プロローグ Part1
―― あれは、今から半年前のこと。
そう、あの日は、クリスマス・イブだった。
GMさて、誰から行こうかな……。 三陵鳴神くんと、保護者の慈海くんでしょ? 鳴神え? 保護者? しくしくしくしく。 三陵保護監督役でもいいよ。 鳴神監督って……おいらって、なんか問題起こしたっけ……? GMはい。 三陵(爆笑) GMうわ、なんか、いいタイミングで入ってしまった? はい、やります、って言おうとしただけですよ……。 慈海いや、OKです。 GMOK? じゃ、問題起こしたことにしようか、で、今、謹慎中でさ
   ぁ〜。
鳴神何ぃーー!! 三陵(笑い転げてる) 慈海鳴神から問題をとったら、骨と皮しか残りませんから。 鳴神ちょっと待てーーーーーーっ!!(笑) GMということで、保護者の黛くん。 鳴神(小声で)ということ、らしいし……。 慈海はい。(笑)
いつものように、坂上が慈海を喫茶店に呼び出した。

「ったく、俺は、AMOSじゃない……。しかも、よりにもよってこんな日に、か……」

クリスマス・イブだろうと、正月だろうと、坂上に大きな借りがある以上、応じる以外、慈海に選択肢はない。

カランカラン〜。

ドアを開けた慈海の目に飛び込んできた、クリスマス一色の店内。
窓ガラスには、サンタクロースやトナカイが白くかたどられ、店内にはきらきらと光るデコレーション。

まだ、昼だというのに――、慈海は思わずため息をついた。

入口から少し奥まった、いつもの席にスーツを着崩した姿の男が一人。
それでも、彼がだらしなく見えないのは、身にまとう霊気のせいか……。

彼は、慈海を見つけると、手を挙げて席に呼んだ。
慈海「たまのクリスマスに、今度は何が起こったんです?」 GM「たまのクリスマスに、仕事を引き受けてくれる人はなかなかいなくてね。」って、にやっと笑いながら言うね。 慈海「後でクリスマスパーティーのキャンセルを入れないと……。」 鳴神もちろん、野郎同士の(笑) 慈海悲しすぎる……。 GMこの間の借りがあるんで、絶対やってくれるという自信の元での発言です。 慈海(ため息)こ、断れない……「で、何をしろ、って言うんです?」
坂上の話によると、この近辺に悪鬼が出没したとのこと。
目撃者の話と、残留妖気から想定すると、悪鬼は、身長2mの大男。
GM「まだ、さしたる被害は出てないが、今日中に調査をしてほしい。」 慈海「さしたる、というと、多少は何かあったのですか?」 GM夜中にタクシーの運転手が目撃して電柱に激突し、車が大破するという事故が発生しています。運転手は軽傷ですみました。 慈海あとは、吠えていた番犬が食われたとか?(笑) GMあ、それいいね〜。食われたよ。(笑) ここ1週間で、そういう事件が3件あるらしいね。 慈海「……名古屋の広域で?」 GM「いや、範囲は特定されている。」 慈海「区内、というところか……」 GM「その周辺の調査をお願いしたい。事件も明瞭なはずだ。」 慈海(ため息) GM「おそらく、魔物絡みの仕業であることは確実だろう。いつ、人が犠牲になってもおかしくない。」と言った後に、「この件について、名古屋に新設された国霊にも動きがあるようだ。」 慈海「あぁ……最近、別班ができるという噂を聞いたことがありますが。」 GM「別班か」って、にやりと笑って。「私の知り合いが結構名古屋の方でやる気みたいだ。」 慈海「……AMOSなのに、なぜそこまで知ってるんです?」 GM「国霊には知り合いが多くてね。」 慈海あなどれんなぁ……。 GM「では、よろしく頼むよ。」
同じ頃、その別班に所属している北沢。
GMまず、お見知りおき頂きたいのが……月山剣という方です。
月山剣(つきやま・つるぎ)。
彼は、安西と三陵の上司だが、名古屋支部が新設された際、東京本部から名古屋に出張していたのである。
(詳細は、主要NPCの項を参照ください。)
GM名古屋に国霊が新設されたのが4月で、今は12月ですから、月山課長とも何度か一緒に仕事をこなしていると思ってください。 北沢はい、わかりました。 GM現時点では月山さんは名古屋にいないんで、直属の班長から仕事を受けます。で、さきほどの鬼が出没するという事件が、あなたに回ってきました。 北沢で、クリスマスなんですね。 GMそうです。 北沢「……とても素敵なクリスマスプレゼントを……。」(笑) 一同(笑) GM「悪いがクリスマスは平日だしな。我々はしがない国家公務員だ。我々の仕事が市民の安全につながるんだ、そう思って、みんなの幸せなクリスマスのために涙を飲んで仕事をしようじゃないか。」と、班長は君の肩をぽんっとたたきます。 鳴神言ってみれば、君はサンタクロースだ。 一同(笑) GM「そう、人々に愛と言う名のプレゼントを……。ないないないないない。」 北沢「班長……余計、悲しくなる……。」 一同(笑)
班長は、顔を引き締め、こう告げた。

「今回の敵は気を抜くな。残留妖気がかなり高い値を示している。今は調査だけにしておけ。」

北沢の顔も自然に引き締まる。

「手が足りないので、お前にしか依頼できないが、これは、一人で片付けられる話ではない……AMOSに退魔士を出すよう依頼したところだ。」
「はい。」
「近いうち、合流してもらうことになるだろう。」

手にした資料を渡しながら、班長は言った。

「今日はまず、現場の下調べだ。」
「分かりました。」

資料と地図を手にして、自席に戻ろうとする北沢を班長の声が追いかけた。

「よろしく頼む。……まぁ、クリスマスだ、早めに引き上げて構わんぞ。」
北沢じゃ、それ持って被害者の元に行ってみます。 GMはい。一応、班長の意図としては「AMOSの退魔士と合流して、3人くらいになれば、解決できるだろうから、本格的に動くのは、そこで。今日明日は、一人で調査して欲しい。」ってことです。名古屋に支部ができてあまり時間が経っていないので、人が足りない、ということにしてください。 北沢はい。わかりました。(笑)
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