3.
一足先に校舎に到着した宗祇と龍之介。しかし二人は混乱に巻き込まれ、離れ離れになってしまった。
GM天草くん。君の目の前を、ハムスターの群が駆け抜けていくよ。 龍之介追う! GM群は、扉が半開きだったある一室に逃げ込んだよ。「音楽準備室」だ。入ってみると、群は必死で棚などに隠れようとしている。 龍之介何でだろ? [感情奪取](ころころ)成功。 GM(ころころ)ダメだ。抵抗できない。では、君の頭に、「隠れる! 隠れる!」という衝動が! 佑苑隠れる!(笑) 龍之介それだけは抵抗させてくれ! (ころころ)よぉし! GMと、そこへ一人の男子生徒が扉を開けて、「……何してるんだ?」 龍之介「へ、え、あ、美術室と間違えて……モデルなんです。」(←彼、シーツ一枚をまとっただけの姿だったのだ。……この格好で校内を走り回ってたのか……。) GM「こちとら、吹奏楽部の練習で忙しいんだ! さっさと出ろ!」ずるずるずる。 紀家隠れるぅ〜(笑) 宗祇そういや、このごろ全然練習していいないな……(←吹奏楽部員) 龍之介とにかく、みんなに連絡を……。 佑苑どうやって? 龍之介あ、通信機なくしてた(笑)
しかし、まもなく宗祇が迎えにきてくれた。二人は、みんなに生徒会本部での合流を促すべく、宗祇の通信機で連絡を飛ばすことに。
紀家(連絡を受けて)じゃ、俺らも行くか。 GMあ、そうそう有ちゃん。 有子本部に向かおうとする君に、料理部の友達が二人、駆け寄ってくるよ。
「有ちゃん、有ちゃん、大丈夫だった? 何だか、ネズミがいっぱい走り回って…。」
有子「ネズミというか、ハムスターなんだけどね。」 GM「あと、もう一つ大変なことがあったの。今日、部でアップルパイ作ることになってたでしょ? でも、今日見てみたら、冷蔵庫の中に入れて置いたリンゴが全部なくなってたの! 二十個くらいはあったのに!」 有子えっ、でも、冷蔵庫の中じゃ、ハムスターは開けられないし……。
(こそこそと物陰で通信)
「何か、料理部の方で事件があったみたいなんで、先にそっちの方に行ってます。」
たたたたたたたた。
料理部の部室に駆けつけた有子。そこで目にした物は、空になった冷蔵庫と、それを取り囲む部員たちだった。
GM「なくなっちゃってるよ〜」と部員たち。話によると、授業後すぐに来て開けてみたところ、すでにリンゴはなくなっていたそうだ。 有子ふ〜ん。…防犯カメラに何か映ってないかな。生徒会本部に行って調べてみます。 GMでは、みんな本部に集まったわけか。 宗祇とりあえず、会長に連絡しておこう。 GMでは、会長は通信で
「困ったことになったね。今のところ、あのハムスターたちはどこかに身を潜めているようだけど……。」
宗祇「いっそのこと、校舎を完全に閉鎖して、消毒し尽くすか……。」 GM……(う〜ん。本当はそれが一番有効なんだろうけど、それだと後はネズミ駆除業者の仕事になっちゃうからなあ。しょーがない。突っぱねるか。ごめんね、宗祇くん。)
「でもそれでは、蒼明祭の準備が滞ってしまうだろう?」
ゆかり「この事件にはとある生徒が絡んでいるのが間違いないと思うんです。」 有子「私の友達に、河合ゆり子さんって子がいて、その子じゃないかと……。」 GM「ふむ。では、引き続きそのあたりのことを調査してみてくれないか。」 佑苑「ハムスターへの対策はどうなるんです? 我らマルハムは。」 GMマルハム?? 紀家ハムスター緊急対策委員会。 龍之介通称マルハム(笑) GM「その辺りは考えておくよ。」通信は切れる。 有子「あっ、料理部の方で事件があったんですけど、冷蔵庫の中のリンゴ二十個くらいが、全部なくなってたんです。」 紀家「丸ごとなかったの? それとも、食い散らかしがあったとか……。」 有子「丸ごとなかったの。ハムスターが部屋に入った様子はなかったから、誰かが持っていっちゃったんだと思う。」
そこで彼らは、防犯カメラの映像を見てみることにした。
"ノア"が、昨夜の料理部部室の映像を再生する。
GM昨日の夜9時頃、変化が現れる。とある人影が、窓を開けて入ってくる。大きなマスクをかけていることと、角度の問題で、顔ははっきり分からないけど、制服を着ているから、高等部の女子って事は分かる。 紀家「……"ノア"。お前、この映像を受信したとき、何も思わなかったわけ?」 GMえ? …………!!!っっ
"ノア"がこの侵入者を見逃すわけがない。
では何故セキュリティシステムは作動しなかったのか?
答えは簡単。GMが忘れていただけなのだ!
実はこのリンゴ騒ぎ、深く考えずに途中で挿入したアドリブであり、セキュリティの事を完全に失念していたのである。
ちくしょー、未熟すぎるぅぅ…。
(今考えてみると、窓の鍵が開いてたってのも、不自然極まりないな…)
ま、プレイヤーのみんなは見逃してくれたけどね。感謝、感激、自己嫌悪…。
GM(とりあえず、誤魔化して)
「で、人影は冷蔵庫からリンゴを取り出し、バッグに詰めて出ていくよ。」
龍之介「"ノア"。映像から身長や髪型が分かるよね。その体型とかに合う人をリストアップしてみて。」 GM「照合中…終了。モニターに写します。」
ずらずら、出てくる20人ほどのデータ。
紀家「その中でハムスターを飼ってて、なおかつ料理部の人は?」 GM…二人だね。 有子その中に河合ゆり子さんは? GMいる。 宗祇…やはり彼女か、そして彼女に、あの報道委員の坂本が協力していた…。要するに、彼女がコンテナでハムスターを飼ってたんだな。 紀家増え過ぎちゃったから、広いコンテナで育ててやろうって? ふざけんじゃねーっての!
当然、疑惑はゆり子に集中した。
PCたちは、直接ゆり子の部屋を訪ねてみることにした。
有子行きましょう(←ちょっと苦い声) GMじゃあ、校外に出るときには、昇降口を通るよね? 昇降口の近くに、人だかりができてる。 有子「何があったんですか〜?」 GM「いやあ、何か、報道委員が号外出してんだよ。」 紀家「ちょっと待って。どういうこと?」 べるな「誰が配っていったの?」 GMいや、掲示板に貼ってあったの。 紀家で、内容は何て? GM『衝撃! 森崎直子を襲った変質者の正体! 高等部一年、坂本勇太の犯行と判明!』 一同は?
掲示板に貼られた新聞の内容は、以下のようなものだった。
*月*日、校舎外にて発見された、高等部一年、森崎直子は、坂本勇太に暴行されかけていたことが判明した。
*日前夜、坂本はコンテナ地区付近で森崎直子と接触。暴行に及ぼうとしたが、抵抗されたために彼女を殴打し、逃走……。
紀家周りの反応は? GM「ふ〜ん、ひでぇ奴もいたもんだなー」てな感じ。坂本を知らない人が多いしね。 有子何を根拠に判明って…? 龍之介坂本が自分で書いたんじゃないの? 紀家だろうな。ま、とにかくこれは剥がす。べりっ!
その後、紀家は校内放送を使って校内に残っている報道委員を集結させた。
すでに午後6時を回っていたが、蒼明祭の準備のために残っていた者が多かったため、半数以上が集まった。だが、勇太の姿はない。
紀家(号外を見せて)
「ここに書いてあることは全部ウソ! 発見し次第破棄して、このうわさが広まらないように努めること! ……あと、プライベートなことで悪いんだけど、坂本が誰かを好き、って話、知ってる?(笑)」
GM「えっと、片想いの人がいるってことを聞いたような……。でも、なんで、そんなことを?」 紀家「いや、ちょっとね。ありがとう。もう解散していいよ。……さて、どうしようか?」
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