!! 一同(笑) べるなべ、べるなじゃないよ!? 一同(笑) GM「どうやら全員が集まったようだな」 といかにも変声機で変えたような声が。 一同「あやしーーーーーーーーーーーー!!」 龍之介(ため息交じり) 「こういう事をやれるヤツを一人知ってるよ。」 稜威「これもたいそうなお出迎えだな。お前ら……まだやることがあんのかよ。」 ゆかり「これは、私たちじゃないわよ」 愛美(ノアを向いて)「何の用?」
「私からのメッセージは受け取ったか。」
「メッセージだと?」

鬼堂が声を荒げる。右手は木刀をきつく握り締めていた。

「私が書いたあのはがきのことだ。」
「あ、あなたは蒼明学園一トラブルを愛する男さんでぃーっすね。」
「そうだ。」
「会長たちは、無事なんだろうな。」

いつになく低く凄みのある宗祇の声が響いた。

「無事だ。18時までは。」
「なんだと!」
「まぁまぁ、宗祇くん、少し落ち着きたまえ。君の目的は何だい?」
「"蒼明学園一トラブルを愛する男"だからね、トラブルを起こしたいだけさ。」
「じゃあ、響を浚うことねぇーだろーが!?」
「先輩も、少し落ち着いて。」

そう言うと、愛美は再度、モニターを見つめた。

「で、あなたの条件は?」
「学園に爆弾を仕掛けた。18時までに見つけなければ爆発させる。」

沈黙があたりを覆った。

「そんな、そんなこと――。」

有子の声をさえぎり、シルエットは続けた。

「18時を過ぎた場合、彼らの命はない。今、ここにいる生徒会関係者以外の力を借りた場合も爆発だ。」
「なぜ、人を傷つけるの?」

ゆかりの声がわずかに震えていた。

「ふっ。他の物を賭けるより、面白いだろ?」

ばしっ!

龍之介のこぶしが机を打った。

「人の命をゲームみたいに扱うんじゃねーよっ!」
「ふふっ。ゲームオーバーになるかどうかは、君たち次第、ということだ。」

有子が、ゆかりが、モニターをにらんた。
全員の視線が厳しくモニターに突き刺さる。

「では、諸君。健闘を祈る。はっはっはっ。」

通信は、途切れた。
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