場面は、変わって、北沢。
病院を出て、携帯をチェックすると、1件、留守録が入っている。
内容を確認すると、「蔵山の家にいったが、本人に会うことはできなかった。引き続き張り込みます」と報告が入っていた。

その頃、刈野邸では、安西が重苦しい空気を感じながら、刈野と話していた。
「先輩。この周囲に鬼が出るって話で……ここに辿り着きました。」
「あぁ……。彼女が、鬼に襲われたと聞いた……。」

重い沈黙が流れる。

「……大丈夫だ。今度の幸せは、必ず、守る。」
「先輩は、もう本職じゃないんですから。」

安西は極めて、明るい口調で告げた。

「既に、病院には、何人か警護をつけています。」
「そうか、後は、ここか……それで、安西くんが、訪ねてきてくれたんだな……。すまない。世話をかける。」
「そういうわけで、今日は、泊り込ませてもらいます。」
「わかった……じゃ、せっかくだから、一緒にメシでもどうだ? これでも、腕には自信があるんだ……そこに座っていてくれ、今すぐ作るから。」

キッチンに立ち、料理を作る手つきは、安西から見てもなかなかのものだ。

「安西くん……。」

その声に、少しの嬉しさと、少しの寂しさを感じた安西は、次の言葉を告げられず、黙ってしまう。
だが、それを気にすることなく、刈野は続けた。

「……私は、もう一度、家族を持とうと思っているんだ……この幸せは、必ず、手に入れる。たとえ、どんなことがあろうとも。」

安西は、渦巻く不安を抑えることができなかった。
安西料理作ったらさ、ちょっと電話したいな、って思ったからさ。 GMあぁ、じゃ、どうぞ。 安西じゃ、外に出て。北沢さんがいいかなと思ったんだけど、一番まともみたいだし。つながっていい? GMいいですよ。じゃ、留守電を聞き終わった辺りで電話がかかってきました。 北沢「はい、北沢です。」 安西「ほいほい、安西だけど。……俺は、刈野さんの方の調査にきてるんだが。」確か、鬼が出てるのは刈野先輩の家の近くなんだよね。 GMそうですね。それで、月山課長がそうじゃないかと思った、っていう。 安西「あそこの家絡みだったら、こっちに来る可能性もあるかなぁ、と思っただけ。」情報をここで話しちゃってていいのかな……。 GMはい、かくかくしかじか、でいいです。 北沢「なるほど。」 安西「話を聞いてるとあれだよね。えり子ちゃんを次のターゲットにしそうな気がする。名古屋の事件を繰りかえせば、落ちることもあるからね〜。」 北沢「子供か……。」
ここで、今回の事件について、全員で話し合う。
(本来は、安西と北沢の電話なので他のメンバーは入って来れないんだけど、そこは目をつぶってくださいませ)

まず、話は、名古屋にいる蔵山に向いた。

これは、安西の一言で決まった。
安西名古屋の国霊に中に踏み込んでもらうしかないんじゃないでしょうか。 北沢あそっか。国霊なら令状なしでもOKな気が(笑)
次に、とにかく、疑わしい刈野。(笑)
安西刈野先輩に怪しいところや、暗い影はないよね。 GM今迄私はそれなりな話し方をしたと思うんで、判断してください。いや、別に刈野さんに[霊感]チェックやるっていってもいいよ。 安西もうやだよ。(笑)刈野が鬼か、蔵山が鬼か。
鬼の正体は、この二人に絞られていた。
慈海最後、鬼が頭を抱えて苦しんでた、っていうのが、どっちとも言い切れない。 鳴神蔵山仁志さんが鬼だった場合は、奥さんのことが好きだから止めが刺しきれない。 三陵刈野さんの場合だったら、いとしい人を失いたくないから。 慈海ただ、刈野さんの場合、えり子ちゃんが夢に見るっていう意味がわからない。
プレイヤーたちは、名古屋に一人残っている蔵山が気になるようだ。
北沢名古屋に行くべきかすごく迷っている。 安西行かなくてもいいと思うけどな。行かないで……一人前衛はいや!(笑) 一同(笑) 鳴神っていうか、ホンネが出てるんだけど(笑) 慈海しかも、プレイヤーの(笑) 北沢じゃ、とりあえず。名古屋の国霊の調査員に、僕の名前を出していいから、蔵山さんの家に踏み込んでもらうようにお願いします。(笑) 安西「次の手を待つしかないなぁ……。」 北沢「正直に言って、俺は、刈野さんのことを疑っています。気をつけて下さい。」 安西「そう思う。大丈夫、こっちもそう思っている。」
ということで、(ルール無視の 笑)電話が終わった。
北沢なんか、二人が高校生と小学生なのがすごく辛いんですけど。(笑) 護衛にします、ともいえない。 GMそうですね。病室に残るなら、三陵はともかく、後は鳴神くんくらいですね。それ以外は、ちょっと難しいんじゃないでしょうか。 慈海外で待機しか、手はないでしょうね。 鳴神じゃ、慈海兄ちゃん、雨の中待機して。(←根に持ってる) 慈海(笑) 鳴神「待ちは、おいら嫌だからなぁ……って、このまま待ち続けたら、おいらずーっと!?(えり子ちゃんと一緒……)」 三陵(笑) 鳴神「いやぁ〜っん」 北沢「この夜が勝負だと思うんだけどな」 鳴神この夜が勝負っ!!! GM(笑いながら)この夜が(えり子ちゃんと)勝負だって言ってるから、三陵止めてあげて〜。 三陵え? きっと三陵は(わからないだろうから)とめられません。 鳴神「え? だって、やるんだったら、日にちがないんだから。」 一同(爆笑) 三陵だから、お願いだから、もうやめて(笑) 北沢だから。(苦笑) 千夜さんは下ネタっぽく言ったのに……。 鳴神ぁぁぁぁぁ。そっちか! GMわかってないところが、なお嬉しいわ〜(笑) 良かった良かった。
ここで、時間を進める前に、改めて、全員の配置を確認する。

三陵と鳴神は、病室の中。
北沢と慈海は、車を1台回してもらい、病院の外で待機。
安西は、刈野の家。

さらに、武器と装備の確認と補充を行う。
GM北沢さんたち[治療符]2枚、[人払いの札]を1枚、渡されます。それと「まだ開発中のものなんですが」って、特殊ケースに入った銃弾4発を渡されます。 北沢俺に持っておけ、って感じだな。 一同(笑)
渡されたのは[結界弾]。4点に銃弾を打ち、打った中が結界になる。
通常時でも、戦闘中でも、1ターンに2発撃てるため、2ターンで結界が張れる。
安西は、聖水を所持。
三陵は、斎の竹櫛(GMが考えたアイテムで、バリアのようなもの)と吉祥果、倶縁果、と隠形符。
鳴神は、刀を所持。
北沢は、「木霊」を所持。

緊張感が漂う中、しとしとと冷たい雨は、降り注いでいた。
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