同じ頃、東京の国霊本部にいる安西。
安西の少し先輩である刈野が声をかけてきた。

「私は、本当は……。」

机においてあったペンを持つと刈野は続けた。

「この道にすすみたかったんですが、この道での技量はなかったみたいで……」

懐から独鈷杵を取り出して、寂しそうな顔で見つめた。

「……残念なことに、私にはこっちの道の技量はあったようです。こんな危険な仕事ですが、食っていかなきゃ仕方ないので、頑張っていきますよ。」
GM彼自身は、妻子持ちで、マイホームパパなんですよ。
「家のローンもありますし、払い終わるまで、国霊を辞める訳にはいきません。」
一同(笑) GM「でも、早く小説が売れると、こんなやくざな商売から足が洗えて……」 安西「どっちもヤクザだろーー」(笑) GM「そうですけど、少なくとも命を落とす心配はないでしょう。さすがに、妻と娘は心配していますから、もっとも娘には、仕事の内容は明かしてないんですけれど。」 鳴神お父さんは正義の味方なんだよ……(笑) GM「安西くん、結婚はしないんですか?」 安西「はっ?」 GM「家族はいいものですよ……。」で、彼は12/24あたりから、正月まで全部年休を使います。 安西「お約束だなぁ〜」って、予定表をしみじみ見ている。 GM「妻の実家が名古屋にあって、先に里帰りしているんです。それで、私も24日から休ませてもらいます。まぁ、こちらで事件があったら戻らざるを得ないと思いますが、君がいるから大丈夫でしょう。」 安西……ったく、って思いつつ、「はいはい」と手を振っとく。 GM「……あ、この間書いたサスペンス小説、読んでくれました?」 安西ぎくっ。実はまだ読んでない。 一同(笑) GM一度、読んだことがあるんだけど、全然、サスペンスでもなんでもない。(笑) で、ちょっと、苦しい顔して……。 安西「や、ちょっと忙しくて、さ」 GM「やはり、そうでしたか……わたし、どうもサスペンス……根は書きたいんですけど、全然書けなくてね〜」 安西あわないよ、と思ってる。 GM「そうそう……安西くん。この間、家族との団欒を書いたら、編集部さんが、ぜひとも出版したいって言ってくれまして。その本が、12/24に発売されるんですよ。」 安西「ほうほう、なるほど……家族にクリスマスプレゼント?」 GM「えぇ。家族にはさすがにもうバレてしまったんですが、喜んでいますよ。」 安西「良かったね。」 GM「わざわざ書店で買うみたいなんです。1週間もすれば、出版社から家に送りつけてくるんですけどね。手元に届いたら、安西さんにもお渡ししますんで、そちらは読んでくださいね。」 安西「たははは」 GM「じゃ、いい休みを」って言って、彼は年末の休みに入っていきました。 慈海管理職なのに、仕事納めにいないのか……。 GMあ、別に管理職じゃないですよ。退魔士の仲間、っていうだけで。 安西どっちかっていうと、こっちの方が管理職に近い(笑) 一同(笑) 安西こっちは、東京でスタートするってことでいいのかな? GMうん。
被害者の話には、目新しいことは何もなく、調査としては何も進展がなかった。
北沢は、事故現場へと急いだ。

―― 夕方、か……。

夕暮れ時。
その別名を――逢魔が刻。

周囲を包む異様な空気に北沢が警戒を強めた、その時。

「ぐぅわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

―― 来たかっ!!

北沢は男の悲鳴に向かって走り出した。
交差点の向こうにいたのは、巨大な鬼。

「うーーーっ。」

うめき声に目を向けると、わき腹を押さえて、うずくまっている男。
押さえた手から滴り落ちる朱い雫は、アスファルトへとこぼれ落ち、男の周囲を包み込む。
男の周囲に散乱している白い塊――おそらく、クリスマスケーキだろう――が、水たまりの紅い色を際立たせていた。
GMその人の2mくらい先にいる鬼が、片方の爪から、血をぽたぽたと滴らせて、凶悪な笑みを浮かべています。そして、あなたに気付いたのか、その笑みをにやって、あなたに向けます。 北沢鬼を警戒しながら、男性に近づきます……。 GM鬼は、あなたに興味を示さなかったのか、鬼の周りの空間が歪みだします。 北沢……とりあえず、発砲。 一同(笑) GMいいなぁ、いいなぁ……。プロローグなんで、判定するのよそうかと思ったんだけど、面白いから判定して。とりあえず発砲、はいいなぁ(笑) 北沢……効くと思ってないし(苦笑)半負け惜しみ状態で撃つという。 鳴神とりあえずを強調。 鳴神&三陵とりあえず、発砲。(笑) 鳴神何がどうとりあえずなんだかよくわからないが……。 安西なんとなく、発砲 一同(笑)
北沢の攻撃は、威嚇射撃となってしまった。
(鳴神:やっぱ、とりあえず、だからなぁ……。)

鬼は、軌道がそれていく銃弾に目も向けず、自分に攻撃の意思を示した北沢をしっかりと睨み付け、闇の中へと消えていった。

その後、傷口からの妖気を消去する等の処置をした上で、被害者を病院へと搬送する北沢。
医者の話だと、特に大きな手術の必要はなく、1ヶ月くらいで退院できそうということで、一安心。
GM彼の持ち物から、その男の人は、蔵山仁志さん。ごく普通の会社員みたいです。服装は、ちょっと寄れたコートと、よれよれのYシャツとか着てちょっと小太りした小柄なおじさんです。 北沢話とかは、聞けそうですか? GM翌日までは難しそうです。で、ご家族には、医者から連絡を入れたようです。
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