“妖酒老” 酒匂宴楽斎

いらっしゃい。

うむ? 初めてここに来られる方じゃな。

うぉっほん。『居酒屋 酔夢』へ、ようこそ……まぁ、主に常連達で席が埋まる事の多い店だが、なに、気にする事はない。だれでも最初は一見さんだからの。

そう言えばお主。ここらでは見ない顔じゃのぅ。

ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ。
やはりのぅ。新顔さんか。

ワシお、ここいらに住みはじめて数百年にもなるからの。ここらへん全ては、ワシの庭みたいなモノじゃ。

ん、ワシが何かヘンな事を言うたかの?
まぁ、酔っ払いの戯言だと思うておくれ。

おぉっと、これは、お客にお冷も出さんと……すまんことをした。
で、飲み物は何にするね、日本酒の他にもワイン、ビール、ブランデー等もあるぞ。

うむ!

やはり、日本人は、日本酒だの!
あの水晶玉お化けめ「ワインの方が上品」等と言いよった。今度、あやつの体を日本酒に漬けて、酔ったところを羅那ちゃんに看病させてやる。

ん? まだ、ワシの名前を聞いていないと?

フム、まぁ、「マスター」だの「おやっさん」でもかまわないのじゃが……。ここいらで名乗っとくのがえぇじゃろ。
ワシは「酒匂宴楽斎」。仲間内では、「宴楽のじーさん」や、「宴楽斎」、「ラヴリー宴ちゃん」等と呼ばれておる。

自分で自分の説明をするのも変だが……そーじゃなぁ、性格は、乗せられやすく、乗りやすく、シリアスは苦手じゃ……近頃は、暗い事件ばかりでイカん!

好きな物は、まず、酒、同列に女娘、次にお祭り騒ぎ、最後に普通の生活を楽しむことかのぅ。
この様に居酒屋をきりもりしながら常連や仲間達との会話を楽しむ、そんな日常が一番の幸福とは思わないかの。

おっと、すまんの。長々と話してもうて。

……そろそろ仲間達が来るころかのぅ。

ふふっ、仲間達の事か。
彼奴らは……一言で言えば「人間よりも人間らしい」といったところかの。年は、若すぎる者からワシの様なオイボレまで様々。職業的にも何のつながりもない、他から見るとヘンな集団なのじゃ。

このごろはそんな仲間達の話の中にも暗いものが多くての。
それでもなお明るく強く振る舞える奴らの事がワシは……。

おっ、ウワサをすれば何とやら……

―― ガラガラガラッ(SE) ザワザワ ――

「くぅおぅら 梅藤!! 今いったい何時だと思うちょるくぁ!!」
「す、すいませんっす、親父さん! 来る途中で皆さんにつかまって連れ回されてるうちにぃ〜!!」
「言い訳はえぇわい、心配せんでも、給金からゴッソリ減らしとくだけでカンベンしてやるわい!!」
「……そりゃないっすよ、親父さん〜」


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