一方。有子は約束通り、ゆり子の寮を訪ねていた。
快く出迎えてくれたゆり子の部屋には……。
GMずらりとハムスターのカゴが並んでる!
有子うわ〜、すごい〜! ホントに飼ってるんだあ〜。
紀家溢れ出さんばかりにいる。
べるなギッチギチと詰まってる(笑)。
GMそんなにおらん! 15匹くらいだろう。そのうち6匹は生後三週間くらいの赤ちゃん。眼がパッチリと開いたばかりのかわいい盛りだ。
有子え〜!(狂喜)
「ね、ね、これ触っていい? このちっちゃい、赤ちゃんハムスター!」
GM「うん」
一匹、手に乗せてもらえる。
紀家「やあ、おいらハムスターのジャックさ! おまえの望みをかなえてやろう! ピギギギギギギ!」
一同(爆笑)
龍之介こわいよー!(笑)
GMこのハムスター、やっぱり初対面の人間は怖いのか、おびえてるみたいだよ。ツメ立ててる。
有子え〜!
「怖がらないで、怖がらないで! 何もしないから〜」
って、なでまくり(笑)。
GMそんなことすると……。
「…ち〜〜〜……(おしっこ)」
一同あ……。
有子「きゃー! きゃー! て、手洗っていい!?」
GM「う、うん! ごめんねっ! ごめんねっ!」
しばしの大騒ぎの後……。
有子「でも、これだけの数を世話するのって、やっぱり大変だよね」
GM「うん。昔から大好きなんだけど、増えちゃうとやっぱり……。周りの友達にもあげたんだけど、追いつかなくて」
どれだけの人にあげたかというと、この階なら全員。棟全体なら五割にのぼるという(笑)。
有子「う〜ん、一匹くらいなら私も飼いたいな〜。かわいい〜」
GM「いいよ。一匹好きなのをどうぞ」
有子「いいの? じゃ、さっきおしっこしちゃった、ちっちゃい子を……」
GM「え、あの子でいいの? それじゃ……(と手渡して)飼い方とか、詳しいことは明日、メモ渡すからね」
有子「うん。ありがとう。大切にするからね」
雄のハムスターをもらった有子は、急ぎ商店街で『ハムスター飼育セット』を買い求めた。
有子(自分の部屋に戻って)名前、決めなきゃ。ええと、ハムスターだから……。
紀家ハムちゃんとか……。
べるな私は、『マドモワゼル桜子』ってのが。
一同(大爆笑)
有子(!)『てっちゃん』にする!
龍之介その心は?
有子何となく。あ、今度てっちゃんに、硬い物でも買ってきたげよっ。かじれるように。
紀家硬い物って言うと……鬼堂くんとか。
一同(大爆笑)。
有子それはいいからっ。
「じゃあ、てっちゃん、よろしくねっ。」
紀家「ウン、よろしくネッ」
龍之介こわいーっ!(笑)
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