プロローグ Part2
――それからは、何もかもが止まってしまった。
時が過ぎ、年が変わっても、すべてが、あの時のまま……。
GMあれから、刈野さんはすぐ退職されました。無理した笑顔で「本も売れましたんで静かに暮らすことにします」って。それだけを安西さんと月山課長に告げると辞めていってしまいました。そして、その後、黛くんと北沢さんの2人で、1月半ばまで事件の調査をします。 慈海??? GM現場検証とかありますから、当然、止めを刺した人ってことで呼ばれますし。 鳴神坂上さんが……。 GM月山課長と知り合いなんですよ。 鳴神そうなのか……(笑) GMで、二人に事後調査を任せようという話にしたんですよ。きっと。 一同(笑)
ここで、事後調査の内容が明らかになる。

まずは、被害者。蔵山仁志、40歳、ごく普通の会社員。襲われたのは帰宅途中のことだった。
北沢が病院を出た後すぐに、奥さんと娘が駆けつけ、仕事しか目が向いていなかった蔵山が、家族の大切さを改めて理解したようだ。

次に、鬼。今から3ヶ月前のこと、一人の少女が不良グループに乱暴されて自殺した。警察は乱暴した相手を見つけることもできぬまま、被害者自殺のため捜査を終了。少女の父は、どうにもならない苦しみと、娘を亡くした悲しみから、人差し指と薬指を切断し、「鬼になってやる」とのろいの言葉をつぶやきながら亡くなった。で、鬼となった彼は、付近を当たり構わず彷徨していたようだ。
GM結局、そういう悲しい結果が分かっただけでした。
次は、鳴神。(GM:お待たせしました!)

小学校は、今、3学期だ。
GM「鳴神! お前、また遅刻かっ! 今週で5回目だぞ!!」今日は金曜日です。 一同(笑) 鳴神「すいません、すいません、すいません。」って、男の先生?おいらの担任は高原先生っていう、女の先生なんですけど……。 GM高原先生、今日お休み。で、高原先生とデキてるんじゃないかと話題になってる隣のクラスの中山先生が。 鳴神なんとーっ!! GM実は、全然デキてなくって(笑)。なぜか、彼は今日すごぶる機嫌が悪いです。 鳴神ふられたんじゃないの? GMちなみに、今日は2/14です。 一同(ウケてる) 鳴神2月14日ぁっ!! なぁんだ、先生からもらえると思ったのに。 GMそうそうそうそう。それをね、やりたくなかったから、休んだんでしょう。 鳴神(苦笑) GMっていうことで、「廊下に立ってろ!!」 鳴神「はぁ〜い」
時は進んで放課後。
GM同じクラスのえり子さんが、君の頭をぽんっっと叩いてきます。 鳴神「いてぇ、何すんだよぉぉっ!!」 GM「そう言う口の聞き方するんだ、鳴神はぁ〜、ほら、お前が立たされた授業のノートだよ。」 鳴神「あっ……ありがとうございます、ありがとうございます。」 北沢個人的にはノートもらっても読まないからたぶん一緒だと思うんだけど。 鳴神ぎくっ!! GMそこまで普通に勝気でしゃべっときながら、次の言葉を出すのに、彼女自身苦労している。「そ、そ、そ、それから、さぁ……。」 鳴神「うん。何!?」とまったく無頓着。 GM「あ、あのね。今日、ちょっと、空いてる、かなぁ〜」 鳴神「え、今日? まぁ、空いてるけど?」 GMで、えぇと……きょろきょろ。「ここじゃ、ちょっと……。」 鳴神「……何かあんの?」 慈海/クラスメート「おーい、鳴神、サッカーやろうぜ!!」とかいって。 一同(笑) 鳴神「あ、サッカー!? やるやる!!」 GMすると、持っていた包みを君に投げつけて「鳴神のばかっ!」って、走っていく。 鳴神「な、なんなんだ、ったくー」 GM投げられたんで、包みが散乱している。 鳴神ぎゃーっ(笑) GM中に入っていたのは、手編みのマフラーと綺麗に包装されたチョコレートです。 鳴神「あぁ、そういえば、今日は2/14だったっけ……。ひょ、ひょっとして……」(硬直した後)「……ま、いいや。」ちゃんと袋の中に戻して、丁重にお預かりしておきます。 慈海お預かりか(笑) 北沢預かるってことは、突っ返すのか?(笑) 鳴神ちゃんともらいますよ……。
一方、その頃、北沢。その後、事情聴取などを行い、何度も顔を合わせている蔵山が退院の日を迎える。班長とも話し合った結果、彼が見た鬼の記憶に関しては、北沢の意見が通り、そのままにしている。
GMあまりに辛いのか、あなたの前でも、そのことについては聞かれない限り語ろうとしません。で、班長さんから「行ってやったらどうだ。」と言われますよ。 北沢じゃ、お祝いにお花、買っていきます。 GMそうすると、服に着替えて、一人椅子に座っている蔵山さんがいます。
「あぁ、北沢さんっ。どうも、たびたびすみません。」
「いえいえ、こちらも調査に付き合っていただいてすみません。あ、そうそう……退院、おめでとうございます。」

花束を渡すと、蔵山は少しはにかんだ。

「いえ、これも北沢さんのおかげです。本当に助かりました。もう、傷も完全に治りましたし、仕事にもすぐ復帰できそうです。」
「それは良かったです。」
「あ、そうそう。」

彼は読んでいた本を、軽く掲げ、北沢に見せた。

「読みました? この本、最近ベストセラーになってますね?」

―― あ、あの時の……。

北沢の脳裏に、あの凄惨な状況が甦った。血まみれになった表紙から、やっと読み取れたタイトル。

「幸せなとき」

北沢には、皮肉にしか思えなかった。

「この小説、心温まりますよね。」

内容は、マイホームパパだった刈野らしい、家族の愛を題材にしたものだと、聞いていた。

「私にも妻と娘がいましてね。今まで、私も仕事一筋で、家族にも呆れられていたんですが、このケガのお陰で妻も娘も心配して見舞いに来てくれます。」

刈野にとって、幸せとは何だったのだろうか……。

「私はこのケガで妻と娘の愛を再び手に入れたような気がします。」
GM「どうです? お読みになりませんか?」 北沢「……また、本屋で買わせてもらいます。」 一同(笑) GMじゃ、ちょっと笑いますね。そこに奥さんがきて。娘さんは学校がありますから。「じゃ、どうもありがとうございました。」って、奥さんに、これとあれと、っていうと、奥さんがちょっとぼろぼろの手編みのマフラーを出すんですよ。 北沢見るともなくみてます。 GMにこって笑って、「あぁ、これですか、娘が編んでくれたんですよ。誕生日にね。実はね、好きな人がいるみたいで、その人に編むための試作品なんですよ。父親なんて、いつも余り物ですよ。」 鳴神(小声で)マジでらぶらぶだよーー GM「まったく、どこのどいつに送ったんだか。」 北沢「私も家族が欲しくなった気がします。」 GM「家族はいいですよ。」って言って「じゃ、本当にありがとうございました。」と、蔵山さんは去っていきました。
プロローグの最後は、鳴神。4月、クラスがえもなく、新学期を迎える。
GM高原先生が「ご家庭のご事情で、蔵山えり子さんは転校になりました。えり子さんは、お別れも言えないことを悲しんでいました。」と告げます。で、授業が終わったりすると、君の家に、手紙が届いていたりするんだろうな。 鳴神(苦笑) GMというわけで、プロローグ、すっごい長くてごめんなさい。終わりです。 慈海? 三陵さんに振られないなぁって思って。 三陵この時、三陵いないもん。
この時期、三陵は退魔士としては全く活動していないのです。
GM(お里のある)諏訪で温泉に入ってるんだっけ? 三陵そうそうそうそうそうそう。 慈海&鳴神&北沢(苦笑) 安西そっちか……。 三陵この前の温泉シナリオのときに言ってたじゃないですか?「お里のお風呂だあ〜」って。(笑) 安西言ってた、言ってた(笑)
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